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『芳華-Youth-』(芳華) | |||||
監督 フォン・シャオガン | |||||
大河ドラマのダイジェスト版を観ているような少々乱暴な運びの筋立てだったが、役者たちに魅力があった。小萍(シャオピン)【ミャオ・ミャオ】が軍属の文芸工作団に入団して劉峰(リウ・フォン)【ホアン・シュエン】に出会い、毛沢東が死んだ'76年は、小萍と同じように僕も田舎から上京して大学に入ったばかりの18歳で、ちょうど彼らと歳が重なるからか、何とも言えない感慨が湧いてくる作品だった。 '76年から'05年までの彼らの歩みが、文工団仲間で作家になった穂子(スイツ)【チョン・チューシー】の語りによって綴られる形になっていたが、彼らと同じ時代を生きて来ていても、戦争に行き心身に深いダメージを受けることもなく過ごしてきた僕には、改めて戦後日本で生れ、過ごせたことの幸運が沁みてくるように感じられた。他方で、若い日の時間を共に過ごした面々との単純な好き嫌いや良し悪しでは測れない縁については、国の状況の如何によらず変わらぬ芳華を漂わせるものであることを体感させてくれたように思う。 フォン・シャオガン監督の作品は、これまで『女帝<エンペラー>』『戦場のレクイエム』『唐山大地震』と観てきているが、スケール感のある映画が得意のようだ。最後に寄り添っていた小萍(シャオピン)と劉峰(リウ・フォン)の姿に、チャン・イーモウ監督の『妻への家路』でコン・リーが演じた馮婉玉とチェン・ダオミンの演じた陸焉識の姿を思い出した。国家に翻弄される個人の脆さと靭さを鮮やかに描き出していたように思う。 | |||||
by ヤマ '20. 1.28. 美術館ホール | |||||
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