『ロケットマン』(Rocketman)
監督 デクスター・フレッチャー

 数日前に『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENTを観たばかりだったせいか、こういう映画こそ Sound=Cinema でやってもらいたいものだと改めて思った。高校時分に愛聴したスカイライン・ピジョン(地平線の小鳩カントリー・コムフォート(故郷は心の慰めイエス・イッツ・ミー♪も出てこなかったけれども、懐かしい曲がふんだんに出てきて嬉しかった。

 オープニングの♪黄昏のレンガ路♪のアレンジに驚き、こんなふうになるんだと感心。そのあと出てきた♪土曜の夜は僕の生きがい♪の2曲の間を、ずっと心が行ったり来たりしていたレジー・ドワイトという立ち位置からエルトン・ジョンを描いた作品だったなという気がした。

 エルトン自身が製作総指揮を担っている作品だから、やはり両親に対する屈託の深さが印象深く、とりわけ父親の再婚家庭を訪ねた場面が心に残る。母親にゲイを告白した時の電話の場面ともども、なかなか強烈だった。かなり以前から企画していた映画作品らしいが、両親ともに他界したことで吹っ切れた部分があったのかもしれない。

 また、昨年観たボヘミアン・ラプソディでもRay/レイでも描かれていた天才ミュージシャンの商業的成功と孤独の深化が何だか痛ましかった。でも、♪クロコダイル・ロック♪の場面は、とても好かった。あの鍵盤に両手をついたまま宙に舞った図には見覚えがあるような気がする。
by ヤマ

'19. 9. 1. TOHOシネマズ3



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