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『さざなみ』(45 Years) | |||||
監督 アンドリュー・ヘイ
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ヤマのMixi日記 2016年05月16日23:45 ケイト(シャーロット・ランプリング)とジェフ(トム・コートネイ)が出会ったとき、彼女は十代で夫は大人のようだったと言っていたが、25歳のとき恋人カチャを山の事故で亡くして50年とジェフは言っていたから、75歳というわけだ。されば、ケイトは60代後半。あと十年もすれば、僕ら夫婦も結婚45年になる。そういう意味でも、実にニュアンス豊かな映画だった。 老境に入っているケイトが自分たちに若い頃の写真が残っていないのは子供や孫に恵まれなかったせいね、などと夫に言っていたことが印象深い。パーティで友人たちが昔の写真を持ち寄ってくれたりしていたことも、夫の気になる言動から、気が引けながらも屋根裏部屋で覗き見した夫の過去帳にカチャの写真を見つけたことも、彼女の心に動揺を与えたのだろうが、もしカチャが妊娠をしている様子が写っていなかったなら、ラストシーンでのダンスの後のケイトの抑えきれない憤りの噴出はなかったように感じた。 ジェフは何度もケイトに「話してなかったか?」と不審げに問い直していたが、おそらくカチャの存在や事故死のことはケイトが言うような初耳ではなく、ジェフは話していたのじゃないかと僕は思うが、妊娠のことは告げていないに違いない。僕自身は、妻と結婚する前に、高1の時分からの日記を読ませているから、ケイトとジェフの間に生じた結婚前のことについての開陳の齟齬は起こり得ないが、かなりな重大事でも妻がいちいち覚えていないように、ケイトが忘れていた気がしてならない。若いときには気にならなかったから覚えていないだけのことなのだと思う。だが、既に若くはなく、子も孫も持ちえず写真も残っていない彼女には、若いときのようには臨めない。 パーティでのスピーチでジェフが言っていたように、歳を取ると人生の選択機会がなくなってくるというのは僕の実感でもあるというか、それこそが歳を取ることのように感じているのだが、若い日の選択には大きな意味があると言い、ケイトとの結婚という選択は、自分にとって最も意味のある良き選択だったと述べ涙する言葉に偽りはない気がした。そして、そのことはケイトにも充分以上に伝わっていればこそ、オープニングでもケイトが口ずさんでいたプラターズの♪Smoke Gets In Your Eyes♪をラストに二人で踊っている最中には確実に彼女の心を癒しているように感じた。 ケイトにすれば、さればこそ、在りし日のカチャの妊婦姿を覗き見してしまったことへの憤りが止まらなかったということではなかろうかという気がする。覗き見した自分に憤っているのか、覗き見までさせたことになる夫に憤っているのか、どちらなのかは一概に言えない気がしたが、いずれにしても45年の歳月と夫のメモリアルスピーチにミソをつけてしまう大チョンボだったわけだ。 すっかり驚いたのは、後からチラシを読むと、あのパーティが最初から「結婚45周年の記念パーティ」として催されているように書かれていることだった。僕は、あれはジェフの昔の職場仲間の企画したOB会として運ばれていた、言わばサプライズパーティで、さればこそ、そのサプライズ効果を効かすために、実は、あれだけのスピーチを用意してあるくせにケイトには行きたくない素振りを見せたり、夜中にダンスを思い出させてベッドに誘い、「まだやり方を覚えているかなぁ?」などと怖じつつ睦み合ったり、止めていたはずの煙草を復活させたりして♪Smoke Gets In Your Eyes♪に臨もうとしていたのだと思っていたから、これは書いてはいけないと憤慨した。サプライズ効果のために仕込んだことが仇になって覗き見をさせてしまった話だと思っていたのだが、パブリシティ側は、そういう捉え方をしていないようだ。 また、♪Smoke Gets In Your Eyes♪を聴くと、つい『オールウェイズ』を思い出すのだが、奇しくもあれは妻と一緒に観に行った映画だった。 コメント談義:2016年05月16日 23:56~2016年05月27日 23:27 (ケイケイさん) これほど子供のいない痛みを感じた作品は、記憶にないですねぇ。 この人たちが不妊治療していたかは、わかりませんが、カチャのスライドは、子供がいないのはケイトのせいだと言わんばかりですもん。 >覗き見した自分に憤っているのか、覗き見までさせたことになる夫に憤っているのか 両方なんでしょうね。段々責任転嫁して、夫への怒りだけ残ったんだと思います(笑)。 >最初から「結婚45周年の記念パーティ」として催されているように書かれていることだった。 冒頭のほうで、描かれていたような。本当は40周年のパーティーを開きたかったけど、ジェフがその時病気でダメだったからって、ケイトの口から直接ジェフに言ってませんでしたっけ? ヤマ(管理人) ◎ようこそ、ケイケイさん、 僕は、あのエンディング・ショットを内心では実景ショットではなく、作り手からの映画的なメッセージショットだと受け止めているんですよね。つまり、それまでのダンス中の癒され感じ入っている姿は実景だけど、本当のところは、それだけではないものが秘められていることを示すためのショット。 で、そこにあるのは、実のところは、自分に対してなのか夫に対してなのかも判然としない、カチャの妊娠への理不尽な憤りが大半なのだろうとか思ったりする(たは)。女性からすれば、理不尽に過ぎて、ちょっと憤慨されるかもしれないけど、女性にはそういうところがあるように感じています(笑)。 結婚記念パーティのことについては、誰かの結婚記念パーティの話をしてるなかで、自分たちも40周年記念パーティをやろうとしつつもダメになった話をしてた気がします。それでジェフは「あんな気恥ずかしいことをせずに済んで助かった」というようなことを白々しくも言ってカムフラージュしていたように思いますよ。 大体そうじゃなければ、上に僕が書き出しているような仕掛けが腑に落ちなくなってくる気がしますもん。間が悪かったのは、ジェフのいつもと違う言動がケイトにとっては、すべてカチャの存在につながってしまったからであり、彼女にとっては、ジェフには思いも掛けなかった“初耳”になったことに他ならない気がします。 ケイケイさんの映画日記を先ほど拝読して面白かったのが、僕がパーティでの♪Smoke Gets In Your Eyes♪の効果を上げるための布石として夜中にダンスを思い出させてベッドに誘ったと観ているところを「後ろ暗いのを隠したいのでしょう。男が浮気で使う手ですね」と書いてるとこでした。 ジェフが気が進まない、行きたくないと言っていたときに、ケイトはそれはダメよとたしなめていたと思いますが、それがハナから自分たちの結婚記念パーティのことだったら、もっと機嫌を損ねるなり憤慨して、あのようなたしなめにはならないような気がしませんか? (マタンゴさん) ジェフの会社のOB会と、結婚45周年パーティははじめから別物でしたよ。だから、サプライズパーティではないと思います。 カチャのことは、ケイトは知っていたんじゃないかなあ。ちらっと聞かされてたと思います。でも、妊娠のことは聞かされてなかった。妻は、夫の過去の女性の話は忘れないと思うなあ…少なくとも私は忘れない(笑)。だから、絶対、自分の過去のことは言いません…「すごくもててたんだよ~」とは言うけどね。 ケイトは、子供を持てなかったことに対して、あの写真を見て「自分だけの責任だった」って感じて、打ちのめされたんだと思います。 ケイトの憤りは、カチャへの思いがず~~~っと熾火のように夫の奥底に残っていたことじゃないのかなと、私は思いました。これまでの45年はなんだったんだろう、死んでしまった人には絶対に勝てないっていう虚しさとともにね。 (TAOさん) マタンゴさんもおっしゃるとおり、あのパーティはサプライズではなく、OB会は別にありましたよ。ジェフはOB会にしぶしぶ出席して、みんなつまらない話ばかりしていてちっとも楽しくなかった、と感想を妻に述べてましたもの。それを聞いて、ケイトはイヤ~な顔をしていたんです。「そりゃカチャのことばかり考えて心ここにないからでしょうよ」と思ったんでしょう。 40周年のときはジェフの心臓バイパス手術でそれどころじゃなかったと言ってましたよね。ケイトも大袈裟にはしたくないからと、会場の下見のときに、主賓席はつくらずに大テーブルの中央に座るようにとスタッフに指示し、電話で流す曲も決めてました。ドレスも新調し、友人から「ジェフはきっとスピーチで泣くわよ、男はみんなそうなんだから」と言われてましたよね。 (ケイケイさん) あぁ、良かった(笑)。 正直、サプライズの件は驚愕して目が点になってたんで…。私もお二方と同じに理解しています。 OB会には、ケイトがジェフを送迎していましたよ。今の組合はダメだとか、誰それはまたウクレレを弾いていたとか、言っていました。 TAOさん、そうそう。冒頭での45周年のパーティーの下見も、ケイト一人で行っていました。流す曲も、後から会場から決まりましたか?の電話かあって、答えたのもケイト。 「あなたが私の何が不満かわかったわ。でもパーティーには出て頂戴」とも言っていました。ケイトが一番45周年のパーティーを楽しみにしていたんですよ。それをカチャの亡霊にズタズタにされ、怒り狂ったんです。 仕掛けはないと思います。だから怒らないで(笑)。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、マタンゴさん、TAOさん、ケイケイさん、 最近にない反響に、誤解してみるのもよいもんだなどと、ちょっとほくそ笑みつつ、興味深いご意見にニンマリしていました。どうもありがとうございます。 映画の場面として挙げていただいたもののうち、ケイケイさんの書いてくださった「OB会には、ケイトがジェフを送迎していました」と「あなたが私の何が不満かわかったわ。でもパーティーには出て頂戴」については、僕の記憶から飛んでいましたが、そこまで皆さん歴然としていれば、結婚記念パーティが45年という妙に半端な年で設けられていたのは、あくまで両者了解済みの40周年記念パーティのやり直しだったからなんでしょうね。 OB会に出ても面白くないという愚痴は、過去の例による経験を語るなかでの今回のOB会に出席するのは気が進まない理由として添えられていたように思うので、別物として出席した後の発言ではなかった気がしますが、発言としては覚えがあります。 僕は、ジェフの友人の発案によるOB会の実務設計に奥さん方が協力していて、ケイトが会場関係を受け持っているように思っていたのでした。流す音楽を決める電話のことについても、冒頭で口ずさんでもいた自分のお気に入りの曲を挟み込む場面を設けることで、彼女にとって特別な曲であることを印象付けていたのだと解しつつ、ケイトが自分たち夫婦の結婚記念パーティの準備をしているとは観ていませんでした。 思えば、それも不自然な気もしますが、それだけジェフが言っていたように思う「あんな気恥ずかしいことをせずに済んで助かった」というような言葉に同調するとともに、だからこその“サプライズ”だし、でなければ、例の真夜中のダンスといい、喫煙復活の件といい、やたらと作為的なものが見え隠れするので、そう受取らないと了解しがたい気がしたからでしょう。 また、作劇的に考えても、TAOさんとこに書いたように、“長年連れ添った夫と妻との間で、サプライズの部分がずれちゃった悲喜劇”と観るほうが座りがよく、なかなかニュアンス豊かな興味深い作品になるからだったのかもしれません。 ◎マタンゴさん >カチャのことは、ケイトは知っていたんじゃないかなあ。ちらっと聞かされてたと思います。でも、妊娠のことは聞かされてなかった。 同感です。でも、ケイトは初耳のように言ってましたよね。 >あの写真を見て「自分だけの責任だった」って感じて 夫が子供をほしがっていたとか責められてたとかもなさそうなのに、責任まで感じてしまうものなんですねぇ…。 >ケイトの憤りは、カチャへの思いがず~~~っと熾火のように夫の奥底に残っていたこと そういうものなんでしょうね。でも、それで「これまでの45年はなんだったんだろう」とまでなってしまうんですかね? 理屈じゃないのだろうけど「死んでしまった人には絶対に勝てないっていう虚しさ」に繋がる、勝ち負けというか張り合う気持ちにどうしてなるのかなぁ。夫への思いの深さ? 己がプライド? いずれにしても、どうも腑に落ちないんですが、女性にとっては極当然のことのようですね。 ◎TAOさん >それを聞いて、ケイトはイヤ~な顔をしていたんです。「そりゃカチャのことばかり考えて心ここにないからでしょうよ」と思ったんでしょう。 うえにも書いたように、OB会の話は、過去のものに出席した際のこととして聞いたので、僕の理解では「カチャのことばかり考えて」は起こり得ないのですが、そもそも「イヤ~な顔をしていた」という印象がなく、子供じみたことを言うのね という程度のうんざり感というか、やれやれ感くらいにしか感じてません。このあたり、非常に面白いですね。 >ジェフはきっとスピーチで泣くわよ、男はみんなそうなんだから 実際そのとおりになりましたし、この台詞は覚えています。でも、映画を観ているとき、それが結婚記念パーティでのスピーチだとは思ってませんでした。OB会であれ、なんであれ、昔を偲び語り出すと男はっていう感じに受け止めていました。「男はみんなそう」と言われるほどに結婚記念パーティが普通に開かれているとも僕が思えないでいるのは、日本の銀婚式とか金婚式のようなイメージしかないからかもしれませんね。 ◎ケイケイさん >OB会には、ケイトがジェフを送迎していました これって決定的ですよね。でも、場面が思い浮かびません(とほ)。 最後の場面については、一番楽しみにしていたケイトが「カチャの亡霊にズタズタにされ、怒り狂った」というような描写だったようには僕には思えず、ある種、思い掛けない形にしてラストショットで訴えたのみだったと感じたので、先の返信に書いた「作り手からの映画的なメッセージショットだと受け止めているんですよね。つまり、それまでのダンス中の癒され感じ入っている姿は実景だけど、本当のところは、それだけではないものが秘められていることを示すためのショット」というのは、結婚記念パーティがサプライズであったか否かによらず、解釈的には僕のなかでは変わりません。 しかし、ケイケイさんが「仕掛けはないと思います。だから怒らないで(笑)。」とお書きのように、そこんとこが作劇されていないのなら、この作品、いったい何を描きたかったんでしょうね? マタンゴさんがこちらのmixi日記にお書きの“仕掛け”が何を指しているか判然としなくなってきましたが、女性には「ぐさっと」であれ「ぐっと」であれ、インパクトのある仕掛けがあればこその映画のように思うのですが、そうでなければ、TAOさんがこちらのmixi日記にお書きのように「気の毒だとは思いながらもあまり共感はできず、私の好きなブラックな笑いやペーソスもない映画」になってきちゃうような気がしませんか? (ケイケイさん) >「あんな気恥ずかしいことをせずに済んで助かった」 私はこの台詞が記憶にありません(笑)。マタンゴさんやTAOさんは覚えていらっしゃるかも? >「ジェフはきっとスピーチで泣くわよ、男はみんなそうなんだから」 こちらは私も覚えています。これは、友人女性が、自分たちの40周年記念の時のことと語っていましたから。この時欧米では結婚40周年って、盛大に祝うんだと感じましたから、多分記憶に間違いないと思います。男はみんな、というところは、多分日本も同じだと思います。40年って、私はあと6年ですが、多分泣きません(笑)。 マタンゴさんがお書きの「仕掛け」は、私はカチャのスライドのことだと思いました。「ぐっ」というのは、同性としてケイトの気持ちが理解できて、「ぐさっ」のほうは、カチャが妊娠していたこと。これはご本人に聞いたほうがいいですね。 >「気の毒だとは思いながらもあまり共感はできず、私の好きなブラックな笑いやペーソスもない映画」 ええ、私もどちらかと言えば、TAOさんと同じ意見です。手に取るように理解はできるし、奥さんは可哀想と思うんですが、旦那さんはもっと鈍感でバカのほうが良かったし(笑)、奥さんは無言で怒りが燃え盛るより、盛大に泣いたり騒いだりしてくれたほうが、好感が持てました。奥さん可哀想なんですが、旦那さんが奥さんの怒りの元を本当に理解できないのは、このケースでは仕方ないですよ。奥さん、ぶつかればいいのにと、そこが不満だし、ずるいとも思います。 劇中、美人だ美人だと言われるでしょう? 昔のことなのに。職業は教師で、才色兼備で、あらゆることに秀でていた人が、たった一つ恵まれなかったのが子供で。そこに、この人は哀しみの部分より、コンプレックス的に感じる部分のほうが多かったんじゃないかと…。そして、今度は老いを意識させられる。理解できるし気の毒なんですけど、共感するには、ちょっとプライドが高過ぎるかな? と思います。 私は、夫が嬉しそうに挙げた手を妻が鬼の形相でさっと下した姿は、愚かだと思い可哀想でした。あの旦那さんのスピーチは本物だもの。 (マタンゴさん) >「あんな気恥ずかしいことをせずに済んで助かった」 確かにありましたよ。40周年の記念パーティが流れたことに対する、ジェフのセリフです。 >マタンゴさんがお書きの「仕掛け」は、私はカチャのスライドのことだと思いました。「ぐっ」というのは、同性としてケイトの気持ちが理解できて、「ぐさっ」のほうは、カチャが妊娠していたこと。 さすが、その通りです(笑)。 最後のシーンですが、私もはじめ、あれれれ?って思いました。 ケイトのおとなになりきれなかった部分をあらわしているのかな。 ヤマ(管理人) ◎ケイケイさん、マタンゴさん、ようこそ。 娘の結婚式でも泣かなかった僕は、たぶん6年後の40周年でも泣かないと思う。というか、スピーチする場も敢えて構えないだろうから、確かめられない(笑)。 マタンゴさんのおっしゃる仕掛けというのは、映画の作り手の仕掛けであって、映画のなかの登場人物の仕掛けではないということですね。 結局みなさん、ケイトの心境はよく分るけれども、ついていけないというか、共感できないってことのようですね。ケイケイさんが「奥さん可哀想なんですが、旦那さんが奥さんの怒りの元を本当に理解できないのは、このケースでは仕方ない」と奇しくもお書きの部分がもしかすると、中高年男性客の支持を得る部分になるのかもしれないのかなぁ。 マタンゴさんが「おとなになりきれなかった部分をあらわしている」と書いておいでる点が、まさしく僕の思う“作り手からの映画的なメッセージショット”に重なります。そして、「これほど子供のいない痛みを感じた作品は、記憶にない」とケイケイさんが書いておいでる部分が被さってくるような面もありますね。子育てをしたら大人になるというものでは決してなく、直截的に関係することではありませんが、子供を持つことで大人の側に立たざるを得なくなる機会は相対的に増えますよね。 ところで、みなさんは、僕が「夜中にダンスを思い出させてベッドに誘い、「まだやり方を覚えているかなぁ?」などと怖じつつ睦み合ったり、止めていたはずの煙草を復活させたりして♪Smoke Gets In Your Eyes♪に臨もうとしていた」と記している部分については、作劇的に何をお感じになりましたか? サプライズのための仕掛けではないとすれば、いったい何だったのだろう…。 (TAOさん) 夜中のダンスからベッドに縺れ込むところは、若き日の想い出に浸ってその気になったジェフが、妻に愛情を示そうとして、結果的に傷つけちゃったなあと痛ましさを感じました。作劇的には、夫婦の気持ちのすれちがいと同時に、老人の心と体のすれちがいを見せたかったのでは。 煙草の復活は、昔の恋人の死体が見つかったというニュースを知って、いてもたってもいられない気持ちを整理するために、煙草を吸いたくなったのでは。禁煙してまだ数年後というふうだったし、元喫煙者としてはなんとなくわかる気がします。私の場合も、禁煙後数年経ってから思わず煙草が吸いたいなと切実に思ったのは、食後や肉体労働の後ではなくて、恐ろしくめんどうな仕事にとりかかる前でした。 (ケイケイさん) カチャ出現で、動揺する気持ちを妻に悟られないようにするため(笑)。そして、長い年月暮らした妻が、やっぱり一番だと確認したかったんじゃないですかね? 結果は自分の老いを確認してしまった。 カチャのことは、亡き恋人のことでもあるし、ジェフにとって、自分の若き日への郷愁もあると思うんですね。ジェフは、カチャを見つめているようで、実は自分を見つめていたんじゃないですか? その逡巡の後に、あのスピーチなのに、妻には受け入れて貰えない。このすれ違いは切ないですね。 ここの女性陣はジェフに好意的ですけど、巷の評判では、無神経だの鈍感だの、ケイトのラストの行動に肯定的な方が多いですね。ジェフのせいで、もう仲の良い夫婦には戻れないんですってよ(笑)。あれで戻れないと言われちゃーなー。うちの夫なら、もう死んだほうがいいですよ(笑)。 ヤマ(管理人) ◎TAOさん、ケイケイさん、ようこそ。 TAOさん、煙草の復活は、なるほどリアリズム的には、そう解するほうが納得感ありますね。さざ波は、ケイトのほうに起こる前に先ずジェフのほうに起こっていたんですね。 でも、僕は本作をあまりリアリズムの側から観ておりませんでした。中折れするんならともかく、いくら久しぶりだからって入る前に果てる歳なの?ってなベッドでの擦れ違いエピソードにしてもそうなんですが、基本的に悲喜劇としてシンボリックに造形された物語として受け止めていたからこそ、なかなかニュアンス豊かな興味深い作品に思えたのでした。 リアリズム的に解しようとすれば、そもそも♪Smoke Gets In Your Eyes♪などという失恋の歌を結婚式のダンス曲にするようには思えませんもの(笑)。燃え盛る恋の炎の煙に目がくらみ、火の消えた煙が目に沁みて涙するという歌詞は、いわく付きの45年の歳月というものの醸し出す悲喜劇にはふさわしくても、結婚の始まりには似つかわしくない気がしてなりません。 そういうことから、僕はジェフの煙草の復活も、専ら♪Smoke Gets In Your Eyes♪との絡みによる仕掛けとして設えられたもののように受け取りました。 それはともかく、コメントいただいて「おぉ~」となったのは、「妻に愛情を示そうとして、結果的に傷つけちゃった」とのくだりです。あの場面、ケイトは慰めるというむしろ精神的優位に立っているように、僕には映りました。ここのところは、さすが年季の為せる業だと、もはや肉体的な意味での性的満足に囚われなくなっている姿に感心したのでした。それに対してジェフは、自分から誘いながら首尾よくいかなかったことについて、弁解しつつ詫びていたように思いますが、それ自体は当然だろうと思いつつ、ここんとこでも擦れ違いの悲喜劇が顔を覗かせていたように感じています。だから、不首尾によってケイトが傷ついたとの捉え方には、とても意表を突かれました。「ブラックな笑いやペーソスもない映画」と感じることと「ニュアンス豊かな悲喜劇」と受け取ることの差って物凄く大きいですね。誤解して、すっかり得した気分です(笑)。 ケイケイさん、映画日記のほうに「久しぶりに夫婦の営みに妻を誘うのも、後ろ暗いのを隠したいのでしょう」とお書きでしたもんね。その日記のほうには漏れていたように思いますが、「そして、長い年月暮らした妻が、やっぱり一番だと確認したかったんじゃないですかね? 結果は自分の老いを確認してしまった」は最高です(笑)。TAOさんの「若き日の想い出に浸ってその気になった」も含め、僕も同感です。 さらにそこから一歩踏み込んでの「ジェフはカチャを見つめているようで、実は自分を見つめていた」は流石です。そのとおりだと思います。 ですから、ケイトが動揺する必要は全くないのですよ、実は。でも、そうはいかない。擦れ違っちゃうんですねー。なぜなら、昔の恋人の存在を忘れていないこと以上に、妊娠問題が影を差しちゃってるから。 >その逡巡の後に、あのスピーチなのに、妻には受け入れて貰えない。このすれ違いは切ないですね。 はい。その通りだと思います。でも、全面的には受け入れてもらえないんであって、確実に彼女の心を動かした部分もあったと僕は思っています。だからこそ、あのスライドを覗き見たことが悔しいというか、腹立たしいんだと思います。 >あれで戻れないと言われちゃーなー。 ですよねー、まだ「45年」なんて及びもつかない“おとなになりきれてない女性”たちの意見なんじゃないですかね? マタンゴさん的に言えば(笑)。 こちらにおいでの大人の女性陣は、ケイトの最後の場面に共感を覚えられない方々ばかりですものね。そのぶん相対的に、おっしゃるようにジェフに好意的というか寛容なんでしょうね。 (TAOさん) >ケイトは慰めるというむしろ精神的優位に立っている そうなんです。あの時点でのケイトはまだ理性が勝ってましたからねー。でも本音は傷ついていたと思いますよ。 Smoke Gets In Your Eyes は、たしか二人が初めて踊った想い出の曲でしたよね。そして、ケイト自身がこの曲をと、会場係に電話で頼んでましたから、作り手はあきらかにそこに皮肉を込めてますね。たしかにペーソスと言ってもいいかも。 それで思い出しましたが、ケイトが車の中で聞いて「ラジオを消して!」といった曲は、「ヤングガール」で、「君みたいな若い子がいると、困るんだ。僕の心から出て行ってくれないか? お願いだ」みたいな歌詞なんですよ。この映画、ナイーブでおセンチな60年代のヒット曲オンパレードでしたよね。結婚45周年パーティのBGMをみずから60年代ヒット曲だけで固めるという設定に、いつまで経っても大人になれない世代へのシニカルな視線を感じました。これはペーソスというより批判かな。 それにしても巷ではジェフが批判されているんですねー。それは殺生だなあ。 (ケイケイさん) >それにしても巷ではジェフが批判されているんですねー。それは殺生だなあ。 そうみたいですよ。だから私は、「あんたは全然読み取っていない!」と、見当違いに批判されるわけです(笑)。映画の感想はその人の人生観や、人柄が出ますよ。ここの皆さんは、それぞれ充実した人生を送っているみたいで、良かったですね(笑)。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、TAOさん、ケイケイさん。 傷つくっていうのは、どういう傷つき方なんでしょうか? 確か不首尾が中折れじゃなかったところが、ありえね~って思いながらも上手い気がしたんだけどな。 原題が敢えて「45年」という意味性を剥いだタイトルになっているのも、勘ぐれば本音のタイトルは「Smoke Gets In Your Eyes」なんじゃないの?との気づきを促すための仕掛けじゃないのかと思えるほどに、Smoke Gets In Your Eyes が前面に出てきていましたよね。なにせ冒頭、中盤、最後なんですもん。 「Young Girl」ってそういう歌詞なんですか! そりゃ確信的だなぁ(笑)。 映画の感想って、ケイケイさんが言うように、ほんとに各人の人生観や人柄が出るものですが、加えて知識・教養の幅とりわけ教科領域とは異なるところでの知識や知見の豊かさが反映されてきますよね。それによって「読み取れる」ものが全然違ってきてしまうわけで。 ま、教材じゃないし、そもそも読み取らなきゃいけないものではありませんが、いろいろ読み取れると、やはり断然楽しいですよねー。 「Young Girl」の件なども教えていただき、ますます悲喜劇としての作劇というのが、僕のなかでは確信的になって来ました(礼)。 (TAOさん) >傷つくっていうのは、どういう傷つき方なんでしょうか? ふだんであれば傷つくどころか、それこそ余裕で慰めてあげればすむことなんですけど、あんなふうにいきなり盛り上がって、ベッドに縺れ込まれて、え~~~???と思いながら、やっぱりちょっとうれしかったはずで、その気になってきたところへ、ごめん、やっぱり無理だった、となると、やっぱりそうよねえと思いながら、またぞろカチャのことが気になって、やっぱり老妻相手では無理でしょうよ、と拗ねもすれば、密かに傷つきもしたんじゃないかな。 作劇的にはとても効果的でしたよね(笑)。なにしろケイトの顔と若いカチャの写真を並べちゃう作り手ですから。 (ケイケイさん) あの時に傷ついたんですかね? 私はその後に、カチャとの思い出に夫が独り浸る姿に、怒り&傷ついたかなぁと思いましたが。 日本じゃ出来なくて当たり前ですが、欧米は一生現役だから、やっぱり傷つくのかしら? 一生現役も、考えもんです(笑)。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、TAOさん、ケイケイさん。 TAOさんの感受性の若々しさが素晴らしいね。傷つくもさることながら、「拗ねる」には恐れ入りました(笑)。不首尾に終わったことに対してまでカチャの影が差してくるとは思い掛けなかったです。ケイケイさんが書いておいでる「その後」のほうに傷つくというのは、僕にも非常に了解しやすいのですけどね。 それはそうと、ケイケイさん、日本でも生涯現役派は少なからずいそうですよ。最近よく見かける高齢者の痴情のもつれ事件を思うに、その生臭いまでの痴情がノンフィジカルで生まれるようには考えにくかったりして(たは)。 『ポエトリー アグネスの詩』は御覧になってませんでしたっけ? 欧米作品ではないんですけど、なかなか強烈でした。 (ケイケイさん) > ヤマさん 人間は使える機能は使っていたほうが、もちはいいそうですが(笑)。 本当にセックスするのかどうかは別にして、いつまでも色っぽい会話や思考を好む人の方が、若々しく元気なのは確かですね。診療所に勤めている時も、80歳の寡夫のおじいちゃんが、70代半ばの後家さんのおばあちゃんを待合で口説いてたりしていましたが、楽しそうでしたね(笑)。特におばあちゃんは真面目な方だったので、意外な一面を見て、いいなぁと思いました。私はそう思いましたけど、老人の性に対して、日本は薄汚く思う人もいるので、当事者の方が口に出しにくいのかも知れませんね。 『ポエトリー』は観ています。感想を書くのがまとまらないまま、次を見たので、書きにくいこちらは飛ばしてしまいました。観た時はすごく衝撃を受けましたが、今は記憶の彼方(とほほ)。ヤマさんの書かれていたシーンは、よく覚えています。私は確か、ミジャが孫のために体を売ったと、解釈していたように記憶しています。 もうホントにその時びっくりしてね。でももうじき『後妻業の女』が公開されるでしょう? 女も60代なら、まだまだ使いもんになるみたい(笑)。 (TAOさん) 『後妻業の女』、大竹しのぶですよね! 面白そうだけど、愛ルケの監督かと思うとうーん悩む(笑)。 ところで、若々しいといえば(笑)、本作の冒頭で、ケイトがジェフにティーカップか何かを渡すとき、まるで新妻のように夫を愛しげにボディタッチなんかもしていて、ちょっと驚いたんです~。いつもツンとしたシャーロット・ランプリングなので余計にですが。 友人との会話でも、「ジェフは何かに夢中になるとそればっかりで」とケイトが言うと、「だって、そういうところが好きになったんでしょ」とからかわれるシーンがあって、これが70がらみの女子の会話なんだーと驚きました。イギリスの高齢者ってホットなんですねー。 (ケイケイさん) いやいや、今度の鶴橋康夫は、「愛ルケ」の監督の人じゃなくて、読売テレビのエースディレクターだった頃に戻っていますよ(願望)。小説のほうじゃなくて、犯罪のほうが明るみに出た時、友人たちと騒然となりまして。未亡人になったら、結婚相談所だなとか、ずっと綺麗にしとかなあかんな、とかね(笑)。 >まるで新妻のように夫を愛しげにボディタッチなんかもしていて、ちょっと驚いたんです~。 このシーン覚えています。私もランプリングに似つかわしくないと思いましたから。思えばこの時から、ケイトは少女っぽい内面が抜けない人だと、描いていたのも知れませんね。それをガーリーとは真逆の人に演じさせたのは、確信犯ですね。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、ケイケイさん、TAOさん 『ポエトリー』でのミジャの行為については、拙日誌に記しているように、僕は孫のためにしたことだとは解してないのですが、女性が身を任せる動機には実に様々なものがあって測りがたいものですよね。 最近もこんな記事「風俗嬢も真っ青!主婦に蔓延する「謝礼交際」の荒稼ぎ」を読んで、インタビュアーへの高学歴主婦たちの回答の真意は、どのへんのところにあるのだろうかと思ったりしたところです。ケイケイさんは、何を思われますか? また、記事と言えば、先ごろ新聞に上記の記事でも触れられていた昨今の性風俗業界の厳しさにあって、従事者に対する無料の生活・法律相談を行っている活動の記事が掲載されていましたが、その風俗店グループでは「30代後半から70代まで、約200人が働く」とあって、70代かぁと岸恵子の小説のことを思い出したりしました。 こちらにも『後妻業の女』は来そうなので、たぶん観ることになると思いますが、あんまり愉快な映画じゃなさそうです(苦笑)。大竹しのぶやし(笑)。 TAOさんがお書きの場面のことは記憶に残っていなかったので、さすが女性ならではの感受どころやなと思いつつ、まぁ、ガーリーな70がらみなら「拗ね」もあるんだろうけど、なんか難儀やなぁと思わずにいられませんでした(笑)。 (ケイケイさん) 最後まで読んで、選択で投票する箇所が出てきたので投票しましたが、真っ当な方が多くて安心しました(笑)。売春と思うか、そうじゃないか、わからないか、の3つの選択肢でして、75%くらいが売春という認識でした。 真意はどのへんって、ただの風俗嬢ですよ(笑)。風俗嬢というか、立ちんぼや、出会い系で相手を探すのと同じです。いつか危ない目に遭いますよ、きっと。 高学歴でも、高収入を得る実力がないから女を使って稼いでいるだけでしょ? 変な選民意識があるから、汗水たらしてコンビニ働くのが恥ずかしいんですねー。そんな自信満々に語れるなら、夫や子供に自分のしていること、話せばいいんですよ。インタビューの内容は、ただのいいわけで、売春です。 (TAOさん) ああ、スクロールが大変になってきた!(笑) >思えばこの時から、ケイトは少女っぽい内面が抜けない人だと、描いていたのも知れませんね。それをガーリーとは真逆の人に演じさせたのは、確信犯ですね。 絶対そうですよね。私はゲイの監督ならではのイケズやなあと思ってるんです。ランプリングの起用も彼女をミューズとして崇めるオゾンの向こうを張ってのことだろうし、本人もいつもやらない役をやってみたかったのかなあと。 >なんか難儀やなぁ いやほんと。だからこの映画、好きじゃないんですよー(笑)。 話は変わって『ポエトリー』なんですが、私はヤマさんに同意で、あの行為は、ただの金策ではなく、詩を書こうともがいていた彼女が無意識に、最も醜悪な行為に身をまかすことで、汚濁のなかから美を掬い取ろうとしたんだと思うんです。だから、醜悪ななかにもどこか聖性を感じるシーンになっていましたよね。 記事の「謝礼交際」については、東電OLと近いものを感じます。彼女たち、東電OLみたいに切羽詰まってはないし、ケイケイさんの言う選民意識が鼻につくけど、でも本当はやっぱりかなりな崖っぷちで、そこまでしないといけないほど“本来高いはずの自尊心がぐらぐらに揺らいでいる”んだと思います。 敢えてあっさり言ってしまうと、老いを受け入れられないんでしょうね。女として価値がなくなって、ふつうのおばさんになってしまうのが物凄く怖い。ふつうのおばさんにならないために、ふつうじゃない、あぶない行為だってできちゃう私のほうがいい。 しかもそれは自分の欲望のためではなくて、お相手のため、という言い訳ができて、高額謝礼で自分の女としての価値も測れる、ということでしょうか。 でも、ほんとはやっぱり欲望のためなんです。ただし性的な欲望ではなくて、スリルを味わい、ふつうのおばさんではない自分を確認したいという欲望なんですけど。 それと高学歴な人って、やっぱりからだを使ってないからダメなんです。汗水たらして働けばいいんですけど、働かなくてもいい環境にいるから、べつのことで汗水たらさないといけない。三島由紀夫が中年になっていきなりボディビルに走ったみたいなところもありそう。 なんだかほんとに世の中、難儀になってきましたね。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、ケイケイさん、TAOさん いや、ホントにスクロールが大変になってきましたね。かつてHPに掲示板を置いてあった頃を思い出します(あは)。やっぱり談義を重ねるといろいろなことへの気づきが促されて楽しいですね(礼)。 この高学歴主婦による謝礼交際とやらがどれほど“蔓延”しているかどうかは、メディア用語のことですからともかくとして、SNSを使うにしても「出会い系で相手を探す」にしても、同じような素人稼業が業界を脅かしているのは事実のようですね。紙一重どころか売春そのものだとこれをみることに僕も異存はありませんが、動機と目的がどこにあって、自分のしていることをなぜ語るのかという点が僕の一番の関心でした。 とどのつまりは「働かずに金を手に入れたい」という本音を隠した言い訳なわけですね。言い訳を聞いてもらって理解されることを必要としているのなら、内心後ろめたさを覚えていればこそのものかもしれません。わざわざ語るということは、そういうことなのだろうという気付きをいただきました(礼)。 TAOさんがお書きの「そこまでしないといけないほど“本来高いはずの自尊心がぐらぐらに揺らいでいる”」とのご指摘は流石だと思いました。女性に生まれた自分の価値だと彼女たちが感じているものが、つまりは「女としての価値」以外になく、その価値を担保してくれる尺度が「金」以外になくなっているのでしょうね。 そして、それをゲットすることに執心すればこそ、言うところの「時には“自分の意に沿わない尽くし方”も受け入れ」るということなのでしょうか。それとも、それを口実にして“嗜好までの自覚に至ってはいない興味本位”の性的冒険を非日常の場で体験し、そのことを誇示したいということなのでしょうかね。 なんだか誇示と称賛にまつわる三島的倒錯に通底しているところがありますね、確かに。中年期のアイデンティティ・クライシスも、ガーリーな老年期も実に厄介そうです。いっそアリスのような強烈な病魔に見舞われると『アリスのままで』いられるようになるのでしょうか? いやでも、あれも至難の境地だからなぁ。 巷で「無神経だの鈍感だの」と言われようと、男性に生まれついて幸いだったかもしれません(笑)。 (ケイケイさん) TAOさんのご指摘も理解はできるんですが、納得はできないですねぇ。東電OLと絶対的に違うのは、夫や子供がいることです。セックスレスだとか、夫が女として自分を見ないとか、100歩譲って夫持ちは納得できても、母親って、最低限のモラルは必要じゃないですか? 彼女たちのしていることって、私的な考えでは、完全にモラルから逸脱しています。40代って、まだ子供が多感な時ですよ。私は、子供が成人するまで、女より母親を優先すべきだと思っていますから。 >女として価値がなくなって、ふつうのおばさんになってしまうのが物凄く怖い。 私は、全然怖くないです(笑)。まぁ小さな短大出なんで、高学歴じゃないからですが。もちろん、しわや弛みにため息ついたり、去年の服が今年に会わなくて愕然して、足掻いていますが、それは老いを受け入れていないのとは、ちょっと違うと思うんです。綺麗から小奇麗を目指すほうに、転換していますよ。 昨日「トットてれび」を見ていたら、向田邦子が、黒柳徹子に「おもしろいお婆さんになる徹子さんが観たい」と言ってたんですよ。徹子さんは、確かにお婆ちゃんなのにお婆ちゃんと認識されていなくて、面白い人ですよね。昨日も、木野花がいい味のお婆さんで回想場面に出てきて、映画では『殿、利息でござる!』を観て、草笛光子が気品のある貫録を見せて、本当に素敵だと思ったばかり。私は、面白くて素敵なお婆さんを目指しているので、その人たちみたいな憂いを持つ時間が勿体ないです(笑)。 (TAOさん) >それを口実にして“嗜好までの自覚に至ってはいない興味本位”の性的冒険を非日常の場で体験し、そのことを誇示したいということなのでしょうかね。 よくわかりませんが、何らかの開放感とある種の優越感は感じているかもしれませんね。ただ初体験を自慢するティーンと同じく、興味本位であるがゆえに、こんなもの?みたいな不感症的な戸惑いもあって、半ばやけで自慢でもするしかない、みたいな感じかなー。 東電OLとこの人たちのお金に対するこだわりは対照的ですよね。東電OLの場合は夫以前に、まず貢がれた経験がないし、自分で稼いでいるから、お金はどうでもいい。この人たちはきっと若くてキレイで引く手あまただった頃が忘れられないんでしょうね。なまじ今でもキレイだから、あきらめられないんだろうなあ。子どもを無事に私立の一貫校に放り込んで、母親業も一段落しちゃったのかも。 そういえば、知り合いの美容師(40代前半・男性・下町育ち)が言うには、同窓会で会う女子のなかで、美容師の目で見て今もキレイにしている人の半分は婚外セックスOKなんですって。で、その事実を隠すわけでもなく、飲むとぺらぺらしゃべるんだけど、家庭を壊す気はまったくなくて、旦那さんも子どもも大事にしてるそうなんですよ。 でも、子どもって敏感だから、無傷ではいられませんよねえ。ため息が出ます。 ただもっと若い世代の女性は、オタク化してるし、専業主婦もぐっと減って、自分で稼いで食べていかなきゃいけないので、女としての価値云々にはそれほどこだわらないんじゃないでしょうか。 (ケイケイさん) TAOさんが美容師さんからお聞きのことと全く同じこと、私も聞きました。聞いたのは友人で、そのまた友人たちのお話ですが、自慢げに婚外セックスのことを喋るのだとか。私の友人はそのことに違和感持っているのが、救いです。その人も綺麗な人ですから、友人たちも綺麗なんでしょう。でも50女です(笑)。 夫のほうもセックスは他所なんですって。何なんだ?(笑) >この人たちはきっと若くてキレイで引く手あまただった頃が忘れられないんでしょうね。なまじ今でもキレイだから、あきらめられないんだろうなあ。子どもを無事に私立の一貫校に放り込んで、母親業も一段落しちゃったのかも。 女も年齢によって、魅力が変化していくじゃないですか? どうして性的な女の部分にだけ拘るのかしら? 夫とセックスしていたら、そんなことはしないんですかね? 理屈言わずに、私はセックスが大好きなの!と叫んでいるほうが、まだ可愛げがあるわ(笑)。 >でも、子どもって敏感だから、無傷ではいられませんよねえ。 そこなんですよー。黙っているからって、知らないのではないんです。女 優先すると、子供のこういうところを見抜けなくなるんです。 >ただもっと若い世代の女性は、オタク化してるし、専業主婦もぐっと減って、自分で稼いで食べていかなきゃいけないので、女としての価値云々にはそれほどこだわらないんじゃないでしょうか。 それって、色んな意味で自分たちの母親を反面教師にしているんですかね? どちらにしても、いいことです。 自分の40代の時を思い起こせば、ちょうどネットに映画のことをお喋りし出して、また映画館通い出して、サイトも作って、夢中になって楽しかったですね。思いがけず、私の感想を褒めて下さる方がたくさんいて、すごく嬉しかった。 この人たちも認めて貰いたいのでしょうね。でもそれが、「女」に特化するのが、私には嫌悪感があるし、謎です。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、TAOさん、ケイケイさん モラルはともかく、僕も“ガーリーな70がらみ”よりは“面白くて素敵なお婆さん”を断然支持したいと思います。 それにしても“何らかの開放感とある種の優越感”としての女性の性的自慢が「縛る・縛られる」「手錠をかける・かけられる」「尿を飲む・飲まされる」「複数人での性行為」といったものを“ごっこ遊び”して好奇心を満たしていることにあるとの表明だったりする時代になっていることに、隔世の感を抱きました。なんなんでしょうね? 嗜んでいる人たちは、今も昔も変わらずいるのだと思いますが。 ただ、軽く口にできるのは「こんなもの?みたいな不感症的な戸惑いもあって」というのは、成程そうかもしれないという気がしました。自身の身体感覚として強いインパクトで感応している場合のほうが、確かに口にしにくそうですもんね(笑)。 あと、お二人の伝聞体験を伺って思ったのは、ちょうどバブル世代と重なっているなぁってこと。いまの40代半ばから50過ぎの世代ですよね。 >この人たちはきっと若くてキレイで引く手あまただった頃が忘れられないんでしょうね。 >なまじ今でもキレイだから、あきらめられないんだろうなあ。 >その人も綺麗な人ですから、友人たちも綺麗なんでしょう。でも50女です(笑)。 セックスを家庭に持ち込まないのがお洒落なんだという感覚もあるようですが、食事もリラクゼーションも学習も何もかも、外で味わうものが高級っていう感覚をバブルのなかで身に付けてしまったのかもしれませんね。じゃあ、家では何をするんだろう??(笑) でも、もしそうなら、確かにもっと下の世代では、同じ感覚を持ちようがないですね。後ろめたさを払拭するための承認欲求であれ、少なからぬ換金力を備えた性的価値を誇示するうえでの承認欲求であれ、「この人たちも認めて貰いたいのでしょうね」が鍵になっているのは間違いなさそうです。ケイケイさんは、ちょうど40代に映画の感想日記を書いて公表するツールと才に恵まれて、本当に良かったですね。TAOさんが言及しておいでの「母親業も一段落しちゃった」ってとこも、大きな鍵になっていそうです。 (TAOさん) トホホ、バブル世代って哀しい。 家での「素敵生活」をブログで発信してるバブル世代もちょっと前は随分いたように思いますが、子育ての終わり& SNSの台頭と共にそれも消えつつあるような・・・。 子育て世代で子どもにもたせるキャラ弁を物凄い執念で作ってる人たちいるでしょう? あれも辛そうだなあ。 (ケイケイさん) あっ、わかった! 私もバブル前後の年齢ですけど、自分は早くに結婚して早々に演歌の花道な主婦の生活が始まってしまったから、この人たちに対して「男から承認される以外に価値を見いだせないのか!」と断罪したい気分に駆られるんだわ。感覚がすれ違っているんですね。子育てに追われて、バブルなんかおこぼれも享受していません(笑)。 マタンゴさんもそうですけど、私たちより一世代上の女性たちは、明朗に元気でSNSを使っていらっしゃる方が多いですよ。その年齢の人になると、まずパソコンやスマホが鬼門になるので、まずそこで淘汰されるわけです。クリアしている方々は、好奇心が強く新しいものを受け入れる柔軟さがあると思うんですね。 >TAOさんが言及しておいでの「母親業も一段落しちゃった」ってとこも、大きな鍵になっていそうです。 案外保守的なんでしょうね。母以外の自分に価値を見いだせないのは。私なんか、三男が成人式を迎えた時は、ヤッター!と、飛び跳ねたい気分になりましたから。さぁこれから何しようかと、欠片も寂しくなかったなぁ。キャラ弁世代も危ないわ(笑)。 でもこの人たちの夫って、どんな人なんでしょう? 妻のこと、どう思っているのかしら? 気付かないのなら、鈍感すぎて腹立たしいし、気づいて放置している夫なら、もっと悪い。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、TAOさん、ケイケイさん TAOさんは僕の2歳下、ケイケイさんは3歳下、でしたよね。バブル世代の少し上になるわけですが、僕から観て、バブル世代に対するいちばんの違和感は、あの強いランキング志向と勝ち負け感覚なんですよ。僕らは「ザ・ベストテン」という歌謡番組の創生期を知ってますが、彼らの場合は物心ついた時分には既にそのなかにいたわけで、毎週のように現れ出るランキングなるものに対する感覚というものが、それ以前の世代とは少し異なっているように感じます。今のありとあらゆるものをランキング化したがる文化というものをトップランナーとして形成してきたのがバブル世代だというふうに感じてます。 キャラ弁で張り合う人たちに通底するメンタリティにも、そういうものの残滓を感じないではいられないですね。そういうことで言えば、彼女たちが張り合い、求めているものは、「男から承認されること」以上に「女性同士のなかでの位置」のように感じます。そして彼女たちがよく使っていたように思う“自分探し”という言葉に窺えるように、根源的なところでの不可解なまでの“自信のなさ”に強迫されている気がしています。それは同時に“自身のなさ”でもあるように感じます。まぁ、自分のランキングというのは自分では付けられない代物ですからね。 ともあれ、実に興味深く思ったのが、この人たちが記事のなかでは“高学歴主婦”とされていて“美魔女系主婦”とはされていないのに、お二人がともに「キレイ」をキーワードにしておいでることでした。おそらくはお見込みのとおりだと思うのに、記事では敢えて「高学歴」のほうを強調しているのは、なぜでしょうね。 ケイケイさんが問い掛けておいでの「この人たちの夫って、どんな人なんでしょう?」については、やはり似た者同士という想像が真っ先に浮かぶように思います。ご友人からの伝聞情報との「夫のほうもセックスは他所なんですって」と語る妻たちと同じような感覚ということでのバランスというか釣り合いが取れているのではないかという気がします。 そういう意味では『さざなみ』的な“擦れ違い”が主題にはならない夫婦関係のような気がしてなりませんね(笑)。 (TAOさん) >「男から承認されること」以上に「女性同士のなかでの位置」のように感じます。 そう! 異性から承認されること=女性同士の中で高い位置につくための一要素のようです。おしゃれでセンスがいい、なんていうのは、異性向けではなく、完全に同性を意識した条件ですもんね。やっぱりランキング世代なんだー。 >記事では敢えて「高学歴」のほうを強調しているのは、なぜでしょうね。 オウム事件を思い出しますね。あれも「高学歴」なのに・・・というのがキーワードになってました。SM系風俗で働く女性は元々美人が多かったけど、高学歴は少なかったんじゃないですか。反社会的な行為と高学歴とのミスマッチを印象づけたいのでは。 (ケイケイさん) う~ん、そんなに難しいもんかなぁ? 持ち上げているようで、単純にバカにしているんじゃないですか? 世の美魔女ブームって、痛い40~50代を量産しているみたいなんですよ。高学歴で美魔女でない人も、自分も美魔女なんだ、頑張らなきゃ!って、なるみたいですよ。前の職場は20代から30代の男性職員がいましたが、美魔女の話しになった時、正直に「いくら綺麗でも、ただのおばさん」と、口を揃えて言ってましたけどねぇ。 高学歴といっても、四年生を出ているだけを指しているのか、偏差値の高い大学出なのか、そのへんも曖昧ですよね。そんなこんなで、こういう記事自体、扇情的な“釣り”に感じる時もあります。 寿命が延びたことは関係あると思います。今70代の女性が言ってたんですが、同居のお姑さんは、50歳になった時点で、一切のお化粧を止めたんですって。それから10年くらいで亡くなったとか。今ならお化粧止めるのは、75歳以降ですよ(笑)。 ところで、お洒落って、同性に向けるんですか? 私個人で言えば、現在は自分に向けて、です。華やいだり、若々しくなったり、自分の気分の上がる服装です。だからいつまでも垢抜けないですが(笑)。 女降りたつもりはないですが、女が年取るって、ひと目が気にならなくて、自由でいいなぁと、日々感じているんですが。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、TAOさん、ケイケイさん 装うことで気を引き締めたり、華やいだり、気持ちを改めたりっていうのが、まさに装いの本分ですよね。その意味では、自分に向けてすることだと思います、本来。でも、そこんとこが壊れている気がするんですよ。 とりわけランキングや勝ち組負け組に過敏なバブル世代はね。で、そういう人たちにおいては、メイクもお洒落なファッションもモテ度も、どれもこれもTAOさんのおっしゃる“女性同士の中で高い位置につくための一要素”に過ぎないと僕も思うのですが、ケイケイさんのようなマトモさには戻れないのかも。そこんとこが「トホホ、バブル世代って哀しい」ということなのだろうと思います。 高学歴については、確かにキャッチ―な煽りのような気もしますね。でも、持ち上げてもバカにしてもいないように思いますよ。率直に驚いているのだという気がします。TAOさんが言及しておいでのオウム事件のときと同じく。あのとき、医師や弁護士や科学者のような頭脳に秀でた人々が帰依していたことへの世間の驚きには、馬鹿にする視線よりも、素朴な仰天のほうが強かった気がします。メディアがそこんとこを煽っていたというのは、当時も間違いなくあった気がします。 ところで、TAOさん、「SM系風俗で働く女性は元々美人が多かった」というのは、どの筋からの情報なんですか? 知り合いの美容師(40代前半・男性・下町育ち)さんではなさそうに思いましたが。 また、SM系風俗だとクィーン側もスレイヴ側もともに美人が多かったのでしょうか? 僕的には何となくSM遊びにこそ、知的想像力が必要で、それを欠くとプロとしてのサービスが満足に提供できない気がするので、高学歴が直ちにそういう知性を保証するものではないにしても、「SM系風俗で働く女性は元々美人が多かったけど、高学歴は少なかった」というのは、かなり意外な気がしました。行ったことないので見当がつかないところではありますが(笑)。 (TAOさん) ケイケイさん、うちの母(81歳)は今もばっちりお化粧してます。死ぬまでやめないんじゃないかな(笑)。 ヤマさん、やはりそこに突っ込みましたね(笑)。自分でも、美人が多かったというのは言い過ぎで、「美人が珍しくなかった」と書くべきだったな思っていたところでした。情報元はとくになく、山田詠美のエッセイなどで読んだ印象で、とくにS系は美人を揃えたお店が多いというイメージがあったのですが、最新の事情を調べてみました。結局、「店による」そうです(笑)。 高学歴はどうなんでしょうねー。これも自信なしですが。ヤマさんおっしゃるように、SM系はキャバクラやデリヘルなどと違って、知的想像力が欠かせませんが、私見では高学歴者ほど想像力は足りない気がします。デリヘルなどに走る高学歴女性は増えているそうですが。 (ケイケイさん) TAOさんのお母様、素敵じゃないですか! 認知症の進行の遅れや、癌の免疫力アップには、メイクが効果があると立証されているとか。やっぱりお洒落は自分のためですよ!(^^)! バカにするは、少々語弊があったかもですが、素朴な仰天というより、野次馬的な好奇心だと思います。オウムの時は、天地がひっくり返るような出来事だったし、国を揺るがすような事だったでしょう? オウムは検証する必要があったけど、さぁこの人たちは? ただ、彼女たちの相手の男性の妻が、彼女たちと同じ事してたら、面白いですよね(笑)。要するに、相手の男も選民意識があって、高学歴とか知性を求めている風ですが、同じ穴の狢ですよ。 最近見つけたSM入門コミックです。ここの薀蓄や解説を読んでいる限り、彼女たちのしている事は、ただの売春っぽいですけどね。 ヤマ(管理人) ◎ようこそ、TAOさん、ケイケイさん 山田詠美さんは、そう言えば、SMクラブでの女王様の経験があったような気が…。『ひざまずいて足をお舐め』は未読です。 >結局、「店による」 なら、大いに納得です。そりゃそういうもんだろー(笑)。 >私見では高学歴者ほど想像力は足りない 相変わらず鋭い!想像よりも記憶に頼りがちですもんね。でも、妄想は・・・(笑)。 「デリヘルなどに走る高学歴女性は増えている」との御紹介記事にも、併せて高齢化が進んでいるとの言及がありましたね。でもって、業界が厳しい状況になっているとのコメントも。ネット社会は、ありとあらゆる分野でプロとアマの境界線を取り払っちゃいましたよね。 ケイケイさんのおっしゃる“同じ穴の狢”は、まさにそのとおりで、70%以上の人が、そんな金を渡す関係はやっぱ“買春”じゃろって思いますよね。売春と買春、双方あってはじめて成り立つことであって、別の穴だと、狢じゃろうが何じゃろうが話は違ってきます(笑)。 御紹介いただいたコミックも、なんか謝礼交際の人々とそう違わないライト感覚ですね。二十年くらい前のオフ会のときに僕が言って皆さんにえらくウケた「最近は、サービスのS、マンゾクのMって言うらしいですよ」ってのが、まんま出てきていて、笑ってしまいました。 参照テクスト:『アダルト・エデュケーション』読書感想文 推薦テクスト:「チネチッタ高知」より http://cc-kochi.xii.jp/hotondo_ke/16081102/ 推薦テクスト:「眺めのいい部屋」より http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/6946617867f3f33402583a8c8abf9568 | |||||
編集採録 by ヤマ '16. 5.15. シネスイッチ銀座 | |||||
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