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日本の労働法制の問題 | |
@ | 労働基準監督官の職務 |
「労働基準法」「労働契約法」「最低賃金法」「男女雇用機会均等法」「労働者派遣法」「労働安全衛生法」「労働組合法」・・・ 日本の労働関連の法律は、詳細に分かれており複雑化されています。このため、働くことで何か問題が起きたときにどうしてよいかわからなかったり、労働法規上で自分が不当な扱いを受けているのに気づいていなかったりするケースがあります。 もし、皆さんが会社で働いている時に、深刻な問題に遭遇したとします。 会社には労働組合がないので、近くの労働基準監督署(以下「労基署」) に相談することを考えたとします。しかし、そこでは思わぬことを言われたりする場合があるかもしれません。 |
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相談者「会社で上司から嫌がらせを・・」 ・・・ 労基署「私達の担当ではないので・・」 相談者「会社から『お前は首だ!』と言われて」 ・・・ 労基署「労働局に行ってください。」 相談者「労組を作ったら降格させられて・・」 ・・・ 労基署「労働委員会に申し立てを・・・」 |
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労働基準監督署には「労働基準監督官」が常駐しています。 労働基準監督官は会社に対し、労働条件・環境に関する指導や、会社への立ち入り調査・是正勧告を行う権限を持っています。後述する法令に関する違反には、司法警察官として警察官と同じく「逮捕権」も行使できます。 |
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労働基準監督官が職務権限(司法警察官)として活動できる範囲、は @ 労働基準法 A 労働安全衛生法 B 作業環境測定法 C 家内労働法 D 最低賃金法 E 賃金の支払の確保等に関する法律 に関する事にです。(「じん肺法」も範囲ですが現在はほとんど関与する機会がありません) 実は、数多くある労働法規で労働基準監督官が関与できるのは、たったこれだけの法律なのです。 |
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今、労働問題の多くを占める 労働条件・解雇問題に関する「労働契約法」や、セクハラ・パワハラ問題や雇用の男女同一条件を定める「男女雇用機会均等法」、派遣労度に関する「労働者派遣法」、育児や介護をするために休暇を正当に取得するための「育児介護休業法」の是正指導・命令、違反検挙は労働基準監督官は行うことが出来ないのです。 不当解雇に関することは、以前は労働基準法におおまかに記載されていましたが、労働契約法に移行されました。 労働契約法は労働基準監督官の範囲外です。そのため、不当解雇に関することも労働基準監督官には何も行動が出来ないのです。(なお、不当解雇に関する担当は厚生労働省の「労働局」ですが、労働局員が労働基準監督署に常駐している場合もあります) |
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● | (今一度理解して見る) 労働基準監督署 とは・・ | |||||||||||
労働基準監督署は、働く人から見れば 「賃金未払いなど、働いていて困ったときに助けてくれる役所」 というイメージがありますが、上記で記述したように
労働問題・法令違反については一部分しか担当していません。 労働基準監督署の主要な業務は労働災害関係にあり、労働災害保険(以下「労災保険」)の申請受理・審査・支払いは その主な業務です。会社で労働者が転倒・火傷等にあった場合に、労働基準監督官が会社に立ち入り、労働災害の認定および改善指導を行います。そして労災保険から治療費を支払います。 この業務が主管であり、会社の定期立ち入り調査業務も、安全衛生チェックが主たる対象です。 「会社が残業代を正しく払っているか」とか「休日や休憩を取らせているか」とか 「不当な扱いを受けていないか」などのチェックは、通常の業務では行わないものです。 だから、多くの会社でサービス残業などの法令違反が横行していても、改善されないで現在に至っているのです。 |
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● | 理想的な 労働者保護の方法は・・・ 筆者は考えます。 | |||||||||||
ブラック企業などの労働問題や数多くの労働紛争を解決するためには、まず複雑化している労働法規を整理する必要が あります。労働基準法を始めとする中心となる労働関係の法律を「労動基本法」等の名称で一本化するべきだと思います。 そこで、労働基準監督署は労働監督署として、労働関連のほぼ全ての分野を監督できるようにするべきです。 また、労働(基準)監督署は、公共職業安定所(ハローワーク)や労働局と一体となって労働者の問題に取り組むべきです。 |
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