■デジカメハウジング進水式の巻



'97/4/29〜5/2、沖縄・宮古島で、CASIOのデジタルカメラQV-100のハウジングの進水式をしてきました。使ってみた最初の印象は、次のとおりです。


・ やはり画質は...

 

水中では陸上に比べて、浮遊物が多かったり、光が水に吸収されて暗かったりするので、水中写真はなかなか難しいのですが、やはりデジカメは画質的にはつらいです。

特にコンストラストが強い場合は白く飛んだり黒く潰れたり、ちょっと暗いと色の再現性が悪かったりします。

 mk_hole.jpgmk_haoko.jpg
 ホールを下から覗くと.....色飛びしてしまった黄色いハダカハオコゼ


・ フラッシュがないのはつらい...

 

水中では、水深が深くなるにつれて、赤緑青の順に光が吸収されてしまい、光を当てないと、本来の色が見られません。そのため、水中写真ではフラッシュが必需品です。

アカマツカサは、岩穴などの暗がりに住む、真紅の色をした魚ですが、フラッシュがないとこのように、黒い魚に写ってしまいます。

ビデオライトを付けることも出来ないことはないのですが、そうするとカメラが倍近い大きさになってしまいますし、余計なコストもかかります。QV-100と同サイズでフラッシュを内蔵したQV-100FLとか出ないんでしょうかね〜?

→'97/6/14とうとう (^^; ビデオライトを取り付け、'97/7/19に東伊豆の八幡野で試して来ました。
mk_akama.jpg
ホントは真紅のアカマツカサ


・ 液晶モニター

 

液晶モニターで撮ったその場で確認できる、というのがデジカメの最大のメリットだと思うのですが、いかんせん、コマ落ちする液晶モニターで、動く被写体を捕えるのは、至難のワザです。

水中では、波のうねりがあったりして、体を固定しにくいので、まずダイビングの技術がないと、いい写真は撮れないのですが、体の揺れと、液晶モニターのコマ落ちのタイミングを合わせるのが、大変でした。

元々魚をきれいに横向きに捕らえるのは難しいのですが、コマ落ちのためますますタイミングは難しく、後ろ姿やフレームの中央をそれた写真になってしまいます。特に、クマノミのようにちょこまか動き回る魚を、フレーム中央に収めるのは大変です。

 mk_niji.jpgmk_kuma3.jpg
 シャッターを押すタイミングは難しい...


・ 内蔵式のメモリーは...

 

QV-100は、4MBのメモリーが内蔵されていて、詳細モードで64枚撮影できます。4日間、5DIVに足りるかどうか、心配でしたが、明らかに撮り損なった写真を消去したりして、何とか足り(らせ)ました。

データをバックアップする為には、ケーブルでパソコンに転送するか、QV専用の携帯型フロッピーディスクドライブに保存するか、どちらかになります。

今回、詳細モードで60枚撮りましたが、データをケーブルでパソコンに転送するのに30分以上かかり大変でした。この後、1枚1枚加工したり、プリントアウトしたりしようとすると、何日かかるか分かりません (^^;;

やはり、メモリーカードは交換できた方が、残り枚数を気にせずに撮りまくれるし、携帯性も抜群だし、データ転送もあっという間で、とっても便利でしょうね。

本体を小さく、安くする為に、内蔵式にするのも分からないのではないですが、そのためにデータ転送に苦労したり、バックアップ用のドライブや小型パソコンを旅行に持っていくのは大変ですからね。メーカーの皆さん、いかがお考えでしょうか?

#以前、IBMのちっちゃいパソコン「ウルトラマンPC」を持って来て、ダイビングコンピュータのデータを取り込んで、電子ログブックにしてる人がいましたけど、世の中、すごい人がいるもんです (^^;



・ シールプリンタは大好評!

 

ダイビングの後は、水深や水温などのデータや、見た魚を記録する、ログ付けを行います。

QV専用のシールプリンタ(QG-100)を持っていったので、その日に撮った水中写真をシールにして、ログ付けの時、皆さんに配り、とっても大好評でした。

でも、できればACアダプターは内蔵式にして、本体ももっと小さくなってくれると有り難いです。なにせダイビング機材一式で約25kgにもなるので、少しでも小さくて軽いのがなによりです。

あと、18mm幅のシールは、何で印刷枚数が6枚で固定なんでしょうね? 毎回切り落とされる3cm程のシールの切れ端も結構もったい無いような気がするのですが....

mk_logbk.jpg
シールを貼ったログブック


・ その他に気付いたこと

 

デジカメは発熱がすごいので、ハウジング内が結露しないか心配でしたが、前夜から、ハウジング内に吸湿剤を入れてセッティングしておいたら大丈夫でした。

ちょこまか動く魚を捕らえるために、コマ落ちのしない、明るくて見やすい液晶モニターが必要です。あと連写機能も欲しいところです。データを保存してる5秒位の間に、お魚はず〜っと向こうに行っちゃってますから。

小さい魚から、魚の群れまで撮りたいので、マクロからワイドまで使えるズーム機能はぜひ欲しいです。

データを記録するのはやはり、交換式のメモリーカードがいいですね。水中写真の場合、どうしても水没の危険を伴います。万一、水没した時、データが全滅というのは悲しすぎますから。



・ 比較的よく撮れた写真

 
mk_toge.jpgmk_kuma2.jpgmk_sango.jpg
フエヤッコダイカクレクマノミサンゴのアップ
mk_divr1.jpgmk_divr2.jpgmk_divr3.jpg
ダイバーたちガイドさんボートとダイバー
mk_drop1.jpgmk_guru2.jpgmk_table.jpg
ホールグルクンの群れテーブルサンゴ


色々と、不満もありますが、思ってた以上によく撮れてました。これから使い込んで行けば、特性もよく分かってくると思います。あとデジタルマジック(補正や修正)もありますし (^^;;;

(ちなみにこのページの写真は、専用ソフト「QV-LINK」で、自動コントラスト・輪郭強調の補正をしています)

皆さんもデジカメ水中写真にチャレンジしてみてはいかがでしょうか? デジカメ水中写真に興味を持たれた方、メールでお気軽にお問合せ下さい。



[Home] [Back]  " My Diving Page " by Lonver at 97/05/03.