芦別 五楽園跡 探検: 北の細道 島の下温泉 五楽園跡

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北海道芦別市

 鉱山や炭鉱の近くには温泉が多い。
例えば北海道八雲町の 八雲鉱山 にある温泉おぼこ荘、
明治時代にはすでに前身の遊楽部鉱山に相当量の温泉が湧き、
かつての坑内では高温度の温泉が噴出し、坑内温度上昇により作業能率に影響を及ぼしていた。

鳥取県岩美町の旧岩美鉱山(荒金鉱山)付近にも岩井温泉があり、
採掘した鉱石をトロッコで岩井駅まで運搬、温泉はこれらの鉱山からの湯治客で賑わっていた。
三重県熊野市の紀州鉱山は銅鉱石などを採掘していたが、
昭和53年(1978)閉山、紀州鉱山鉄道の一部を再利用した湯ノ口温泉は今も人気の温泉だ。

現役の金鉱、鹿児島県北部の伊佐市にある菱刈鉱山も、
金採掘に伴い約65℃の温泉水が副産物として湧き出て湯之尾温泉が営業している。
他にも山形県尾花沢市 の銀山温泉、愛媛県新居浜市の別子温泉も鉱山跡に存在する。

温泉

福島県いわき市の常磐炭鉱付近に存在する湯本温泉は、明治中頃からの石炭採掘とともに温泉の湧出量は激減、
石炭を1t掘るために40tの温泉を汲み出すほどで、温泉死活の大問題となり炭鉱側も対策を講じる一件となった。
閉山後は豊富な地熱と湯量を利用した温泉レジャー施設を建設している。

北海道夕張市の 平和炭鉱 付近に存在した三鉱温泉は、
大正11年(1922)に湧出し、鉄分が多く手ぬぐいが黄色に染まる温泉だったという。
また、 歌志内炭鉱 のチロルの湯は、旧炭鉱の坑口より毎分650リットルを湧出している鉱泉を利用した天然温泉である。
他にも沼田町浅野炭鉱のほろしん温泉、油谷炭鉱跡の芦別温泉など炭鉱関連の温泉も多数に及ぶ。



石炭・鉱物・地熱・温泉などこれらの資源はどれも地球内部のマントルの活動に関係して形成されたものである。
地下深く(地表から約30 km〜2,900km)にある高温のマントルから発生する火山のマグマは、
長い時間をかけて地下水を高温に加熱して対流を起こし、やがて地表付近に噴気地や温泉が出現させる。

火山地域でなくとも、地下深くに行くほど地熱は高温となる。
その上昇勾配は100mあたり3℃といわれ、1,000mまで染み込んだ地下水は周囲の地層により暖められ、
高温のまま流路となる岩石の割れ目を上昇し源泉となる。

石炭の生成はマントルによる地盤の沈降によって陸地と海の境界付近に存在した植物が、
地下深くに堆積することで生成する。
枯れた植物が石炭に変わるためには100℃以上の高温が必要で、
そのためには地表から4,000mの深さまで埋没することが条件となる。

一方、鉱物(金)は火山活動から鉱床が生成する。
沈み込んだ海洋プレートの上部でマグマが発生し火山を形成される。
マグマは地殻の浅い所まで上昇してマグマ溜りを作り、周囲の地下水を100℃以上の高温に加熱する。
マグマや周囲の地層からも硫黄や金が熱水中に溶け込み、
その熱水が地面の裂け目を上昇しながら冷え固まることで鉱物を含んだ鉱床が出来上がる。

よって石炭の採掘地帯の層も鉱床のある地層も、マグマや地層で熱せられた熱水と同じような深度に存在するため、
炭鉱や鉱山の採掘と関連して温泉が湧出するのである。

今回は鉱山跡でも炭鉱跡でもなく温泉跡地である。
空知炭田の末端に位置する由緒正しい温泉跡を、その歴史と共に探索する。

療養指定温泉・薬師神社・ブルーバード410・・・



旧五楽園
旧五楽園





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