新幌内炭鉱 東部中央排気卸跡 探検: 北の細道 新幌内炭鉱 東部中央排気卸跡

新幌内炭鉱 東部中央排気卸で火薬庫を越える




北海道三笠市

 岩粉(がんぷん)というのは、粘土並みの細粒となった粉砕後の岩石の粉のことであり、
炭鉱では坑内で発生する粉塵を『炭塵』と呼ぶが、金属鉱山で発生する坑内粉塵を主に岩粉と言う。

炭鉱における炭塵は気流中に浮遊し爆発を誘発してその伝播に影響する。
これを防止するため、焼いた石灰石などの岩石粉(=岩粉)を坑道内に堆積している炭塵の上から散布して、
その爆発の危険性を抑えるのだ。
一般に炭塵と岩粉の混合物の中で、岩粉率が80%以上になれば炭塵は爆発しない。

新幌内炭鉱 の地層は背斜軸を中心に鞍部となり断面は馬蹄形となっている。

褶曲地層
褶曲地層

新幌内炭鉱は 褶曲地層で断層も多く、ガス湧出量が道内屈指と非常に多い。
純メタン量が70〜80m3/minと多く、
出炭t当たりのガス量も127m3/minと道内平均の3倍の数値となっている。

この上部の円弧部分に メタンガス が溜まりやすく、
昭和9年頃には採炭上支障を来すこととなった。

そこで払跡密閉部から坑外にガスを誘導して、ガスの突出や爆発事故を未然に防ぐことが検討された。
ボーリング作業で地下に孔を掘削し、これを通してガス抜きを行う方法がボアホール法である。

この方法により-405m以下の深部稼行区域においても、
直接、採炭切羽のガス量を減少させることに成功し、
穿孔技術の向上も二次的な成果として発達することとなった。

今回は爆発試験坑道からもキロ単位での山中、
東部中央排気卸と呼ばれる通気坑道への探索だ。

ここには地下内部に蓄積したメタンガス抜きを行う施設がかつて存在し、
そしてそのガスを誘導、山元の別の施設で有効利用していたのだ。

岩粉、カーボンブラックそしてメタンガス、
これら点を線で繋ぐ離れた煉瓦の廃祉、
その道程を辿ってみよう。

カーボンブラック・排気立坑・CH4・・・



火薬庫
火薬庫





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