炭鉱ガス誘導施設跡 探検: 北の細道 炭鉱ガス誘導施設

炭鉱ガス誘導施設で沼気の夢を逐う


北海道の炭田は 「褶曲地層」地層が地殻の変動によって横方向に圧縮され波形に曲がったもの が多く、そのオメガカーブ(Ω)の隙間にガスが密封されている。

褶曲地層

炭層から湧出するガスは可燃性ガスであり、ある条件下では爆発の危険性が高い。
この危険を無くすために大型扇風機による吸出通気によって大量の空気を送りこんで、
爆発しない濃度に薄めるのが通気の目的である。

しかし年々深部に移りゆく切羽(採掘の最先端)は坑口下600〜700mに及び、
ガス突出量が増加、通気のみでは安全操業に差し支えることとなる。

しかしこの炭鉱ガスを厄介視するだけではなく、 有効利用すればその活用範囲は極めて広い。
湧出メタンガスを高濃度のまま排出し、
扇風機風洞とは別経路のパイプラインをもって坑外まで導く方法がガス抜きである。

本炭鉱ガス総排出量は純メタン換算量で年間約6憶m3となる。
これは天然ガス生産量に匹敵するものの、
その大半の巨大資源は利用されることなく排気とともに大気中に放出されるか、
密閉作業により坑内に封印されているのが現状であった。


今回は炭鉱ガスを坑内から吸引しそれを鉱業所内の熱源に使用するべく、
濃度や密度を管理しながら集積する炭鉱ガス抜き設備の探索だ。
保存状態が極めて高く、安全装置や配管、濃度計や水柱計が色濃く残る。
文献には資料があるものの、実際に現存するのは非常に稀な設備だと思う。

しかしながら立地は山中深く、
遭難の危険性も高いので場所については伏せさせていただく。



ボアホール・カロリーメータ・ルーツブロア・・・









ラウター計炭鉱ガスとは ガス誘導施設瓦斯誘導施設



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