コレステロール

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(コレステロール)=(体にとって良くない物質)と思っている方、いらっしゃるのではないでしょうか?

コレステロールが多いと動脈硬化症になってしまう・・・というイメージがあるかも知れませんが、

ホルモンやビタミンDなど、ステロイドの多くはコレステロールから生合成されるため、

コレステロール自体は体内で必要な物質です。

ここでは、コレステロールがどのようにして生合成されるのかを見ていきましょう!

コレステロール生合成の中間物質である「メバロン酸」や「スクアレン」にも注目してみましょう!



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。



【メバロン酸】・・・日本酒を製造する際、白濁して酢のようになってしまう原因物質です。


(※)事前に、「解糖系」について学んでおくと良いです。→ こちら

(01)
アセチル CoA・・・補酵素と解糖系産物のピルビン酸から生合成されます。

(02)
チオラーゼ・・・2分子のアセチル CoA がクライゼン縮合し、アセトアセチル CoA を生成。

(03)
HMG-CoA・・・3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル CoA のことです。

(04)
HMG-CoA シンターゼ・・・アセチル CoA とアセトアセチル CoA から HMG-CoA を生成。

(05)
HMG-CoA レダクターゼ・・・HMG-CoA を還元し、メバロン酸を生成します。



【3,3−ジメチルアリルビスリン酸】


(06)
メバロン酸キナーゼ・・・メバロン酸にリン酸を結合させます。

(07)
メバロン酸−5−リン酸キナーゼ・・・リン酸を、もう1つ結合させます。

(08)
ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ・・・脱炭酸により3−メチル−3ーブテニルビスリン酸へ。

(09)
イソメラーゼ・・・異性化により、3,3−ジメチルアリルビスリン酸が生成します。



【スクアレン】


(10)
C5 + C5 = C10・・・2分子の3,3−ジメチルアリルビスリン酸からゲラニルビスリン酸へ。

(11)
C10 + C5 = C15・・・ゲラニルビスリン酸に、更なる3,3−ジメチルアリルビスリン酸を結合。

(12)
C15 + C15 = C30・・・2分子のファルネシルビスリン酸からスクアレンが生成されます。

(13)
スクアレン・・・ニッケル触媒下で水素を添加すると、スクアランになります。

(14)
スクアラン・・・空気中で安定な無色の液体で、医薬品や化粧品に利用されています。



【コレステロール】


(15)
スクアレン以降・・・→ スクアレン−2,3−エポキシド

              → ラノステロール

              → 4,4−ジメチルコレスタ−8,24−ジエン−3β−オール

              → 4α−メチルコレスタ−8,24−ジエン−3β−オール

              → チモステロール

              → コレスタ−7,24−ジエン−3β−オール

              → コレスタ−5,7,24−トリエン−3β−オール

              → デスモステロール

              → コレステロール



【ステロール】


(16)
ステロール・・・ステロイド骨格をもつアルコールの総称です。

(17)
ステロイド・・・シクロペンタノペルヒドロフェナントレン炭素骨格をもつ化合物の総称です。

(18)
コレステロール・・・動物に代表的なステロールです(炭素数27)。

(19)
エルゴステロール・・・菌類に代表的なステロールです(炭素数28)。

(20)
シトステロール・・・植物に代表的なステロールです(炭素数29)。

(21)
ビタミンD・・・エルゴステロールの紫外線照射により生成します。

(22)
くる病・・・ビタミンDの欠乏により生じる骨格異常(骨の変形など)です。



【アルドステロン】・・・鉱質コルチコイド系の最終産物。 腎臓に作用して、循環血漿量を増やします。


(23)
プレグネノロン・・・コレステロールの21番炭素以降の側鎖がなくなったものです。

(24)
プロゲステロン・・・プレグネノロンの3番炭素のヒドロキシ基から水素がなくなったものです。

(25)
11−デオキシコルチコステロン・・・プロゲステロンの21番炭素にヒドロキシ基がついたものです。

(26)
コルチコステロン・・・11−デオキシコルチコステロンの11番炭素にヒドロキシ基がついたもの。

(27)
18−水酸化コルチコステロン・・・コルチコステロンの18番炭素にヒドロキシ基がついたものです。

(28)
アルドステロン・・・18−水酸化コルチコステロンの18番炭素のヒドロキシ基がアルデヒドに。



【コルチゾール】・・・糖質コルチコイド系の最終産物。 抗炎症作用や免疫抑制作用があります。


(29)
プロゲステロン・・・(24)と同じです。

(30)
17α−水酸化プロゲステロン・・・プロゲステロンの17番炭素にヒドロキシ基がついたものです。

(31)
デオキシコルチゾール・・・17α−水酸化プロゲステロンの21番炭素にヒドロキシ基がついたもの。

(32)
コルチゾール・・・デオキシコルチゾールの11番炭素にヒドロキシ基がついたものです。



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