脂肪酸の合成
|
|
自然の植物油には、オクタデカ−9,12−ジエン酸(リノール酸)が多く含まれています。 リノール酸は、その名の通り、9〜10番目の炭素間、12〜13番目の炭素間に二重結合をもちます。 すると11番目の炭素は“二重アリル位”ということになり、ラジカル反応を起こしやすくなります。 この11番目の炭素が空気酸化を受けると、不快臭の素となったり、劣化の原因になります。 どのようにして解決しましょうか? ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 【クライゼン縮合】 (01)ライナー・クライゼン・・・1881年に「クライゼン縮合」を発見したドイツの化学者です。 (02)クライゼン縮合・・・2分子のエステルが縮合して、β−ケトエステルを生成する反応です。 (03)3−オキソブタン酸エチル・・・2分子の酢酸エチルがクライゼン縮合することにより生成します。 (04)反応機構@・・・塩基による脱プロトン化。 エステルエノラートが生成します。 (05)反応機構A・・・エステルエノラートによるカルボニル炭素への攻撃。 (06)反応機構B・・・脱離基の脱離。 (07)混合クライゼン縮合・・・2種類の異なるエステルが出発物質となります。 (08)ディークマン縮合・・・分子内のクライゼン縮合です。 【脂肪酸の生合成】・・・脂質は、グリセリンと脂肪酸からできています。 (※)事前に、「解糖系」について学んでおくと良いです。→ こちら (09)アセチル CoA・・・ピルビン酸と補酵素から生合成されます。 (10)マロニル CoA・・・アセチル CoA と炭酸のクライゼン縮合により生成します。 (11)ACP・・・脂肪酸生合成の過程で、脂肪酸の担体として機能するアシルキャリヤータンパク質です。 (12)アセチルトランスフェラーゼ・・・アセチル CoA からアセチル ACP を生合成します。 (13)マロニルトランスフェラーゼ・・・マロニル CoA からマロニル ACP を生合成します。 (14)3−ケトアシルシンターゼ・・・アセチル ACP とマロニル ACP からアセトアセチル ACP を生合成。 (15)3−ケトアシルレダクターゼ・・・「レダクターゼ」は、還元剤としてはたらく酵素のことです。 (16)3−ヒドロキシアシルデヒドラターゼ・・・3−ヒドロキシブチリル ACP から水を脱離させます。 (17)ブテノイル ACP・・・脱水により二重結合が生成します。 (18)エノイルレダクターゼ・・・二重結合をもつブテノイル ACP を、単結合のブチリル ACP にします。 (19)C2個分の伸長・・・アセチル ACP に比べ、ブチリル ACP は、炭素数が2増しています。 (20)パルミトイル ACP・・・7サイクルにより、2×7=14個の炭素が付加され、炭素数16になります。 (21)チオエステラーゼ・・・加水分解により、パルミトイル ACP をパルミチン酸と ACP にする酵素です。 (22)パルミチン酸(高3)・・・C15H31COOH で表される飽和直鎖脂肪酸です。 【多価不飽和脂肪酸】・・・PG(プロスタグランジン)やLT(ロイコトリエン)の原料です。 (23)ω3系脂肪酸・・・炎症抑制系物質の原料となる多価不飽和脂肪酸です。 (24)9,12,15−オクタデカトリエン酸(リノレン酸)・・・炭素数18、二重結合3ヶ所。 (25)不飽和化・・・二重結合が1つ増えて、(16)になります。 (26)6,9,12,15−オクタデカテトラエン酸(ステアリドン酸)・・・炭素数18、二重結合4ヶ所。 (27)脂肪鎖伸長・・・炭素数が2つ増えて、(18)になります。 (28)8,11,14,17−エイコサテトラエン酸・・・炭素数20、二重結合4ヶ所。 (29)不飽和化・・・二重結合が1つ増えて、(20)になります。 (30)5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA)・・・炭素数20、二重結合5ヶ所。 (31)脂肪鎖伸長・・・炭素数が2つ増えて、(22)になります。 (32)7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸(DPA)・・・炭素数22、二重結合5ヶ所。 (33)不飽和化・・・二重結合が1つ増えて、(24)になります。 (34)4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(DHA)・・・炭素数22、二重結合6ヶ所。 「栄養素の代謝」に戻る |
|
|