アセトアルデヒド
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アセトアルデヒドは、炭素数2のアルデヒドです。 したがって、炭素数2のアルコールであるエタノールを酸化すれば得ることができます。 しかし、この方法でアルデヒドを得るのは小規模であり、より大規模な工業的製法は別にあります。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 【アセチレンの水和】・・・エノールを経て、アセトアルデヒドになります。 (01)反応機構@・・・プロトン化により、アルケニルカチオンが生成します。 (02)アルケニル基・・・二重結合を含む置換基です。 (03)反応機構A・・・水による求核的攻撃。 (04)反応機構B・・・脱プロトン化により、エノールが生成します。 (05)エノール・・・二重結合の炭素原子にヒドロキシ基がついた化合物です。 (06)反応機構C・・・酸素原子から、より遠い方の炭素原子にプロトン化が起こります。 (07)反応機構D・・・共鳴安定化。 (08)反応機構E・・・脱プロトン化により、アセトアルデヒドが生成します。 (09)問題点・・・アルケニルカチオンのエネルギーが大きいため、最初のプロトン化が起こりにくいです。 【水銀触媒】・・・錬金術時代から“物質を変化させる万能薬”という思い込みが強かった水銀です。 (10)触媒・・・硫酸水銀(U)を用いることで、この問題点を解決しました。 (11)内部アルキン・・・三重結合の両外側に炭素原子があるアルキンです。 (12)求電子付加反応・・・内部アルキンの三重結合内は電子密度が高いため、通常の酸触媒でOK! (13)末端アルキン・・・三重結合内の電子密度が低いので、より求電子性の強い物質が必要です。 (14)硫酸水銀・・・(酸触媒として用いていた硫酸)+(水銀)で、最強タッグができるのでは? (15)オキシ水銀化・・・水銀イオンを用いた求電子付加反応です。 (16)問題発生・・・1950年代から、水銀廃水による公害が生じるようになりました。 (17)有機水銀・・・触媒に用いた水銀が、有機化合物と結合して、メチル水銀などの有毒物質になりました。 【ワッカー法】・・・アセチレンからではなく、エチレンからアセトアルデヒドを合成します。 (18)アレキサンダー・ワッカー・・・1914年に「ワッカーケミー社」を設立したドイツの化学者です。 (19)ワッカーケミー社・・・シリコンを中心に、化学産業に従事するドイツの会社です。 (20)ワッカー法・・・ワッカーケミー社が1959年に開発したアルデヒド合成法です。 (21)触媒サイクル・・・ワッカー法は、パラジウムと塩化銅を触媒に用います。 (22)アントニオ・ウジョーア・・・南米の白金鉱石から白金を発見したスペインの探検家です。 (23)白金鉱石・・・パラジウムやロジウムを含んでいます。 (24)ウィリアム・ウォラストン・・・1803年、白金鉱石の中にパラジウム、ロジウムを発見! (25)塩化銅・・・赤熱した銅線を塩素の中に入れると、褐色の煙として発生します。 (26)パラジウムの酸化・・・塩化銅でパラジウムを酸化。 これが「ワッカー法」の触媒となります。 【ワッカー法の反応機構】・・・パラジウムを塩化銅で酸化し、塩化パラジウムにするところからスタート! (27)反応機構@・・・エチレンと塩化パラジウムからπ錯体の形成。 (28)反応機構A・・・π錯体からσ錯体へ移行し、カルボカチオンが生成。 (29)反応機構B・・・求核剤としての水がカルボカチオンを攻撃。 (30)反応機構C・・・脱プロトン化。 (31)反応機構D・・・π錯体の形成(β水素の脱離)。 (32)反応機構E・・・ハイドロパラテーション。 (33)反応機構F・・・π錯体の形成(β水素の脱離)。 (34)反応機構G・・・アセトアルデヒドの生成。 「バイオディーゼル」に戻る |
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