χ(カイ)2乗分布

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二項検定」でサンプル数が大きいときの対処法として考えた「Z検定」ですが、

Z検定にも限界があります。

変数xから変数zに変換するとき、母平均と母分散の情報が必要なのですが、

これらについて正確な情報が得られないときは、どうしようもありません。



具体的な場面を考えると、工場で作られている製品の検品などがそうです。

欠陥品の割合が基準値を超えていないかどうかチェックするとき、

生産ラインからランダムに抽出することで、値xは得られます。

しかし、母分散の情報が得られないので、zに変数変換することができません。

母分散の情報を得るには、製品全部をチェックしなければなりませんが、

そんなことをしていては、出荷する製品がなくなってしまいます。



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【標本平均】・・・サンプル数を増やすと、母平均を、精度良く推定することができます。


(01)
母分散(高1)・・・標本分散から推定するしか、方法がありません。

(02)
標本分散(高2)・・・求めるには、標本値が2つ以上必要です。

(03)
複数の標本値・・・どれを使用すれば良いか迷ってしまいます。

(04)
標本平均(高2)・・・標本値の平均です。

(05)
標本平均の期待値(高2)・・・母平均になります。

(06)
標本平均の分散(高2)・・・サンプル数が大きくなるほど、小さくなります。



【変数zの代用品に向けて】・・・母平均は標本平均で置き換えられるが・・・。


(07)
標本分散(高2)・・・母分散とは異なるものになってしまいます。

(08)
変数t・・・変数xの標準化として、変数zの代わりになるものを考えねばなりません。

(09)
そのためには・・・「χ(カイ)2乗分布」について学ばねばなりません。



【χ(カイ)2乗分布】


(10)
ガンマ分布・・・「ガンマ関数」を用いた確率密度関数 Ga(α,λ)のことです。

(11)
Ga(n/2,1/2)・・・期待値はnで、分散は2nです。

(12)
確率変数z2・・・確率変数zがN(0,1)に従うとき、z2 は Ga(1/2,1/2)に従います。

(13)
正規分布の再生性・・・正規分布に従う2つの確率変数の和、という確率変数も正規分布に従います。

(14)
確率変数Z12+Z22・・・Ga(2/2,1/2)に従います。

(15)
確率変数Z12+Z22+・・・+Zn2・・・Ga(n/2,1/2)に従います。

(16)
自由度nのカイ2乗分布・・・Ga(n/2,1/2)のことです。



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