ファントホッフの式

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「気体の状態方程式(PV=nRT)」において、「R」は「気体定数」なので、元々、定数です。

密閉容器内での現象を考えると、「V(体積)」も一定と見なして良いでしょう。

ということは、「n(物質量)」が一定なら、「P(圧力)」と「T(絶対温度)」は比例関係になります。

しかし、蒸気圧曲線を見る限り、グラフは直線でないので、比例関係ではありません。

Tが大きくなるにつれて、グラフの傾きが急になっている・・・ということは、

Tが大きくなるにつれて、nも大きくなっている・・・ということになります。

温度が上昇すると、大きなエネルギーをもつ分子の数が増加するからです。

定性的な解釈なら、この程度で良いでしょうか。

しかし、定量的に理解しようと思えば、すなわち、蒸気圧曲線を描こうと思えば、

具体的な関数を知る必要があります。・・・さて、どうしましょう?



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【ギブズエネルギー(G)】


(01)
熱力学第1法則(高1)・・・熱量Qを与えると、内部エネルギーが凾t変化し、外に対してWの仕事。

(02)
仕事(W)・・・一定の圧力Pで体積が凾u変化したとすると、W=P凾u。

(03)
熱量(Q)・・・一定の温度Tで熱量Qを与えたとき、エントロピーが凾r変化したら、Q=T凾r。

(04)
自然な変数・・・関係式が簡単になる変数のこと。 上記の場合、VとSになります。

(05)
変数PとT・・・実際には、PとTを変数にした方が現実的です。

(06)
ウィラード・ギブズ・・・アメリカの物理化学者。 「ギブズエネルギー」を考えました。

(07)
ギブズエネルギー・・・「G=U+PV−TS」なるものを定義すると、PとTが自然な変数になる。

(08)
非機械的仕事・・・化学反応によるエネルギー量は、ギブズエネルギーの増減量に等しいです。



【化学ポテンシャル(μ)】


(09)
化学ポテンシャル・・・内部エネルギーの変化量が物質量の変化量に比例するときの比例定数です。

(10)
多成分系・・・系を構成する物質は、1つとは限らないので、多成分のときも考えます。

(11)
μとGの関係・・・(化学ポテンシャル)=(1モルあたりのギブズエネルギー)です。



【溶液と気相の平衡】


(12)
モル分率(高2)・・・多成分系において、ある成分が占める物質量の割合です。

(13)
理想混合エントロピー・・・エントロピーを、「モル分率」と「気体定数」で表します。

(14)
混合気体のギブスエネルギー・・・2種類の気体を仕切るものを取り除くと自然に混ざるのは、なぜ?

(15)
理想溶液のG・・・理想気体と同じような考えを想定した溶液を「理想溶液」と言います。

(16)
理想溶液のμ・・・混合前と、混合後で、化学ポテンシャルは、どれだけ変化した?

(17)
溶液と気相の平衡・・・液体が気体中に蒸発するときや気体が溶液に溶けるとき、どうなっている?



【ファントホッフの式】


(18)
ヤコブス・ファントホッフ・・・オランダの化学者。 「ファントホッフ式」を導きました。

(19)
ファントホッフの式・・・化学反応の平衡定数と絶対温度の関係式です。

(20)
圧平衡定数(高2)・・・歴史的には後ですが、こちらから入った方が理解しやすいです。

(21)
濃度平衡定数(高2)・・・歴史的には先ですが、ファントホッフ式を溶液反応に拡張したイメージ。

(22)
化学平衡の法則(質量作用の法則)(高2)・・・平衡定数に関する式のことです。



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