第33番真性寺(しんしょうじ)

      山号 医王山(いおうざん)
      住所 豊島区巣鴨3-21-21
      参詣 2012年4月9日
 
大きな地蔵様が鎮座

 
 起伏のある駒込の住宅街を抜け、染井銀座を抜け、染井霊園を抜け、満開の櫻を眺めながら、てくてく歩く。真性寺は、おばあちゃんの原宿と呼ばれる巣鴨地蔵通商店街の入口にある。だから、真性寺の境内は、巣鴨の「とげぬき地蔵」にお参りするついでに立ち寄るおばあちゃん達で賑わっている。
 参道の正面に大きなお地蔵様が鎮座していた。台座を含めると3m45cmもあるそうで、東京都の有形文化財に指定されている。入口の左手に、真性寺由緒沿革と書かれた銅版の説明書きがあり、その後半部分に江戸六地蔵第三番縁起の説明があった。そこには、次のように書いてある。
 「当寺境内に安置されております江戸六地蔵尊第三番の尊像は、地蔵坊正元が発願主となって、宝永三年(西暦一七〇五年)造立の願いを発してから、享保五年(西暦一七二〇年)に至る十五年間に、江戸御府内の多くの人々より寄進を集め造立された六体の大地蔵尊の一体で、聖徳四年(西暦一七一四年)に完成されました。・・・以下、略・・・」
 地蔵坊正元は、若い頃に大病をわずらい、両親が地蔵菩薩に病気平癒の祈願を込めている姿を見て感ずるところが有り、後に、世の人々に地蔵菩薩のご利益を説き、江戸の出入り口6箇所に尊像を造立したという。
 建立された江戸の出入り口6箇所は、第1番が東海道入口、南品川の品川寺であり、第2番は甲州街道入口、新宿二丁目の太宗寺である。第3番が中仙道入口の巣鴨真性寺になる。第4番は奥州街道入口の東浅草の東禅寺で、第5番が江東区白河の水戸街道入口、霊岸寺である。第6番が千葉街道入口の江東区富岡の永代寺にあったというが、明治の神仏分離の争いで破壊されてしまい、現存していない。
 本堂は、地蔵像の右手にある階段を上らなければならないが、おばあちゃん達の多くは、階段の下で手を合わせている。般若心経を唱える私の脇に長いこと手を合わせ、頭をたれている年配のご婦人がいた。悩みを抱え、いろいろな願いごとがあるんだろうなぁ、と考えたら、何だかしんみりしてきた。安っぽい感受性が働く性分が、私にとっては邪魔になる。
 とげぬき地蔵が祀られている高岩寺にお参りした。地蔵通りには、おばあちゃんばかりでなく、若者の姿もあり、外人さんも多く見かけた。 (2012年4月30日 記)

 


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