韓国愛想 | 岡登久夫 |
結 こうして、何度も韓国をお邪魔すると韓国らしさとは何だろうと考えてしまう。今回の旅行で韓国の全域に足を踏み入れたことになる。ソウルの人の多さや喧騒に辟易することがある。新宿や渋谷・六本木と何等変りがない。釜山の雑多さと泥臭さは、港町と言うこともあり横浜と似ていなくも無い。 政治的には、確かに問題が多い。竹島(独島)問題、従軍慰安婦問題、教科書問題、歴史認識問題等々枚挙の遑が無い。確かに国境は重要であるし、将来を担うこども達に韓国・朝鮮をどう認識させるか等々は重要な課題である。 道を歩いていると大声で怒鳴りあっている韓国人同志をよく見かける。場末の飲み屋でも口角泡を飛ばして議論している集団に出っくわす。韓国人は、喧嘩が好きなんだ、いつも喧嘩をしていたいんだ、だから、韓国は、暇つぶしに喧嘩相手として日本を選び日本に喧嘩を売っているんだと変に納得してしまうことも多い。 周りに居る韓国人は、本当に良い人ばかりである。政治的な問題であっても穏やかに議論ができる。一番困るのは、世話好き、過度に世話好きなことが困る。少し観点が摩れているかもしれないが、例えば、「韓国へ行くぞ、三泊四日、歴史観光、二人」と友人に電話すれば、計画を立ててくれホテルも予約してくれる。そこまでは良いのだが「お支払いは終わっています」なんていうことになる。割勘を嫌う。ジャパニーズ・スタイルでやろうと言うと嫌な顔をする。 韓国に行くとなぜか懐かしい感情が湧きあがってくる。食堂の叔母ちゃんも田舎の宿屋の主も皆温かい。実をたわわに付けた柿木や栗の木が藁葺きの農家の庭にある。縁側でおじいちゃんがお茶を飲んでいる、おばあちゃんは茣蓙を敷いて豆を干している。どこかで見た風景だ。 国が違うから当然のこととして違いがある。しかし一般庶民の生活は、同じだ。顔つきだって同じだ。韓国の多くの友達と隣人らしく友達付き合いをいつまでもしたいと思う。 |
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