KWM-2A

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【凡例】 

 
改善 機能の改善
予防 予防保守
修理 不具合箇所の修理
修理 未解決の修理

番号 種別 内容 対応
KWM-2A
1  レストアメニューの実施 全項目を実施
修理 21メガでロード同調不良 ロード位置調整回路が改造されていた。改造の理由は、バンド切り替えスイッチとPAのタンクコイル切り替えスイッチのシンクロずれがあり、この為に21.4メガバンドで同調が取れなく、これを補完する為に回路を改造していた。シンクロ調整の上、トリマバリコンを正規の物に戻した。
改善 SB8確認 コリンズ社が回路の改善情報としてだしているサービスプレテンのうち、KWM2ではSB8b(AGC回路の改善)は驚くほど効果があるので、この改造が施されているかを確認
修理 メータ照明が暗い KWM2ではSラインと比べ照明が暗いと言われている。(==>正常なので対策は実施せず)
修理 Sメータの0設定が不安定 受信IFアンプ(V1:6AZ8)の交換により改善。(不完全==>26番へ)
修理 3.5、7メガでドライブ段パラスティック振動 バンド切り替えロータリースイッチのシールド缶のグランドとの接触不良とCCAのメールングリスト(「メンテナンスのノウハウ」参照)よりアドバイスを受け、該当のシールド缶を外し接触部分を磨き、解消。
修理 プレートキャップの配線が腐食 同軸ケーブルのシールド線を利用し、配線を作成、取りつけ
修理 CALモードでSメータの振れが低い マニュアルに解説されている「Factory Aligment」のうち、受信部関連を再度実施
修理 21メガのロード調整がずれる ロード位置調整トリマC155汚れがあり、分解掃除を実施
10 修理 スラグラックが滑る スラグラックの分解清掃、調整を実施
11 修理 メータの針が曲がっている メータ分解、針を修正
12 修理 メータのケースをワックスで清掃時にペイントが剥げた メータのケーシングを半艶消しの黒のスプレーでペイント
13 修理 メータのガラスが少し奥に引っ込んでいる メータを開放、ガラスの固定を開放し、ガラスを手前一杯に固定。手順は次の通り。
  • メータを本体から取り外す。
  • メータについている小さなネジ(3箇所)を外しメータを開放する。ネジにペイントロックが施され外れにくい場合は、除光液でペイントロックを剥がしながら外すと良い。
  • 細心の注意を払いながら、内部から可動部を取りだす。
  • メータのガラスを内部から支持している金属性リングを前に押し出して、ガラスの固定位置を調整。この時に無理にリングを押し付けたためガラスを割ってしまった。==>大失敗

メータのケースが丁度エフアール・ラジオラボに有ったので調達し戻した。

一時は、ガラス屋さんに行き、ガラスをカットして貰おうと思いました。因みに、ガラス屋さんではメータに丁度良い厚さのガラスは無いそうです。本当に行く必要がある方は、写真立てのガラスを持って行くと良いそうです。(CCAメールングリストより)

14 修理 メインダイヤルが重い(1) ダイヤル機構分解清掃 (改善せず==>19番へ)
15 改善 ALCメータ回路のアップデート R30、R38の値変更
16 修理 ALCメータの無入力時の指示(0設定)が不安定 電源ON後、暫くは0設定が負の方向にスケールアウトする(20分でフルスケールの1/3指示)。ALC指示電圧検出のIFアンプ(V4:6AZ8)交換、ALCの0設定ボリウムを清掃。(改善せず==>26番へ)
17 改善 熱によるドリフト、部品の劣化対策 上蓋に冷却FANを取りつけ。
  • FANの仕様:ブック型12V
  • 本体のAC6.3V出力を整流しDC10V弱を供給。本体より給電することで電源スイッチと連動が出来る。また、給電する電圧は平滑コンデンサの値を変え、FANが静かに回転する電圧を選ぶ。
18 修理 送信から受信の切り替え時にタイムラグがある VOX Rect(V14:6BN8)交換により改善。(不完全==>26番へ)
19 修理 メインダイヤルが重い(2) PTOのシャフトの回転が重い事が判明、PTO分解掃除を実施。
  • PTOを分解し、内部の摺動部に付着し固結しているグリスを落とし、新しいグリスを塗る
  • 分解の手順は、上銘氏著「コリンズのメンテナンス」の「2.ダイヤルメカニズムのメンテナンス」参照
  • または、WB4HFNのサイトにN4BE Jim Millerの詳細な解説が掲載されているので、参照すると良い
20 修理 LSBでSメータが振りきる キャリア周波数がIFフィルターの帯域に入っている。メカフィルのTCを調整。
21 修理 USBの音調が高い方に偏っている USBのBFO水晶の周波数偏差。BFO発信(V11:6U8A)の2ピン〜グランドに20Pを挿入し、なんとか収まる。(この位が限界でした)
22 修理 AFゲインを絞った時にSPよりハム音が聞こえる 自然復旧。(再発==>26番へ)
23 修理 送信時にIGの立ち上がりが遅い 以前、マイクアンプ(V1:6AZ8)の音質改善用に挿入したコンデンサ(カソード〜グランド間)を撤去、解消。
24 修理 MODEスイッチ接触不良 接点復活剤で解消
25 修理 EMISSIONスイッチ接触不良 接点復活剤で解消
26 予防 コンデンサの交換 効果としては、
  • Sメータの0設定不安定解消
  • ALCメータの0設定不安定改善 (不完全==>27番へ)
  • 送信から受信への切り替え時のタイムラグ解消
  • AFゲインを絞った時のハム音解消
27 修理 ALCメータの無入力時の指示(0設定)が不安定(総括) ALCの0設定が、電源ON後に暫くは負の方向にスケールアウトし、20分以上経過するとフルスケールの1/3の位置となる(16番参照)。

<実施対策(1)>

  • IFアンプ(V4:6AZ8)交換、ALC電圧整流(V17:6BN8)交換。ALCの0設定ボリウムを清掃。

改善せず。

<実施対策(2)>

  • リキャップ。(26番参照)

症状改善するも、未だ次の症状が残る。@電源ON直後は負の方向にスケールアウトする。A10分以上経過すると、0を指示する。BALCを振らせると再び負の方向にスケールアウトし、0には戻らなくなるが、暫く放置すると0に戻る。

<実施対策(3)>

  • ALC電圧整流(V17:6BN8)の時定数回路のR119(1.5MΩ)、C159(0.1μF)、C160(0.47μF)を交換。(2007.1.7)
  • ALCの0設定ボリウムを再度清掃。各真空管のソケットの接触部を接点クリーナーで清掃。(2007.1.28)

以上実施後、電源ON後1時間までのウォームアップ時には、負の方向にスケールアウトするが、ウォームアップ後は0で安定。但し、ALCのボリウムの位置により、微妙に状況が変わる。(ボリウムのガリ)

ボリウムを開放して内部をエレクトリック・クリーナーで清掃、抵抗体の部分を鉛筆で擦り、ガリ防止策を施した。これにより、ガリは無くなり、ALCが安定するようになった。

28 修理 メインダイヤルが途中で引っかかりまわらなくなる ダイヤル目盛りを支持しているアイドラーギアにクラックが入り、クラックの部分でギアが引っかかっていた。エフアール・ラジオラボで部品を調達し、修理完了。
29 修理 PTOが周波数飛びする。 PTO発信管7543ソケットの接触不良確認⇒改善せず。USB/LSBシフト周波数調整トリマ(C308)にエレクトリック・クリーナーを吹きかけ何回か動かす⇒改善せず。現在、自然に症状が修まっているので様子見。

症状が再発。内部のコンデンサ、抵抗を全て交換するが復旧せず。温度保証コンデンサは容量が小さく、外しても短時間の動作には問題がないので、外してテストするが、症状が発生。残りの部品はPTO本体のコアと周波数範囲を決定するコイルで、これらが問題と推定。

これ以上は修理できないと判断し、中古のPTOユニットを調達して入れ替え、復旧する。

30 修理 TUNE、LOCKで出力が出ない。 トーン発信が発信していなかった。トーン発信(V2:6U8A)を交換後、復旧。
31 修理 ダイヤル照明が消え、受信できなくなった。 一部のヒーターが消灯(V13、V17、他)。ヒーターにはAC6.3Vが来ているが、グランド側もAC6.3Vあり、アースの接触不良と断定。電源コネクターの11Pに接続している配線を引っ張ったら抜けた。半田付けで修理、復旧。

 

日本コリンズ KWM-2A
レストアメニューの実施 1.内部水洗いは綺麗なので除外
修理 メーターがスケール半分以上振れると引っかかり戻らなくなる。 メーターを分解し、可動部のアライメント、ピボットの緩み調整、注油の後、引っかかり解消。
修理 マイクゲインを上げて話してもALCが殆ど振れない。 1ST MIC AMP(V1A:6AZ8)を交換したら改善。2ND XMTR MIXER(V6:12AT7)を交換したら十分にALCが振るようになる。
修理 マーカーの音が濁る。SSGの信号音は綺麗に聞こえる。 XTAL CAL(V12A:6U8A)を交換、復旧。
修理 フルパワーが130Wと高く、マイクゲインを上げて話すと、フルパワー近くまでパワーが出て、ALCが余り効いていないように思われる。 ALC電圧整流(V17:6BN8)を交換し、回復。
修理 Sメーターの0設定がドリフトする 1ST IF AMP(V1B:6AZ8)、2ND IF AMP(V3B:6AZ8)を交換し改善。
修理 RF OUTジャックが接触不良 RF OUTに接続されているアンテナワイヤーを触ると、受信音が途切れる。

⇒K3端子からリレー接点への配線が外れかけていた。半田付けをしなおし復旧。

修理 AGCのリリース時間が短く受信音が忙しなく聞こえる SB8が施されているので、AGC定数が2段階となっている。短い定数を司るC256、R180をショートし、長い定数のみで受信すると、忙しなさが改善。但し、送信復帰時にSメータの復帰が遅れる。

⇒Jim Miller のAGC改造を実施し、良好な結果を得る。 
  (C256:0.01μF⇒0.068μF、R180:680KΩ⇒47KΩ)

修理 受信音のピークが歪む RF AMP(V7:6DC6)を交換し改善。
PROD DET/AVC RECT(V15:6BN8)を交換し改善。

2ND IF AMP(V3B:6AZ8)に関して、Phileps ECG 製のものは特性が異なり、歪みの原因となるとの記事を見たので早速交換してみたら、解消した。Phileps ECG 要注意!

未だ、若干歪が残っている。⇒13番を実施、改善。

+60dBの信号で歪む。6DC6の動作点に疑いを持ち交換したら解消。6DC6を数本交換して判ったが、AGCの動き(深さ、速さ)も違ってくる。一番動作が良い物を選択。

10 修理 受信音のホワイトのイズが高音に偏っている。また、ボリウムを最大限にあげると高音部でハウリングを起こす。 IF AMPにPhileps ECG のものを使うとハウリングの原因にもなるとの記事を見たので早速交換してみたら、解消した。Phileps ECG 要注意!
11 修理 送信から受信に戻る時にハウリングを起こす 1ST RCVR IF AMP(V1:6AZ6)、XMTR IF AMP(V4:6AZ6)の特性変化により本症状が出ることがある。数本の真空管で良いものを試し、解消。
12 改善 熱によるドリフト、部品の劣化対策 上蓋に冷却FANを取りつけ。
  • FANの仕様:ブック型12V
  • 本体のAC6.3V出力を整流しDC10V弱を供給。本体より給電することで電源スイッチと連動が出来る。また、給電する電圧は平滑コンデンサの値を変え、FANが静かに回転する電圧を選ぶ。
13 予防 コンデンサの交換 交換箇所
  • C102
  • C254
  • C264

認められた効果

  • Sメータの0設定不安定解消
  • ALCメータの0設定不安定改善
  • 受信音のピークが歪む解消
14 修理 ボリウムを上げるとハウリングを起こす 11番の対策により解消した。
15 修理 送信からのスタンバイ時にIPが振れ、受信が一瞬遅れる。 Feedback Neutralizing 調整を実施したら解消した。