タムラマの【ピアノ・和音・転調】独習法

hmp6 of The ChapterU( Studies of harmony )

「和音は倍音物性の応用」という結論だけは要記憶 以下の物理的内容が不理解に終わりましても和声学本論理解に支障は生じません。

 語句  コメント
  【h010】
 倍音c
 
  倍音 (Harmonic over-tone) 

  Fig.006b 倍音の1例(音は出ません。前ペ-ジFig.006bと同じ楽譜です。)
 【h011】
 倍音d

 [補説]
  [補説1]弦長と音の高低との関係:
 
音は空気の振動です。1秒間に振動する回数が多いほど、人間の耳には高音に聴こえます。その
 振動数は(v/sec.)で表現できます。ピアノの弦の長さは、( Lcm)で表現できます。弦は、弦の長さ
 が長いほどゆっくり振動します。長いほど低い音に聴こえます。短い弦は、その逆となります。実は
 この弦長振動数との関係は、L×v=一定(定数K )なのです。すなわち弦の長さが2倍、3倍、
4倍…となると、振動数は1/2, 1/3, 1/4 …と少なくなる、すなわちより低音となります。
弦の長さ
を短くすれば、その逆となります。

 [補説2]1オクタ−ヴ毎の振動数の上昇率:
 
(ハ)の固有音名を低音から順に並べた振動数の比 を下に記します。
      は :ハ :=1 : 2 : 4 : 8 : 16
 これは、その音が 1 オクタ−ヴ上がる毎に振動数が2倍になっている、を意味します。すなわち人
間の聴覚は、振動数が2倍に上昇する毎に同じ音が 1 オウタ−ヴ上がった、と聴こえるのです。

 [補説3]他の音とその他の音との振動数の比:
 上記
[補説2]は、略式音名(ハ)の1オクタ−ヴ毎だけの比でした。そうではなく、[ハ] - [ト、]、
 []-[]、 []-[]など のように、他の音とその他の音との振動数の比、はどうなるのでしょう?
  この比は、“12平均律”という音階の基本性質から下記のように最初から決定されているのです。
  ハ:ト =2:3 →完全5度の音程    ト:=3:4 →完全4度の音程   
 
ハ:ホ=4:5 →長3度の音程      ト: = 3;5  →長6度の音程(3:5)
 
=5:6 →短3度の音程     =4:7 →短7度の音程(4:7)
=5:8 →短6度の音程    
(注1):完全5度、長3度等、は追って解説します。

 ところで、
hmp3
(ペ−ジ)で「和音」とは、@ 【異なる高さの2つ以上の音が同時に鳴り響くその
合成音】
と記しました。すなわち上記の[補説3]は、2つの音の合成音 (=和音) のその各音の
振動数の比を表しているのです。ですので視点を変えれば、倍音物性の中に和音を見出せる
すなわち
「和音は倍音の物性を応用している」 ことを意味しています。
(注):“12平均律”とはヨ−ロッパ生れ音楽の音階の仕組みを確定している重要な言葉です。和
音の土台をなす基本物性です。この件は、総合的な解説を当社の一製品として上梓します。

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