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平成17年 イベント
11月 言い方の原則
10月 人間関係と話し方
10月 会話について
10月 聞き手の決定権と
   対応
 5月 会話の達人
 2月 話し方とサガ
 
 
 
 
 
 
 



             






平成17年 勉強会抄録
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11月 テーマ 言い方の原則
講 師 若山隆志




 [言い方の原則]について


 言い方の原則について話したい。
 昭和18年というと大戦の最中であった。学生の徴兵猶予が取り消され、学徒動員などがあった年である。
 わたしは19才で関東軍(旧満州を支配していた陸軍)の経理工務課に就職した。電気工学の技術者であるわたしの仕事は、電気工事現場の監督である。作業員は現地人(満人中国人)である。国籍や言語の違う彼らを使うのは大変な面があった。
 そこで得た教訓は、彼らを気持ちよく動かすには、彼らとの信頼関係を培うことに努力すべきだということであった。 今日のテーマである「言い方の原則」の大切さは、わたしの経験則に照らして大いに頷けるのである。

 言研(言論科学振興協会のこと)のテキストをみると、時代の変化に合わせて内容が変化している。

 昭和41年版の「言い方の原則」の項は以下である。
 
1,肯定的に言う
 
 人間は誇り高い動物なので、相手の自尊心を守っていく言い方をする。
 
2,明るく言う

  暗い言い方は、相手に嫌悪感、疑惑感、威圧感を与え、障害になる。

 3,わかりやすく言う

  イ、わかりやすい発音をする。
  ロ、わかりやすいことばをつかう。
  ハ、わかりやすい表現をする。


昭和55年改訂版では以下である。
 
 1,肯定的な心で

  (1) 肯定語の効用を考える(感謝の心で言う)
  (2) 相手の価値を認める(相手の心を傷つけずに)
  (3) 相手の立場を考える(同情をもって)
 
 2,わかるように
 
  (1) 明確な発音・発声を考える
  (2) 共通の意味にとれるコトバを使う
  (3) 相手に応じた表現をする

   3,心を開いて
 
  (1) ほほえみを忘れない
  (2) 音調・語調に気をつける

上でわかるように、3つの原則の順序が変わっていたり、”明るく言う”が”心を開いて”に変わっている。一見外見は変化していないようだが、内包は様々に変わっている。
が、今日は詳細の説明はさける。

 きょうは「肯定的に言う」という項目に焦点を当て、講義の参考になればと思い、その
資料を提供することとする。

 聖徳太子 ”17条の憲法”のうち第10条 [現代訳]
 
 内面的の心のいかりを絶ち、外面に表れれたいかりを捨て、
 他者と自分との違いを怒ってはならない。人には皆それぞれ心
 があり、その心は固執、妄執、迷執することがあるから、彼が
 是とするところを我は非とし、我の是とするところを彼は非と
 して相違するのである。しかし、思うのは我は必ずしも聖人では
 ないし、彼必ずしも愚人ではない。お互い共に凡夫である。
 従って、是か非かというようなことをどうして正しく決定す
 ることができよう。自分から見れば我は賢く、彼は愚かと定め
 ているが、彼の立場に立てば反対に愚かなのは我で、彼は賢い
 ということになり、それはまるで耳輪の端が無いようなもので
 ある。これによって相手が怒るといえども、却って自分のあや
 まちを恐れなければならない。また自分ひとりの意見が正しい
 と思った場合でも、聴衆の考えを聞き入れ、ことを行うように
 するのが善い。


 法句経<ダンマパダ>
  おろかなるものも
  おのれ愚かなりと思うは
  彼これによりて
  またかしこきなり
  おろかなるに
  おのれかしこしと思うは
  彼こそ まこと
  おろかといわるべし


  おろかなるひとに
  念慮(おもんばかり)起るとも
  他を利せん心なくば
  その念慮(おもんばかり)
  かえつて自らの
  好運(しあわせ)を亡ぼし
  おのれの頭(かしら)をも
  うち砕く 

   友松 園諦訳(法句経 六二)(『法句経』講談社学術文庫)


 町 の 辻      (薬師寺管長 高田好胤)

  雪どけ道のぬかるみを、
  杖にすがりてとぼとぼと、
  歩み来れる老婆あり。
  行ききの車馬のたえざれば、
  向ふの側へ行きかねつ。
  老婆の前を右左、
  行きかふ男女多けれど
  北風寒き町の辻、
  身なりいやしき老婆には、
  手を貸す人もあらざりき。
  米屋の小ぞうお得意へ
  米を運びし帰り途、
  ひらりと下りて自転車を
  角の下駄屋にあづけ置き、
  すぐに老婆をみちびきぬ。
  「年の若きに感心な」。
  かくいふ声を後にして、
  小ぞうは乗りぬ、自転車に。
  国に母をや残すらん、
  彼のまぶたにつゆありき。
  下駄買う人も、売る人も、
  下駄屋にありし人は皆、
  彼の姿を見送りぬ、
  さとすべき子にさとされし
  小さな悔をいだきつつ。

 [付録 解説]

 前にも取り上げたと思うが、「言い方の原則」は文字通り原則であって、方法論を主体に述べてはいない。原則とは”こうあるべきだ”の範囲で、”こうしよう、この方法がよい”
というのではない。

 したがってどの人も講義は原則論を述べる範囲で終わることが多い。もちろん悪くはないが、受講者のニーズに十分応えるには、不足する面があることも心得ておく必要がある。
 ここで「肯定的な言い方」について述べてみる。
 この項の講義は次の2点を求めている。

 @肯定的な言い方とは何か。なぜそうした言い方をすべきか。
 A肯定的な表現とは何か。具体的にどのように言えば効果が上がるか。
 である。

 上に挙げた@は、こうでなければならないとの心構えを説いており、Aはこのような言
い方をすると効果がある、との方法論を述べていることとなる。

 さて講義は2つを共に満足させるものであるべきだが、現実には時間その他の関係からどちらかに力点を置かなければならない。どちらにするかは講義者の判断となるが、受講者のニーズから見るとAに力点を置くほうがよいのではと思う。
 言い方の原則は3つあるので、それぞれに@Aの内容が求められてくる。講義時間は限られているから、かなり能率よくコンパクトにすすめなければならない。


     




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10月 テーマ 人間関係と話し方、 会話、 聞き手の決定権
講 師 坂田富男、 堀川一枝、 澤田良美




 「人間関係と話し方」

   (坂田富男指導)


 日常生活においてコミュニケーションする方法は
“話す”“聞く”
“読む”“書く”
がある。最近は携帯によるメールが多くなっているようだ。それ自体に問題はないが、健全なコミュニケーションをするには、自分を意識し相手を配慮するという“自他を知る”意識がなければならない。こうした良識を身につけることなくメールなどの便利な方法に頼ってしまうと、危険な結果を招きかねない。

 最近は自分を中心に自己主張するのみで、相手の気持ちを考えない人が増えているようだ。ある新人OLに「もう職場に慣れたかね」と聞くと「ええ、みんながわたしに慣れてきたみたい」と答えたという。
 こうした現象は、子供時代に親の生活態度を学習した結果と思える。ある学校で給食時に「いただきます」と言うことを指導すると、親から抗議があったという。
「給食費はちゃんと払っているのだから“いただきます”と言うかどうかは子供の自由でよい」というのが親の言い分だという。
 つまり言いたいことは、健全なコミュニケーションは、健全な良識を基礎におくことが必要であり、話し方学習はそこから出発するのだということである。

 1,話すことと心理変化

 日常の中で愉しい思い、不愉快な思いをすることは多いが、それらは多分にものの言い方、言葉の使いようにある。その結果相手の心理を変化させ、相手と自分の関係を変化させることに繋がっていく。
 歌手の松原のぶえさんがある会社のイベントに呼ばれ歌うことになった。控え室にいるとき社長があいさつしたという。そのときの社長の言葉は、
「去年はさいわい業績がよく、五木ひろしを呼ぶことができた。今年の業績は去年ほどでな
いので松原のぶえになった」というのである。後で彼女は“あのときほど出にくい時はなかった”ともらしたという。

 話し方如何が、相手の心理変化に“プラス、マイナス”の現象を引き起こし、それは人間関係を決定するのである。
 よい人間関係をつくるには相手の心理を常にプラスに変化するように心がける努力が必要である。

 2,あいさつ、返事で人間関係を作る

 (1) あいさつは人間関係を作る投げかけ
  ア、すすんで先にする
  イ、相手に応じた工夫をする 仕方や内容の工夫をする
  ウ、いやな気持ちを起こさせない配慮をする
 (2) 返事は相手の投げかけに気持ちよく応じること
  ア、相手を見てする
  イ、明るくする
  ウ、すなおにする
     返事の基本は“はい”である。



 「会話について」

   (堀川一枝指導)


 社会生活は会話生活であるいえる。会話は人間関係の潤滑油というものであり、人間関係づくりに欠かせないものである。
 文科省が17年に「義務教育意識調査」をした。その中で“子供にどのような教育をして欲しいか”の項があった。
 1位は「基礎学力を身につけて欲しい」であり72%あった。
 2位は「人間関係を築く力をつけて欲しい」であって67.9%であった。

 人間関係を築く力とは、会話能力を身につけるということに直結するものであり、生活の中での会話の重要性を示している。

 1,効果的な会話の仕方

 @ 会話は快話がよい
   言葉のキャッチボールで心に潤いを
 A 聞き上手は話させ上手
   話しやすい聞き方をする
 B 相づちを活用する
   うなずく動作、感じよい表情、言葉による相づちを

    効果的な相づちの打ち方  
    (上手な相づちは、人の心の真実をくみ出す、誘い水である)
 同意を示す その通り、同感です、なるほど、もちろん、わたしもそう思います
 同情を示す おやおや、ひどいですね、お気の毒に、ずいぶんですね
 喜びを示す おめでとう、すばらしい、何よりです、それはいい、よかったね
 反対を示す とんでもない、それはないでしょう、反対です。いいえ
 疑問を示す まさか、そうですかね、そんなことあるでしょうか
 ためらいを示す そうでしょうか、そうかしら、そうですかね、そうぉ?
 驚きを示す それはそれは、すごいなぁ、たいしたもんね、わぁーそれは
 誘いを示す それから、とおっしゃしますと、どうなさいました、それから
 転換する さて、それはそうと、では、時に、ところで、別なことですが
 覚えやすく「同意同情を喜び、反対に疑問やためらいを驚きや誘いに転換する」 と覚える
 「会話とスピーチの技術」永崎一則著から



 「聞き手の決定権と対応法」

  (澤田良美指導)


 1,聞き手の決定権とは

 話の場において、話し手の話をどう聞くかは、聞き手の受け取り方次第である。ということである。 話す・聞くの場面でよく話が食い違うことがある。
 わたしの話だが、身内のお通夜に少し遠いところに出かけたことがある。そのとき1人から「何でここにいらしたの」と聞かれた。わたしが身内のお通夜に来たというと、相手は不満そうな顔色をした。相手は電車で来たか、車で来たかを聞きたかったらしい。
「なんでいらしたの」という表現にも
“どんな目的できたか”(何のために来たか)という意味と、
“どんな方法できたか”(どんな手段できたか)の2つの意味がある。
 そのどちらの意味に捉えるかは聞き手次第だというのが「聞き手の決定権」である。
 ここで気をつけたいのは“権”という言葉の意味である。権利、権限などの“権”とは全く違うものであって、聞き手は“そのように聞くもんだ”という意味合いで捉えて欲しい。

 2,話し手、聞き手の努力すべきこと

 聞き手に決定権があるからといって、どんなことでも勝手気ままに聞いてよいというのでない。

 (1) 話し手の努力
  自分の話の内容を間違いなく聞いてもらう努力をするそのためには
  ◆発声発音を明確にして、センテンスは短めに話す
  ◆わかるように話す
  ◆誠心誠意をもって話す
  ◆聴衆分析をしながら話す

 (2) 聞き手の努力   相手の話の内容を間違いなく聴き取る努力をする
  ◆白紙の状態で聞く
  ◆総合で聞く
   耳で聞く 目で聞く 口で聞く



     




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5月 テーマ 会話の達人
講 師 住谷信夫




 「会話の達人」

講師  住谷信夫


※自己紹介(5分) 
1947年 東京都江戸川区に生まれ 在住
  65年 商業高校卒業後 莫大小問屋に就職、大丸東京店を担当
  66年 住谷金物店開業 68年(有)住谷商店に改称
  89年 (有)住谷商店 自主廃業


 以後(財)日本レクリエーション協会「余暇電話相談員」 講演等で余暇利用の普及に参加。東京余暇会「大江戸八百八町 歴史散歩」案内人も勤める。
 余暇体験の場として、栃木県佐野市飛駒町の山林内に住宅(平屋建て33u)をほぼ1人で建築、畑(約660u)を借りて年間約30種の野菜を栽培し、実体験を講演資料や話材にしている。この場を「余暇ランド」と称して、NHK、読売新聞、上毛新聞、台湾の雑誌他にも取り上げられた。

群馬県 新治村 「実践 余暇ランド」 余暇ランドの紹介
神奈川県保土ヶ谷区 「余暇と対話」 余暇の有効利用

 村長の正座で三つ指から         資料  だめ親父
     誠心誠意*信頼を知る
※余暇から(20分)    
 電話相談からカウンセリングを学び = 聞く大切さを知る
 文章の書き方 組織作り コミュニケーション 根回し 人脈 を知る
 案内人 七福神 皇居:奉行所あと 討ち入り  世間話 
    江戸散歩 案内人d男社会から女性を知る
※田舎暮らし(農業)から(20分)   
 鼻の頭で蛍が光る  畑を歩き回る犬が畑を守る  大切な時に犬が先に逃げる
 素人農業:建築士  税金ただ  パソコン講師手伝い ほとんど無資格
 農地を使うとき資格がいる  田んぼの水も有料です。
 農業は格闘技   雨はイノシシも嫌う 虫も減る  
 夏キャベツは農薬か虫を食べる   自然自然体を知る
 
   心:愛情が入るから野菜がうまい   ばあちゃんから心を知る
※絵本読みから(15分)  
 言葉の力、コミュニケーション、聞く力を育てるなど 
 会話の基本*原点がここに有る?  資料  絵本と言葉
                    
 琵琶の弾き語り「桃太郎」うちのお父さんははげだぞ ともだち 
 鋭いヤジや質問が飛ぶ
 読み方や表現や間で違う事を体験で知る 資料  CD  絵本
             
  子供から練習の大切さを知る
※理想の会話の達人(10分) 
 多くの先生の発言や子供から教えてもらった事を本に  
 コンセプトは自分の言葉で話そう*マニュアル言葉に感動なし
資料 おかめひょっとこ絵
  自分を裏切らず、相手を尊敬すること   =人間性
  達人になれなくても、達人になれる資格を持てる人間になりたい。


     




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2月 テーマ 話し方とサガについて
講 師 佐藤雄三




 「話し方とサガについて」


 1,「サガ」(性)の概念

 人は生まれてから、様々な経験を積み学習をしてくる。その学習過程の中でその人なりの行動傾向、反応傾向、また思考の傾向が形作られ、次第に固定化していく。この固定化された部分の性格を「サガ」(性)と呼んでいる。(言研話し方ではサガと呼ぶが、心理学など他の分野では別の呼称がある)
 なお、サガはプラス・マイナスの両面を持っているが、言研話し方では、マイナスのはたらきをする面にスポットを当てている。
 前回講師の新藤氏は、問題とすべきサガの形を以下のようにあげ、コミュニケーションの障害要件になっていると述べている。

  @ 自己愛が強すぎる性格
  A 攻撃性が強い性格
  B 劣等意識が強い性格
  C ヒステリー性の強い性格
  D その他

 2,話し方が「サガ」を取り上げる理由

 話し手、聞き手双方が、ものの見方や考え方、また利害関係などに共通部分が多いと、同種波長としてコミュニケーションはスムーズだが、異種波長の場合は往々にコミュニケーションの障害条件となる。お互いが変わりにくい性格をもって向き合うので、意見のぶつかり、いがみあい、不服従、関係の決裂などが起こりやすくなるからである。
 サガというものは、「善である、悪である」の面から見るのではなく「現実に存在するもの」として認識し、話をするとき、その現実にどう対応するかに、目を向けるべきものである。

 だが実際の場面において、その対応はやっかいである。言い出したらなかなか自説を曲げない上司、すぐヒステリックになる姑、強引に自分を出してくる隣人等、相手をすることに大変な消耗を強いられる事例は幾らでもある。
 話し方では、相手は誰であれ健全なコミュニケーションをはかるために、避けて通れない問題として、「サガ」を取り上げるのである。

 3,「サガ」への対応

 サガへの対応法には2つの選択肢がある。相手を変えるか、自分が変わるか、である。
 どのテキストも「相手は変わらないものと考え、相手に応じて自分が変わることである」と説いている。

過去と相手は変わらない
自分と未来は変わりうる

 だがこのことは、言うは易いが行うはとてつもなく難しいことと認識しておかねばならない。なぜなら自分も変わりにくいサガを持っているからである。

 理性面では自分のほうから変わろうと思っても、意識下では逆に相手が変わるべきだとの心情を捨てられないでいる。よくいがみ合う夫婦など典型である。
 夫は「あんな女とは思わなんだ」といい、
 妻は「ガンコ親父には苦労する」といって自説を譲ろうとしない。
 それでいてお互いに心中では悔いているのである。悔いていても本気になって自分が変わろうとまでは悟れないでいる。
 このように意識では変わろうとしても、変えられないのがサガである。

 サガに対応するには、
  @ 努めて冷静になるようにする
  A 相手のサガを掴む(性格を見極める)ようにする
  B 相手にどこまで歩み寄れるかを考える
  C 時間経過の中で融合に努める(時間をかけて歩み寄る)

 4,サガはどのようにして形作られるのか

 少し見方を変えてサガが形作られてくる形を見てみよう。サガの形成過程をみるには、「交流分析」を参考とするとわかりやすいと思うので、それを取り上げたい。

 (1) 幼児期の決断から始まる
 生まれた子供は、置かれた状況の影響を受けながら、次第にサガ(交流分析では自我)
の形をつくっていく。環境・学習・経験等を総合して「自分はこのように生きよう」との決断をするのである。それはとても幼稚でラフなものだが、その人の人生行動の源となっている。これを幼時決断という。

 @ 非言語的メッセージ
  まだ言葉を知らない子どもは、母親の笑顔、抱かれ心地、お乳の匂い、母親の雰囲気
  等様々な非言語的メッセージを受けて自分の生き方を決断する。
 A 言語的メッセージ
  言葉を覚えた子供は、言葉を通して自我を形作っていく。しかし、非言語的メッセージと 
  は矛盾することも多く、その食い違いに子どもは迷ってしまったりする。

 (2) 少年期のリハーサル
 少年期の子供は幼児期より行動半径は広がり、多くの経験や 学習をする。新しい経験に逢うと、その経験に適応するための適切な判断や決断が求められる。
 この判断することの基礎には、幼児期の「自分はこのように生きよう」との幼児決断が大きく影響するのである。

 (3) 再決断と強化
 人は成長の中で様々なことを経験(学習)する。その経験の中で求められた判断や決断は、いつも成功するとは限らない。むしろ失敗することの方が多い。惨めな思いや不快感を経験すると、次の行動を成功させるためにどうしたらよいかを考える。そのとき、無意識に幼時期の決断がモデルとして選択されるのである。

<例> 幼児期に人見知りが強く、人は怖いもの用心すべきものとして育った女性がいたとする。その人が年頃になって恋をしてしかも破れたとする。このとき女性は『もっと積極的に、相手を包み込んでいく愛が足りなかったからだ』とは考えない。『わたしの男への用心が足りなかったからだ、男の言うことにはもっと気をつけなければ』と反応するのである。これは幼児期の「人は怖いもの」という決断がモデルになっているのである。次の恋も同じように終わると、『もっと用心しよう』と思いはさらに強くなる。これが再決断と強化である。

 (4) 人生観として固まっていく
 ここでいう人生観とはその人の行動・反応の傾向という意味である。大人になり理性が発達していくにしたがい、誰でも状況の判断は適切になっていく。冷静に物事に対処できるようになっていく。そしてかっての幼稚な反応や行動はなくなったかのように見えるが決してなくなっていない。
 何かがあったときサガとしての顔を出し、コミュニケーションの障害条件を作ることとなる。

 5,サガ(自我)を形作るドライバー

 言葉を覚える頃から、親から繰り返し駆り立ててかけられる言葉がある。これをドライバーという。どの言葉をかけられ、受け入れるかでその人のサガが決まってくる。

 @ いつも完全にしなさい(やりっぱなしはダメ、いつもちゃんしなさい。など)
 A いつでも人を喜ばせなさい(親戚のおじさんよ、ニコニコしなさい。など)
 B 何事も一生懸命やりなさい(すぐ投げ出すんじゃないの、最後までしなさい。など)
 C 強くなりなさい(男は泣くんじゃないの、強くなりなさい。など)
 D 急いでしなさい(ぐずぐずしてないの、早く食べなさい。など

  6,サガ(自我)を形作る禁止令

 幼児期から言語的・非言語的の両面で繰り返しかけられるもの(禁止令)がある。
どの禁止令を受け入れるかでその人のサガが決まってくる。
 @ 何々するな
 A 存在するな
 B 成長するな
 C 子供であるな
 D お前であるな
 E 健康であるな
 F 所属するな
 G 重要であるな
 H 信用するな
 I 考えるな
 J 感じるな
 K  成功するな
 (詳細説明は略)



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