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平成16年 イベント
12月 前提観念について
 7月 話し合う・話し合い
   ・対話
 5月 説得の仕方
 3月 説明・報告の機能
 1月 話の目的・機能

 
 
 
 
 
 
 



                    




平成16年 勉強会抄録
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12月 テーマ 話し方と前提観念について
講 師 新藤 茂



 [話し方と前提観念]について


 生まれて以来わたしたちはいろいろな経験を経てきている。この経験を基としてその人なりの性格、個性といわれるパーソナリティが作られていくわけである。このパーソナリティはものごとへの、その人なりの「反応傾向」を持つこととなる。この反応傾向を背景に、話す場面において意識する(無意識も含めて)観念を、「前提観念」と呼んでいる。

 1,人間存在と前提観念

 前提観念を考えるとき、まず「前提」と「観念」との2つに分けてみるとわかりやすいのではないか。
 「観念」とは意識の世界のことである。では「前提」とは何の前提なのか。
 人がどのような人生を生きていくかを方向づけるのは、その人が生きてきた全過去が、方向を決定する基になる。全過去とは、その人の過去の行動を観念化した「意識の世界」のことである。その世界が人間のあらゆる行動の前提となり、現実行動を方向づけているのである。
 つまり「現に人間が存在していること」ということを「前提にして」と考えたいのである。

 2,話しの場における障害要因としての「前提観念」

 前提観念はコミュニケーションの障害要因として取り上げられることが多い。具体的には以下のような観念がコミュニケーションのマイナス要因となるからである。
  @ 思い込み
  A 先入観
  B 固定観念
  C 自己の経験の絶対視
  D 権威への過信
  E その他

 3,前提観念・決定権とサガ(相・性)の関係

 人間が生きるということにおいては、観念的意識の世界が大事だとか、行動力としての決定権が重要であるとか、というように一つ一つ個別的に考えることではなく、人間的総合の振舞いとして関連的に捉えることでなければならない。
 しかし、「サガ」という語感は一般的には死語に近い。ここでは、そのことを基底に置き、一般的心理学的意味での性格特性について述べたい。
  @ 自己愛が強すぎる性格
  A 攻撃性が強い性格
  B 劣等意識が強い性格
  C ヒステリー性の強い性格
  D その他

補 決定権の法則性

 (1)人は自分の経験(知識)や興味・願望に引きつけて物事やコトバ、事柄
   の意味を自分本位に決める。
 (2)その人の経験(知識)興味、願望などが備わっていればいるほど偏った
   解釈や決定をする。
 (3)物事やコトバや事柄が暖味であればあるほど、人は自分勝手な解釈・
   決定をしやすい。

 [解 説]

1,前提観念という概念は、難しい?、易しい?

 これは難しいともいえるし、易しいともいえる。どの場面でこの言葉をとらえるかによ
って別れることとなる。
 現実の話す場面でとらえるなら、むしろ易しいものではないだろうか。
「自分勝手な思いこみで話すのは危険だぞ」
「自分中心な聞き方をするなよ」
といえば、それが全てであり容易に理解できるからである。このことはまた誰でも過去の経験からよく知っている。
 しかし理論的に向き合ってみると、とたんに難しくなってくる。高橋氏の説はいつも話し方を解剖し、分析して理論的に推し進めるので、どうも難解な印象を与えてしまうのではないだろうか。

 2,前提観念の範囲は?

 前提観念は「話す」「聞く」という場面での心のはたらき、という範囲に限定しておきたい。一般にいわれる「先入観、思いこみ」といわれる観念が、「話の場」が介在してはたらくとき、前提観念といわれることになるのである。
 例を挙げると、この辺りで見かけない人がキョロキョロしながら歩いていたとする。その人を見て「どこかの家を探しているのかな」と思っても、この状況での心理を「前提観念」とはいわない。やがて近づいてきた人に「どちらかお探しですか」と声をかけたとき、この瞬間から前提観念になるのである。相手が「山田さんの家を・・」と答えれば、自分の前提観念と相手の意図は合致してコミュニケーションはスムーズとなる。でも「花がきれいなので楽しんでました」といわれたら自分の前提観念は間違っていたことになるのである。

 3,前提観念の流動性

 説明の必要はないが、前提観念は瞬間、瞬間で常に流動変化している。この流動に適応できないとコミュニケーションはスムーズにいかない。

 4,前提観念のまさぐりと修正

 「話し手」「聞き手」はそれぞれが前提観念を持って向き合っている。また双方の観念はそれぞれ違っている。
 したがって適切なコミュニケーションのため、相手の前提観念をまさぐることは大事であり、また自分の前提観念を状況に即応して修正、再修正する作業を怠ってはならない。
 話の現場ではこのことを「聴衆分析」と呼んでいる。

 5,前提観念を問題するのは、障害現象を起こしたとき

 前提観念が、コミュニケーションに障害を与えることなくはたらいていたなら、別に問題とする必要はない。だが先入観、思いこみ、固定観念といった心理を内包する前提観念は、往々にしてコミュニケーションの障害要因として顔を出すのである。
 したがって障害の要因としてはたらく心理や現象を、ふつう前提観念と呼んでいる。

 6,「白紙の状態で臨む」とはどういうこと?

 前提観念を考えるとき、話は「白紙の状態で臨め」といわれるが、「白紙の状態」とは何か。との質問が出る。このことを考えてみよう。
 白紙の状態とは「どのような状況にも適切に対応できる能力」と「目的を達成しようとする強い気構えをもって臨むこと」といえるのではないか。
 「白紙で向かう」とは、何も考えず何の策も持たずに向かうこと、空々漠々とした心境だと捉えがちだが、違うのではないかと思う。
 確かに禅の世界では「無」「空」などと、何も考えない心境を究極の境地としているようだが、少なくともわたしたちの生活感覚とは合わない。

 例えば柔道の試合を考えるとき、試合は技と技の掛け合いだから、千変万化の場面に選手は直面する。そのとき文字通り何も考えなかったらすぐ負けるだろう。また相手は内股が得意だから、そこを警戒して背負い投げで攻めよう、などとあらかじめ策を立てて向かったら、これまた負けるに違いない。したがって、何千回、何万回かわからない稽古という経験から得た、変化に即応できる身体と思考が一体となって、はたらかなければ勝つことは難しい。
 つまり「白紙の状態」とは、過去の実績から培われた「自信」と、どんな変化にも「動じない心」をもって物事に対する、かなり高度の精神活動をいうのである。


            



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7月 テーマ 話し合う・話し合い・対話について
講 師 佐藤雄三





 「話し合う・話し合い・対話」


 「話し合う」
 「話し合い」
 「対話」
 の3つの語彙は、これまで同意義のものとして扱ってきたが、子細に考えてみると、はたらきに違いがあり、第1に目的が全く違うものであることに気づかされる。きょうはこれらの違い、特長について取り上げていくこととする。

 [1]3者の共通点

 もちろん3者には共通点はある。はじめにそれを揚げてみる。
 ◆1つのテーマがあり、テーマにしたがって話が交わされる。
 ◆理知、理性の世界でおこなわれる話である。
  感情、情念、情動等が入ると、多くの場合よい結果を生まない。
 ◆論理的表現を求められる。
  筋道立てて話すことが強く求められる。
 ◆何かを生み出す、創り出すことを目的とする
  生産性のある話であること。参加者に物質的であれ、心情的であれ、何か
  収穫をもたらすものであること。


 [2]話し合う」ことについて

 1,「話し合う」ことと「雑談・おしゃべり」との違い

 ◆話し合う
  ・話す範囲(テーマ)が決められている
  ・お互いの考えや思想を披瀝し、理解し合うことに目的がある
  ・提示される話題が重要ではなく、話題を通してものの見方考え方を見つ
   め合うところが重要となる
 ◆雑 談 
  ・話題に決まりはなく、場の雰囲気や流れで自在に変化する
  ・また参加者は主として話題に関心が向けられる。

 2,話し合うことの特長

 誤解されやすいが「話し合う」とは、深刻な問題が起こり、その善処法や解決策を見いだそうというものではない。
 随時、随意にテーマを提出し、自分なりの意見や考えを出し合うものが、「話し合う」ということである。
 当然見解の相違や意見の衝突は起こるものであり、そのことを通して相互理解をしあうことを目的としている。例えば意見衝突からケンカ別れが起こっても、「相手と自分の考え方には大きな隔たりがある」と認識したなら、話し合ったことに意義があったと考えるのである。
 「話し合う」ことの特徴を挙げてみよう。

 ◆1つのテーマについて、自分の考え、意見、思想を披瀝すること
  テーマについて自分なりの意見を持つことと、それを発言する勇気を持
  つことが求められる。
 ◆意見の一致を見ることを必ずしも求めない
  「最後はみんなの意見をまとめよう」とするものではない。話し合う、その
  ことに意味があると考えるのである。
 ◆お互いの意見や立場を理解し合えたら成功とする
  受け容れられない意見であっても、相手の発言内容が理解できたら成功
  と考える
 ◆感情・感覚的な意見は歓迎しない
  感覚的な発言は、とかく深みに欠ける

 3,「話し合う」ことを成功させるために

 ◆ものごとに対し、自分なりの思想体系があること。
  自分なりの、ものの見方考え方が自覚できていること。もちろん人間は
  オールマイティでないので、自分なりの守備範囲を持っていること。
 ◆テーマについて理性と論理で分析できること。
  「なぜなのか…」「どうしてそうなのか…」と見つめる姿勢を持つこと。
 ◆意見の裏付けがあること。
  背景に資料があること。「どうしてそうなるの」と聞かれたとき、証明できる
  資料があること。
 ◆相手の意見に同意、反対、反論は明確にする。
  相手の意見に反対であっても、それを表明しなかったら相手の意見に
  同意したと思われてもしかたがない。
 ◆テーマについて興味、関心が共通していること。

 4,「話し合う」場において

 ◆冷静に筋道立てて表現するようにする。
 ◆情動的・感情的な意見、発言は努めて抑えること。
 ◆反対的な相手の発言を、受け止められる余裕を持つこと。
 ◆話し合った後の振り返りはとても大切である。


 改まった場面で自分の意見を述べたり、相手の意見に賛成・反対を表明するということはまだわたしたちの生活に十分馴染んでいない。人前で意見を述べることに抵抗感があったり、臆病であったりするからだ。
 だからとかく沈黙してジャッジの立場になったり、他人の意見を内心だけで批判していたりするのである。そして都合のよいとき口を出し、都合が悪いと第三者の立場に逃げ込んでしまうことが多い。
 でもこのことは非難できない。誰もが持っている心情であるからだ。
 わたしたちはこれら心の垣根を取り払い、率直に話し合うことが出来るようになりたいものである。


 [3]「話し合い」について

 このまま放置できない、悪化しつつある、緊急に解決が求められるなどといった事柄について、よりよい解決を図ろうとするものが「話し合い」である。

 1,「話し合い」の特長

 ◆解決しなければならない問題について、関係者が解決策を模索すること。
 ◆その問題点は、多くは外的な事柄(日常生活で起こるもの)が主となる。
 ◆意見の一致、具体的な解決策を見つけることが目的となる。
  一致点が得られなければ話し合いは失敗であり、再話し合い、再々話し
  合いによって意見一致を求める努力が必要となる。
  「率直に意見を出し合ったから、これもひとつの成果だ」というのは話し
  合いではない。
 ◆ベストでなくベターな解決が現実的となる。
  理想的な解決策よりも、「現時点ではこれが最良」という解決策の方が
  よいものと考えられる。
  したがって妥協も話し合いのひとつの成果であり、両者の「利害調整」を
  はかることが多くの話し合いの姿である。

 2,「話し合い」を成功させるために

 ◆率直に話し合う。
  腹のさぐり合い(誠意を見せろというだけ等)や、無意味な拒否姿勢を取
  るなどでなく率直にさらけ合うことが大事
 ◆冷静に意見を戦わす。
  利害対立があっても感情を爆発させず、冷静に対することが必要である。
 ◆常に問題点を見失わない。
  話が横道にそれないよう。
 ◆話し合いのフォーム(すすめ方)に従う。(話し合い5つのステップ参照)


 [4]「対話」について

 対話とは人間の内面と向き合い、真理を追究するための話し合いといえる。
形の上では「話し合う」ことと似ており、オーバーラップする面が多いが、対話の方が質の高さを求められるといえる。
 総じて取り上げる話題は、物事の成り立ち、人間のあり方、生き方といったものが多いのが特長といえる。
 有名なものに「ソクラテスの対話」があり、また禅宗の禅問答もこの形といえよう。

 1,「対話」の特長

 ◆真理の追究、どうあるべきかなど、奥深くにある事柄をテーマとする。
 ◆話を通して人間的成長をはかることを目的とする。
 ◆テーマは外的な現象よりも、内的(人間の内部)の事柄が多く取り上げ
   られる。

2,「対話」を成功させるために

 ◆健全な常識、見識が求められる
 ◆視野の広さが求められる


       



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5月 テーマ 説得の仕方
講 師 坂田富男





 「説得の仕方」


 説得とは何かと辞書を引いてみると、
 「説いて得心させること、説諭して納得させること」と出ている。説諭について引くと、
 「説き諭すこと、悪いことをあらためるよう言い聞かせること」とある。総じて辞書の説明はすっきしているが具体性がない。説得は人を動かすことが基本であるならば、人はどんなときに動くかを考えてみた。

◆それをするとメリットがあるとき動く。
◆それをしなければ、デメリットがあると動く
◆それをすると快楽が得られるとき動く
◆それをしなければ苦痛が起こるとき動く
◆権力、金力、暴力という外圧によっても動く
 ただこれらは後味の悪いものであり、喜んで動く条件ではない。使っても
 補助力としてとどめることである。

 人を気持ち動かすには、相手の「自発意志」をうながすことであり、ここに話力の必要性があるのである。

 [説得の背景作り] 

 説得の効果を高めるには、その背景となる環境作りが大切である。
 
1,人の心を開くことに努める

 ・あいさつの活用
 ・へんじ活用
  相手に近づき、ほほえみの気持ちと言葉をかけることに努める

 2,相手の気持ちを守っていく

 ・肯定的な心で接していく
 ・明るく前向きに、心を開いて接する
 ・聞き手の決定権に配慮していく

 3,積極的に聞くことに努める

 聞くことは大切だが、また難しいものでもある。コミュニケーションに食い違いが起こるのはこの難しさに原因がある。
 次のようなことがいえる。
 ・性格、先入観(前提観念)からのもの
  思いこみや独りよがりがあったり、「何が」より「誰が」にとらわれる
 ・言葉の性質からのもの
  聞き違い、言葉の過不足、言葉の抽象性からからくるものである
 これらに対しては相手を責めるよりも、自分の振り返りが大切である。
 「人は転ぶと坂のせいにする、坂がないと石のせいにする、石がないと靴のせいにする。
人はなかなか自分のせいにはしないものである」との言葉をかみしめることが必要である。

[説得するに当たって]

1,説得の基礎条件

 ◎誠実さと熱意を持って本気で燃える
 ◎聞き手を掴む
 ◎よい聞き手になる
 ◎好かれることに努める

 2,説得の五条件

 ◎しゃべるなしゃべらせよ
 ◎体的な方法と結果を示せ
 ◎考えを与えよ
 ◎名誉を与えよ
 ◎時の活用を考えよ

 3,説得の注意点 

 ◎根気よく説得する
 ◎クッション説得を用いる

[説得の範囲]

 @何かをさせる…「○○をしてください」と何かをさせること
 A何もさせない…「すぐ戻るからここを動いちゃダメよ」と子供に言うなど
 B駆り立てる…現在していることを「もっと急いで」などということ
 C変更させる…「それは途中でよいから先にこれをやってくれ」と別のこと
          をさせる
 Dやめさせる…現在していることをストップさせるなど
 E容認・許諾させる…「ここにしばらく車を置かせてください」と了承を得る
              などのこと
 F考えを変えさせる…「自民から民主支持に変わろう」など精神面への働き
              かけのこと

 説得と姉妹関係にあるのが「忠告」である。両者はオーバーラップする面が多い。ふたつの違いは忠告は、倫理・道徳の規準を背景においているが、説得には原則としてない。
したがって実際には「利害の調整をはかる」ことが説得と考えられている。区画整理のため立ち退きを迫るなどは典型である。


     



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3月 テーマ 報告・説明の仕方
講 師 小山安彦





 「報告、説明の仕方」


 わたしは「説明・報告」の講義はこのようにしているということで話してみたい。

 報告 … 知らせることを目的に行う
 説明 … わからせることを目的に行う
 こととなる。

[報告・説明の意義]

1,報告の意義

 @情報獲得のために
 A判断の基礎として
 B行動への意志決定として
 京都地方でトリインフルエンザで大きな騒ぎがあった。養鶏場の経営者の報告が遅れたのが原因だった。報告の大切さを感じさせる事件である。

 2,説明の意義

 @相互理解のはたらきとして

 A行動への推進力として

 [報告・説明の仕方、受け方]

1,報告の仕方

 @事実を正確に掴む
 A結論を先に、経過を後から話す
 B時期を正確に判断する
 C事実と自分の意見を区別する

 2,報告の受け方

 @あらかじめ結論を決めて聞かない
 A事実であるか、相手の意見であるかを聞き分ける
 Bねぎらい(礼)の言葉をかける

 3,説明の仕方

 @まず自分にはっきりさせる
 A整理して順序よく話す
 B共通の意味にとれる言葉を使う
 C具体的に話す
 D質問を活用する

 4,説明の受け方

 @内容を理解する努力をする
 Aそのまま聞く
 B進んで質問する


ほかに以下のことを付加しておきたい。

1,自力、他力ということ

 作家の五木寛之がヨットに例えて話している。
 ヨットが走るには帆と風が必要である。帆があっても風がなければ走らず、風が吹いても 帆がなければヨットは走らない。帆は自力であり、風は他力である。
つまり自力と他力は一如である。

[説明とは何を説明するのか]

 説明とはわからせることというが、われわれ生活の中で具体的に何を説明しようとしているかを話し合い、以下のようにまとめてみた。
  @構造の説明
  A方法、手順の説明
  B現状、状況の説明
  C原因、結果、理由の説明
  D意味の説明
  E効果の説明  
  F製品、利便さの説明
  Gいきさつ、成り立ちの説明
  H予測、予想の説明
  Iルール、注意等の説明
  J法律、精神の説明
  K史実、史跡の説明
  Lできごと、事件の説明
  Mインフォームドコンセプトの説明
  N感覚、雰囲気等の説明
  O意見、考えの説明
  P経歴、経過の説明


           




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1月 テーマ 話の目的と機能について
講 師 佐藤雄三





 「話の目的・機能について」


 話には目的と機能があるということ  話には話す目的に応じた話し方があり、その話し方には目的に応じた機能がある。
 機能には大きく分けて
◆「実用的機能」
◆「儀礼的機能」
◆「娯楽的機能」がある。
 ここでは実用的機能「説明、報告、説得、忠告」について取り上げたい。

 1,目的、機能、手段のつながり

 先に目的、機能、をあげたが、もう一つ必要なのが「手段」である。
 さて、目的、手段、機能を定義づけていうと、
「目的を果たすのに用いるものが手段(方法)であり、手段に内包されているはたらきが機能である」ということになる。

 例を挙げてみたい。
 よいカツオが手に入ったので、出刃包丁を使ってカツオのたたきを作ることにしたとする。
この場合の3つのつながりをあげると、
 ・目的 … カツオのたたきを作ることが目的
 ・手段 … 出刃包丁を使うことが手段
 ・機能 … 出刃包丁はものを切るはたらきを持っている。このはたらきを機能という。
 ここでわかりにくいのは「手段」と「機能」のつながりであろう。
 出刃包丁は物を「切る」力、能力がある。そこで物を切る力のある出刃を使ってカツオのたたきを作るわけである。
 つまり出刃包丁が内包しているはたらき(能力)を機能というのである。
 では実用的な話し方の目的、手段、機能を取り上げてみよう。次表の通りとなる。


            



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