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 平成11年11月勉強会抄録

 [コミュニケーションゲーム]




 社会経済生産性本部が、毎年4月国立青少年総合センターに新入社員を集め研修していますが、以下は彼らを対象にアンケートを行ったものです。
 調査は平成9年のもので、78社、3796人を対象にしています。高卒から大学院卒までの男女混合です。

 [アンケート設問]

 「あなたは職場では、どんなときにいちばん生きがいを感じますか」

 アンケート種々な感想が出ましたが、それらの調査結果をまとめると、以下の12の項目に分類されました。
 ゲームはこの資料を基に12項目の順位を考え、コンセンサスを図ることが目的です。
 
    


 [学習の進め方]

   @まず個人で考え、順位を書き入れていく(30分)
   A次にグループで話し合い、グループの結果を表に記入する(30分)
     このとき多数決で決めない。十分話し合って全員一致の結果を出す。
   Bその後講師は正解を示し、個人およびグループが出したものと比較し、その違いを検討して コミュニケーションについて考える

   ●正解順位は以下のようになっています     


             





   平成11年 9月勉強会抄録
 「聞き手を満足させる話し方」




[1]聞き手の満足を得る話し方

 1,顧客満足について

 顧客満足とはCS(Customer Satisfaction)といわれ、顧客と企業が売買行為を行うとき、その取引に伴って発生するさまざまな事柄を、顧客が満足するように努めることです。
 最近東芝にビデオに関してのトラブルがあって問題化したことがありました。業界ではクレーマーと呼ばれている人の騒動でしたが、どんな事情があるにせよトラブルが起こることは、企業として望ましいことではありません。どこかに相手が満足できないところがあったからです。
 顧客の満足を得るには、取引の背景を含めた広い範囲に気を配らなければならないのです。
昔は、企業の考えはいかに商品を売り、利益を上げるかでした。現代は「利益を考えながらお客様に満足を提供する」という思想に変わってきているのです。

 2,顧客満足度について

 顧客満足度(CSI Customer Satisfaction Index)とは、その取引をどれほど満足したかを調査によって数値化したもので、今後の取引の目安にするものです。例えば調査項目ごとに5段階の評価を行い、その結果を参考にするわけです。
 現在ではCSの概念は更に進み、CS→GSへ、GS→CDへとなってきている。
 注 GS…(ギャランティ.サティスファクション)満足を保証する
CD…(カストマー.ディライト)喜び、感動を与える

 3,聞き手満足について

 売り手 = 話し手
 買い手 = 聞き手
 と対応して考えることができます。顧客の満足を考えるならば、聞き手の満足についての努力も必要です。これをLS(リスナー.サティスファクション)と呼びましょう。つまり「聞き手満足」というわけです。
 聞き手に話の決定権があることはよく知られていることですから、その決定権に対応して話すことと、聞き手の満足を得られるように話すこととは、同一のものであることが頷るでしょう。
 CSIがあれば、LSI(リスナー.サティスファクション.インデックス)もあるはずです。

    





   平成11年 7月勉強会抄録

 [コンセンサスゲーム](日本の誇り)





 コンセンサスについて考えたい。きょうは「日本の誇り」という資料をもとにコンセンサス(合意)ゲームをしてみたいものです。
 まず資料を提示します。これは総理府青少年対策本部が1977年(昭和52年)の11月下旬から翌年1月上旬にかけて、世界11カ国の18歳から24歳までの青年に、「自国の誇り」と思うものは何かを後に示す12の項目の中から選んでもらったものを集計したものですが、内容は以下に示しています。
 ここで取り上げたいのは、では当時の日本の青年は、どんなものを日本の誇りとして選んだか、その順位を考えてみるというゲームです。2段階にわたって考えてみます。


  [設問−1]

 まず個人で考えてみる。以下にあげる12項目から、もっとも多く選んだと思う項目を 1位、最も少ないものを12位として書き入れてみる。  

    

 [設問−2]

 上の結果を基に今度はグループで話し合い、グループとしての結果(コンセンサス)を出してみる


 このゲームの目的は、グループが決定した結論と、その正解とを見比べて、正解度はどれほどか、また個人レベルとグループレベルでは正解度はどれほど向上したかをみて、集団でコンセンサスを図ることの大切さを考えようとするものです。


ゲームをすすめるには幾つかの資料が登場しますがそれは割愛します。なお正解は次のようです。  

   


  1,コンセンサス実習からのひとつの仮説化

 正解のあるコンセンサスを求めての実習においては、グループ討議の結果は、個人決定の平均よりよくなるのがふつう。何故か。「3人よれば文殊の知恵」という格言にあるように、単に人数増というだけでなく量的増加に止まらない何ものかがひそんでいるようだからだ。(ただ我々の今回の実習では、グループ討議のほうが結果が悪く、講師の失笑を買った)


 コンセンサスを求める実習での条件は、グループの相互信頼的、開放的、指示的風土の中で各自が徹底的に自己主張してみるということであった。開放的、指示的相互作用が組織体の中に醸成されれば、そこに潜在する資源が十分に活用されるようになり、葛藤は建設的に活用される。


 人間は2人寄れば相違があるのだから、人と人との間には葛藤があるのが当然である。コンセンサスを求めようとしたプロセスの中ではこの葛藤が可能であり、相違を建設的に活用できるのではなかろうか。多数決による解決と異なり、お互いが自説を変えることがあってもだいたいにおいて全てのメンバーは満足感を持ち得たと思われる。
(民主主義は葛藤である)

  2,融合論(Synegy〜シナジー)的な考え方

   日常多くの場合我々は、仕方がないから仕事をしており、体験的には集団活動をあまり高く評価していない。
 我々の文化はだいたい競争原理に基づいているため、ものの考え方も「勝つか、負けるか」の2分法に陥りがちである。したがって「与えることは、受けること」というパラドクシカル(逆説的)な現実を受け止めることができないことが多い。


 融合論(Synegy)的なものの見方とは、「相違からくる区別」ではなく「対立またはバラドクシカルなものを共通性という立場から見よう」とすることである。状況の中に存在する、両極的対立要素と見えるものの間に、意義深い関連性を見いだしていこうとする態度である。「あれか、これか」の発想から「部分でなく全体を見る」視点への転換が必要である。
 以上の論をふまえると、問題をめぐって多数派と少数派とに分断して解決をはかろうとするよりは、コンセンサスを目指すことにより、作業のプロセス(人間の関係的過程)の質が向上する。


 <結論>
●コンセンサスには時間がかかるかも知れない。しかしチームの相互作用を意図的に向上 することにより、時間を短縮し質のよいプロセスを向上させる。
●コンセンサスの過程で得られる満足度は、個人の尊厳を損なわない融合論的プロセスを 持ち込むことからくるとすれば、時間と努力に値する。

  3,小集団活動の利点

   @少人数のため集団の圧力が少ない
   A1人あたりの思いつき、発想の数が増える
   BSynegy(融合論)効果が出てくる
    (1+1=2+α)の効果となる
   C意見の一致度が高い
   Dコミュニケーションの自由度が高い


    






    平成11年 5月勉強会抄録

 「発声発音について」




 前回も述べたと思いますが、ボイストレーニングの意義・目的というものを押さえておきます。何故大切なのかをあげると、「ボイストレーニングは話をするにあたって、心を感じてもらうため」に行うトレーニングだということです。

[1]腹式呼吸のトレーニング

  1,呼吸の仕方

   @いすに浅めに掛け、背筋を伸ばす
   Aゆっくり息を吐き、吐き終わるあたりでちょっと止める
   B腹が膨らむよう息をゆっくり吸っていき、十分吸ったらちょっと止める
   Cこれを10回くり返す
   D息を吸うとき、肩が上がらないよう気をつける

 2,呼気発声のトレーニング

   声に出さない息だけの発声訓練
   @息を吸ったら、呼気だけで「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、…」と発声
    する
   A腹筋を使って発声する
   B呼気圧を強く要する音が効果的「パッ、パッ、パッ、…」「プッ、プッ、…」
    等

[2]滑舌(Articulation)のトレーニング

  1,母音のトレーニング

 母音は文字通り音声の親である。親がよいと子がよいの例えで、母音がしっかりしていると子音もしっかりしてくる。

    

  2,子音のトレーニング

    

  @発声は、一音発声毎に口を閉じ、これをくり返すのが基本。これにより
   口の開閉チェックが さらに明確となる。
  A母音は口を大きく派手に動かすようにする
  B子音は舌の先端の動きをよくするように、軽快に発音する
  C滑舌がはっきりしていると、知的印象を与える
  Dはじめはゆっくりはっきりと、次第に早く言っていくようにトレーニングする

  3,発話速度について

 1分間に話す速度は、テレビアナウンサー等は400字前後が多い。参考に
 以下あげてみる。
 1964年 今福 祝 (ニュース)318字
 1977年 勝部領樹 (NC9)396字
 1980年 櫻井洋子 (ニュースワイド)420字
 1922年 川端義明 (ニュース)389字 (以上NHKアナウンス室出典)
  そのほかには、
  加賀美章子 (NHK)360字
  久米 宏 (ニュースST)480字,ザ・ベストテンの頃は800字
  ツービート (漫才)510字
  大平正芳 (元首相)180字
  徳川無声 (話芸)190字    (以上玉置宏氏の講演から) 
 4,文章の滑舌トレーニング

  @「寿限無」(後述)ワンブレスで言う。 
  Aなめらかに言う

 5,発音明瞭度チェック

  @清音  「アイウエオ」等
    濁音  「ザジズデド」等
    半濁音 「パピプペポ」等
    鼻濁音 「か゜き゜く゜け゜こ゜」等
    拗音  「シャシュショ」等
    撥音  「ン」(はんぶん、しんぶん)等
    促音  「ッ」(いって、おって)等
    長音  「−」(とうきょう、こうこく)等
   Aロガトム表
 聞き間違いがあってはならない電話交換手などの、発音の明瞭度をテストするために用いられています。
 無意味な2音を組み合わせ、それを相手に伝えてどれほどの聞き間違いがあったをみるものです。ロガトム表といって次のようなものがあります。  

   

  6,滑舌トレーニングの留意点

  @速度はゆっくりと言う
  A口の開閉をはっきりとする
  B大きな声で言う 50〜60p前の壁にひとまとめに出す感じで言う
  Cだらだら読まずに短くビッと読む

 [関連資料]

  1,寿限無

寿限無寿限無、五劫の摺り切り、海砂利水魚の水行末、雲来松、風来松,食う寝る所に住む所、やあぶら小路のぶら小路、パイポパイポ バイポのしゅうりん丸、しゅうりん丸のぐうりんだい、ぐうりんだいのポンポコピイのぽんぽこなァの長久命の長助。

 2,金明竹(参考まで)

私なァ、中橋の加賀屋佐吉方から参じました、へえ。先度仲買の弥一が取り次ぎました道具七品のうち祐乗、光乗、宗乗三作の三所物、ならびに備前長船の則光、四分一ごしらえ横谷宗a小柄つきの脇差、柄前はなァ、旦那はんが鉄刀木さんやと言うてでござりましたが。やっぱりありゃ埋木じゃそうで。木ィが違うておりまっさかい、念のためちょとお注意申します。
 次は、織部の香合、温古の茶碗、黄檗山金明竹、寸胴の花活けには遠州宗甫の銘がござります。「古池や蛙とびこむ水の音」これは風羅坊正筆の掛物。沢庵、木庵、隠元禅師張交ぜの小屏風。あの屏風はなァ、もし私の旦那の檀那寺が兵庫におましたなァ、へえ、この兵庫の坊主の好みまする屏風じゃによって表具にやって兵庫の坊主の屏風に致しますと、はっはっは、こないにお伝言ねがいます。


              





   平成11年 3月勉強会抄録

 「発声発音について」





 一緒に発音発声ついて考えたいと思う。どの講師も訓練にはいるに際し、大きな声を出しなさいと言う。もちろんわたしも求める。では大きな声を出すことにはどんなメリットがあるのだろう。

[1]発声発音を訓練する意義

 1,大きな声を出すことのメリット

  @姿勢が良くなる
   姿勢が悪いと伸び伸びしたよい声は出せない。
  A滑舌がよくなる
   カツゼツには、「滑舌」「活舌」の2つがあるが、最近は「滑舌」が多くなって
   きている。
  B話の内容に責任が持てるようになる。
   声は、小さく出していてそれが習慣化すると大きな声が出せなくなる。
   訓練では大きな声を出すことが大切である。
   また、マイクの利用するときの注意を述べると、通常、マイクは小さい声を
   拡大できる。だがマイクは声の補正器ではないから、どんな音も拡大する
   ためリップノイズ(唇からの雑音)を消せない。
   注意すべきところである。

  2,よい声とは

 どんな声をよい声と感じるでしょう。好きな人の声、自然な声、聞き易く疲れない声、感じのよい声、メリハリの利いた声、等様々あげられますが次のようにまとめられます。

よい声とは「その人らしい自然で無理なく楽に出る声」だといます。
 それをさらに突き詰めると「声は人なり」といえます。

  3,声の三位一体

 声の出にくい時があります。寝起きの時、眠いとき、疲れが大きいときなどです。また、緊張しているとき、言いにくい相手や内容のとき、心に何か引っかかりがあるときなどです。逆に言えば体調がよく、気分気持ちにわだかまりがないときは、声はよく出るということになります。そこでよい声の条件は「身体と気持ちと声が三位一体」であることだといえますでしょう。

  4,出しやすく、話しやすい声

 音声域というものがあります。その人のもっとも高く出せる声と、もっとも低く出せる声の幅のことです。したがって音声域は人それぞれで違います。では人がもっとも出しやすく、また聞きやすい声の域はどのあたりでしょう。
 まず自分で出せる一番低い声を確かめます。次にそのレベルから3度〜5度上げたあたり(音楽のドレミでいった)を、基準として話すようにするとよいのです。

 
[2]呼吸法について

 声は息をエネルギーとしているのです。息をたくさん吸えばたくさんの声になるわけですから、呼吸量は大きい程良いのです。ここで腹式呼吸を考えてみましょう。

 1,腹式呼吸法とは

 呼吸とは肺に空気を入れ、また出す行為ですが、息を吸えば肺は膨らむので、膨らんだ分だけどこかに押し出さねばなりません。その方向に2つあり、ひとつは肩をあげて上に押し出すものであり、ひとつは横隔膜を押し下げて下に押し出すものです。そして発声するにおいては、肩をあげる呼吸法は望ましくなく、横隔膜を下げての呼吸法でなければなりません。横隔膜を下げれば、それだけ腹が膨らむことになります。次に息を吐くと肺はしぼむから、横隔膜が上にあがり腹はへこむことになります。このように呼吸にあわせて、腹が膨らみまたしぼむ呼吸を、腹式呼吸といいます。
 話すときの呼吸法は、この腹式呼吸をもって行うことです。

  2,腹式呼吸のメリット

  @喉にかける負担がなくなる
  A声を安定して出せる
  B声が長持ちする

[3]発音について

  1,滑舌について

 滑舌とは、はっきりした発音で言葉を出すことです。
 発音の基本は母音(ア、イ、ウ、エ、オ)であり、母音がはっきり発音されれば子音もはっきりしてきます。
 滑舌訓練の基本的なものをあげておきたい。
ひとつは口の体操といわれるものです。下の五十音が普通使われますが、音の順番は、発音しやすいような順序になっているとNHKでは言っています。

 もうひとつ滑舌の練習基本によく使われる「あいうえおの歌」がある。

   <あいうえおの歌>  北原白秋作     

[4]総合として

  @声は年をとらない
   年齢を重ねても声は年をとりません。つまり常に声を鍛えておくことが
   大切です。
  A音声域を広げる努力を怠らない
   音声域を広げる努力を怠ると、どんどん狭くなります。いつも広い領域の
   声が出せるように努めることです。
  B声に温度がある
   暖かい声、冷たい声と、声には温度があります。
  C声に光がある
   明るく光る声、暗い声と、声には光や艶があります。
  D声に硬軟がある
   柔らかい声、硬い声と、声には硬度があります。
  Eテレ、抵抗をなくして声を出すようにする
   テレや抵抗感があると自然な声が出てきません。これらを無くすと発声が
   変わってきます。
  F耳にする声と出せる声とには距離がある
   耳にする声は自分にも出せる声だと錯覚します。だが両者には距離があ
   ります。実際に自分で声を出して確かめ、どれだけの声が出せるかを
   確認しておくことが大切です。

      






   平成11年 1月勉強会抄録

「ユーモアについて」





 わたしは前回も話したが、講義をするにおよんでわたしは次のことを心がけている。
   @おもしろい話であるように
   A役に立つ話であるように
 そしてそのために講義の際、ユーモアを表すなんらかのキーワードを考え、講義に入れている。
 きょうは前回に続く、ユーモアと笑いのあたりを考えてみたいと思う。


 ユーモアと笑いは同一でないことはわかっていると思うが、わたしはユーモアのある話をしたとき、その結果が笑いとなって現れるものだと考える。
ユーモアは「自分を笑いものにする」ところから出発する。そして人を許せる心を持つ人ほどユーモア精神をもてる人である。したがって人に寛大になることが大事である。

  1,笑いの定義

  @喜び、おかしさ、あざけり、恥ずかしさなどの気持ちによって、精神的に反 
   応し、身体特に顔の表情がゆるみ、口を開け声を立てること
   (ことばコンセプト事典)
  A緊張をゆるめ、心身をリラックスさせる人間関係の要素でもあれば、
   他人の欠陥を嘲笑するという攻撃的武器であり、「人間だけの特質」
   (アリストテレス)
  B突然の得意は「笑い」と呼ばれる顔のゆがみを作る情念である
  (T・ホッブス)
  C笑いとは自分の優越性を思いがけない形で見ること 
  (スタンダール)
  D笑いは我と我が身の優越からくる。そして笑いは悪魔的である。故に深く
   人間的である。これは人間であってみずからの優越性の刊年の帰結で
   ある
  (ボードレール)

  2,笑いの語源

    英語で    Laugh(ラフ)
    ドイツ語で  Lachen(ラッヘン)
    フランス語で Rire(リール)

 いずれも「声を立てて笑う」の意味がある。英語のLaughは、ドイツ語のLachenと同語源でゲルマン基語の五根のHlaf(フラフ)にさかのぼる。この語根は笑い声を模した擬音語である。
 Laughは、古英語ではHleahhan(フレアハン)、Hliehhan(フリーハン)で、擬音語の感じ。日本語で言えば「ハッハッハ」という感じをよく残している。ギリシャ語のGelos(ゲロース)も同様の擬音語で、日本語流に言えば「ゲラゲラ」という語感である。
 哲学的な面からいうとアリストテレス(前384〜322)に遡るのが通例。さらに笑いは「世の始まり」からあると考えてよいだろう。

  3,笑いの名言・引用句

  @この笑いの問題は、いつもその努力を潜り抜け、すり抜け、身をかわし、
   また立ち直る。哲学的思索に対して投げられた小癪な挑戦
   (分析と解釈をあざ笑い、人間世界を飛び回る小鬼たち)
   (H・ベルクソン−1859〜1941)
  A田舎者、堅物は、人を笑わせるようなことは何もせず、笑わせる人を嫌う
   (アリストテレス)
  B悲しみは精神的なものであり、笑いは知的なものである
   (三島由紀夫「お
    わりの美学」)
    円楽の落語話である。ある時仲間が集まっておしぼりを絞ることでの力
    自慢をしていた。
    中に見るからに弱々しく、力のなそうな男が出てきたが、なんと彼はもう
    誰も出せなくなったおしぼりから水を絞り出したのである。
    驚いた仲間が「あいつは誰なんだ」と聞くと
    「なに彼は税務署員さ」と1人が答えたという。
    この話は「絞る」と「税務署」との繋がりがわからないと笑えない。
    笑いは知的というのはこういう意味である。
  C漫画の出来がいいか悪いかは、読者を笑わせるか笑わせないかが決め
   手である
    (手塚治虫「ボクはマンガ家」)
  D駄洒落を聞いて知らぬ顔をしたり、眉をひそめたりする人間の内面生活
   は案外空虚なものである
   (九鬼周造「偶然の生んだ駄洒落)
  E他人の愚かさを笑う前に、まず自分の愚かさを笑うことを始めたら、我々
   の付き合いはもっと和やかなものになる (河盛好蔵「人とつきあう方」)
  F笑いは強壮剤であり、苦しみを軽減し、除去するものである
   (C・チャップリン)
  G笑いは副作用のない精神安定剤である (a・グラスゴー)

  4,ユーモアを身につけるには
 (1) 人や自分の心の動きを、喜び、悲しみ、怒りなども含めて、温かく見守る  
  江戸時代の「川柳」は、庶民の権力階層への反抗・怒りを表した笑いといえる。
 (2) おかしみと仲良くする
  @おかしみに近づき、おかしみを味わう
  人には天性おかしみを備えて生まれてくる人がいる。でも誰でもそれが叶う
  ので はないから、 おかしみを味わい養える環境に、身を置くことが必要で
  ある。
  それ には寄席、漫画、川柳、喜劇、ユーモア本などに接するように努めると
  よい。
  A日常に見聞きすることの中から、おかしみを発見する
  B笑い話を創作して話す
   ●おもしろい人の話の真似をする
   ●それを自分なりにアレンジする
   ●そのうちに自分のオリジナルを出していく
  C自分の話におかしみを入れて話す

(3) おかしみのポイントを研究する
  @内容の研究
   ●意外性を持たす 「あなた本を出しましたが売れてますか」
    「はい、爆発的に売れ残ってます」など
   ●矛盾を示す 「うちは家計を切りつめてるので主人の小遣いを減らしまし
    たの。そのお金で わたしカルチャーセンターに通ってますわ」など
   ●余裕を示す 「君はどうしてそんなにゆっくりなんだ。人に遅れをとるぜ」
     「その代わりみんなよりゆっくり死ねるよ」など
   ●真実を言う 「きれいなお姉さんは好きですか」など。きれいな人は誰
    だって好きだから、そのことが笑いを生む
   ●誇張してみる  「君はお金持ちだろう」「もう金はたくさんあって見るの
    も嫌だね」など
   ●繰り返し 「やめられない、やめられないカッパえびせん」などのCM  に
    見られるもの
   ●自慢をする   自分を大きくいってみる。ほら吹きといわれる人の話
    など
   ●卑下をしてみる 「わたしの家など吹けば飛ぶよな家ですから」など
   ●当たり前を言う 「美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに写り
    ます」のCMなど
  A言葉の研究
   ●しゃれ言葉を覚える
   ●おかしい言葉を見つけてみる
   ●流行語に敏感になる
  Bゼスチュア、表情、物まねなどの研究