聞きなれた(?) 純正ツィーター
プレリュードの純正フロント・スピーカーは16cmウーファー(フルレンジ?)と2.5cmツィーターの2ウェイ構成です。
ツィーターはドアノブ・トリムと一体型になっていて運転席(助手席)の真横にありますが、耳を近づけてみても(もともと聞こえにくい音域ですが)鳴っているのかどうか判然としませんでした。
巷(のWebサイト)ではツィーター用のコンデンサの(DIYで)取替えが流行らしく、元の電解コンデンサをフィルムコンデンサに置き換えて音質の改善を図っているようです。
かつて2ウェイ・スピーカーシステムを自作した折、LCネットワーク回路を作成したことがあったので、純正スピーカーにも少し手を加えてみることにしました。
平成23年(2011年)1月、材料を取り揃えて工作開始です。
ドアノブ・トリムは小さな蓋で隠れているネジを外してから、「内装剥がし」を使ってこじ開けます。ドアノブが内側でリンクロッドと繋がっていて、これを間違いなく外す方法がわからなかったため、こじ開けた状態のまま慎重にツィーターを取り外すことにします。見えにくい手探り作業ですが、スピーカー・コードのコネクタを外し、取付金具のネジを2箇所外せば取り出せます。
ドアノブ・トリムをこじ開ける
ツィーターの磁石の縁に小さなコンデンサが接着されています。ツィーターとコンデンサの製造元、仕様・定格は不明です。見慣れた電解コンデンサでないのは確かなようです…
その大きさから推測するに、コンデンサの容量が少なくクロスオーバー周波数は相当高くなって、音楽の中の高い音域がツィーターから少ししか出なかった…と思われます。
せっかく付いているツィーターですから、(無理のない範囲で)もっと動作させてあげましょう。
ツィーター 赤く見えるのがコンデンサ
コンデンサの容量は、ツィーターのインピーダンスとクロスオーバー周波数から算定します。このツィーターのインピーダンスは4Ωと(仮定)して、クロスオーバー周波数を5kHz〜10kHzの間に設定すると、コンデンサの容量は8.0μF〜4.0μFあたりです。(6dB/oct型ネットワーク回路−3dBクロスの例)
大阪日本橋の電子部品専門店でフィルムコンデンサを買い求めました。耐圧250V、容量4.7μFが2個セットで645円と安価です。フィルムコンデンサといっても数多く種類が取り揃えてあって、選ぶのにちょっと迷いました。オーディオ用に売られているものはもっと高価ですが、コストパフォーマンスの点ではこれで十分かと思います。
250V 4.7μF フィルムコンデンサ
フィルムコンデンサはスポンジゴムの両面テープでツィーターの背面に貼り付けます。取付金具にスピーカー・コードが留めてあるので、フィルムコンデンサを取り付けた上から留め直します。
ツィーターの背面にコンデンサを貼り付ける
ツィーターのはんだ付け工作が終われば、元どおりにドアノブ・トリムに取り付けて作業完了です。当然のことながら、見た目は全く変わりません…
エンジン・キーをひねってカーナビを起動させ、いつものお気に入りの音楽をかけてみます。
ドアノブ・トリムのツィーター
「おぉー! これはいぃっ!!」
ちょっとオーバーかもしれませんが、音の変化は“一聴瞭然”です。
後日、 カスタムフィットスピーカーに交換した際、純正ツィーターの背面に4Ω3Wの定格表示を確認しました。