道の駅スペースアップルよいち
北海道へ周遊ドライブ
永年勤続で長い休暇が貰える節目の年、仕事も私生活も落ち着いた頃合いで、長期の旅行を思い立つ。
思い出深い北海道ドライブ旅行をもう一度と、専業主婦の妻の慰労を兼ねて北海道旅行に行く。
休暇は息子たちの夏休みの前。大学生になった息子は下宿生活、高校生の息子には生活費を持たせ、通学しながら自宅で一人留守番させることにする。
5月の連休に観光案内Webサイトを縦覧しながら、旅行計画を練る。観光地を絞り込み、宿泊地をつないで道内6日の周遊コースが出来上がる。長い距離を一日中走り回らず、観光地を適度に見て回ることにする。
旅費を試算する。道内6泊12万円、フェリー往復8万円、その他諸々で概算27万円。旅費が嵩むのは経験済み…
フェリー往復も思案どころ。この7月、新日本海フェリーに新造船(すずらん・すいせん)が就航、旅行会社がその記念企画で格安旅行プランを売り出していた。都合キャンセルは利かないが、渡りに船と申し込む。
インターネットで宿泊先を予約し、道の駅を調べ、電子地図を使って走行距離と目的地のマップコードを調べ、旅費を概算し旅行計画書を仕上げる。それらを印刷し、旅行クーポン券、案内パンフレットなどをとりまとめて、クリアファイル1冊に収めた。妻がその旅行計画の編冊資料を見て、旅行会社(の添乗員さん)みたいと評した。
20時05分〜22時55分
船旅から始まる北海道旅行。出港1時間前までには、フェリー乗場に着いて乗船の手続きが要る。旅行プラン申込みの際念入りに確認していたが、自宅出発は出港日の“前日”。この日の勤務を終えて帰宅、晩御飯を軽く済ませて出発する。予定通り1時間半前に舞鶴港のフェリー乗場に到着。既に多くのクルマが広い駐車場に列をなしていた。
誘導係員が私のプレリュードを見るなり車高を下げたクルマと勘違いしたようだ。最低地上高さの低いスポーツカーなどは乗船スロープの関係で乗船できないので、チェックしている。勿論マイカーはフロント・スポイラーも無ければ車高もいじらないノーマル仕様(の日本車)。
舞鶴港フェリーターミナル
23時45分フェリーあかしあ(2004年就航)に乗船開始。
フェリー甲板
この日の行程:自宅出発前オド32,203km トリップ199.0km 舞鶴港到着時オド32,383km トリップ380.0km
この日の旅費:新日本海フェリー・ヴィーナストラベル北海道ドライブプラン¥64,000、堺IC〜舞鶴東IC¥3,100
深夜0時30分舞鶴港を出港。ドラの音が客室にも(船内放送で)伝わる。
往路の客室は左舷窓側の3畳の和室。敷き布団の代わりにマット。機関部の振動が伝わってくるが、とにかく寝る。翌朝8時過ぎまで熟睡。
晴れて穏やかな日本海の航路。昼前に浴室の蒸気サウナで汗を流す。先に浴室を出た妻はエントランスホールのベンチで休憩、同席のご婦人と1時間以上世間話(?)していた。
朝食は持ち込み、昼食はレストランでラーメン、夜食は売店でインスタントのやきそばと、食費を少し節約。
船内を少し見て回る。2等客室は昔ながらの雑魚寝のフロアでなく、間仕切りとカーテンで囲まれた2段の寝台になっている。
船内の余興でビンゴゲームに参加する。ゲームの終わり近くでビンゴを当てる。景品は新造船就航記念のクリアフォルダー。因みに1等は3000円の船内利用券。
ゲームが終わってすぐ、南行きのフェリーはまなすとすれ違う。昔はサイドデッキに並んで向かい合い、お互い手を振っている人たちが見える程に間近だった。今は船のスピードが速くなった分、安全な距離を保っているのかもしれない。
復路(南行き)のフェリーはまなす
コンファレンスルームでビデオ映画の上映。第2部の洋画「Night and Day」を見る。トム・クルーズ主演のアクション映画で、わかりやすい展開に妻も楽しめた様子。
北海道に近づくと陸地が見えてくる。携帯電話もつながるようになる。
夕刻、北海道沿岸が見えてくる
21時04分〜21時25分
小樽港に到着。カーナビはしばらく舞鶴港周辺を表示していた。
旅行プランで申し込んでいたホテルへ直行、チェックイン。夜も更けてきたが小樽観光に出歩く。観光の定番、小樽運河の夜景が情緒的な雰囲気。妻は大層ご機嫌。
小樽運河の夜景
22時から23時まで散策し、コンビニで朝食のバナナを買出し、ホテルに戻って、24時までに入浴を済ませ、就寝。
この日の行程:オド32,386km トリップ382.7km
この日の旅費:フェリーで朝食・昼食・小樽で夜食¥3,860、フェリー・小樽で土産¥1,880+320、オーセントホテル小樽(泊旅行代金込み)
7時10分〜15時14分
ホテルに隣接する立体駐車場は機械式なので、チェックアウトが重なる時刻はかなり順番待ちが予想される。素泊まりプランの早朝出発だったので、この点は早くて済んだ。
ホテルを出発してすぐ、札樽道に入る前に給油(セルフ給油)。トリップをリセットし、道内周遊にかかる燃費の計測にかかる。『ゆっくり走ろう 北海道』で、目標は15km/リットル。実用上の目安は14km/リットルとして、700kmを目処に給油する。
札樽道金山PAで一旦クルマを止め、前日までの走行でクルマに付いた虫の残骸を拭き取る。
郊外を走る道路沿いには、動物の飛び出し注意を喚起する標識が頻繁に現れる。クマ、シカ、キツネと図案も幾種類かあって面白い。下調べしたWebページ上でも、エゾシカとの衝突事故を注意喚起している。
道央道岩見沢のSAで休憩。馬橇を模したベンチでモーニング・コーヒーにする。土産も少しずつ買っておく。
岩見沢SAの馬橇を模したベンチ
三笠ICから富良野までは単調な山間の道。ほとんどの区間がはみ出し禁止の二車線。追い越しできるわずかな区間は、速度取締りの要所らしい。制限を守って巡航すると後から追いついたクルマが連なり、その中で常に先頭を走っている。
日中の気温は24℃くらいなので、エアコンを止めてサンルーフと窓を開ける。強い日差しで道路に蜃気楼の逃げ水が現れる。
昼食はインターネットで見つけた富良野オムカレー。店舗が協力してB級グルメの地域振興に取り組むところが面白い。
富良野といえば観光農園、色鮮やかに丘陵を埋めるお花畑。沿道から望見する限り、幾種類もの花が満開に咲き揃うには少し早い時期だったようだ。
お花畑はパスして、とみたメロンハウスに寄る。入り口近くの駐車場は満車、土埃をたてて広大な露地の駐車場に停める。熟した果肉が口の中で甘くとろけるメロンがとても美味しかった。
富良野オムカレー
とみたメロンハウス
十勝岳連峰は午後の日差しの中で霞んでいる。風が少し出てきた。もう一つ、国道から離れた丘陵地にある観光農園に寄る。少し辺鄙ながら観光案内に出ているだけあって、大勢の観光客で賑わっている。お花畑が目当ての個人観光客との間で情報交換。この時期、ラベンダーの開花で評判のよさそうな所が他にあるようだが、こちらは行程上あまり余裕が無いのでパスする。
四季彩の丘 満開の花菱草
早咲きのラベンダー
旭岳温泉への道
北海道の最高峰 旭岳
予定の時刻より少し早く宿泊地に到着する。旭岳ロープウェイはすぐ傍なので、明日の予定を繰り上げる。ホテルのチェックインを済ませ、手早く支度を整えて、15時45分の便に乗る。
旭岳温泉のホテル
西風が強く大型のゴンドラも少し揺れる。姿見駅に着くと、次の16時00分の便は強風のため、一時運行休止になった。
旭岳ロープウェイ
残雪
散策コースに出る前に、指導員からコース説明を受ける。周回コースを時計回りで進む観光客の一団と別れ、(反時計回りで)姿見の池まで直行する。よく晴れて展望はよいが遠くは霞。かつて巡り歩いた山並みが懐かしい。チングルマのお花畑が満開。
旭岳姿見の池散策コース
チングルマのお花畑
姿見の池にも指導員。無線で連絡を取り合っている。ロープウェイの運行が止まったので、コース上の観光客を早めに駅まで誘導するそうだ。二人の写真を撮ってもらって、周回コースで下山に入る。
姿見の池と旭岳
途中の展望台にも指導員が数名残っていた。先の観光客の一団とはほとんどすれ違わなかった。駅に着いたとき、待合広間に大勢の観光客が集まっていた。風が弱まる合間に運行し、17時00分が最終便となった。指導員も一緒にゴンドラ一杯に観光客を乗せて山を下る。
ホテルに戻って夕食までに入浴を済ます。掛け流しの温泉とサウナ、露天風呂がいい。もてなしに定評あるホテルらしく、快適な宿泊。曇りがちで星空は見られない。
夕食はバイキング まずはステーキから
この日の行程:小樽臨港給油時(オド32,388km)トリップ384.8km(リセット) オド32618km トリップ227.5km
この日の旅費:給油エネオス小樽臨港¥3,382、小樽IC〜三笠IC¥1,250、朝食・昼食¥4,452、富良野で土産¥6,148、四季彩の丘¥400、旭岳ロープウェイ¥5,600、旭岳温泉ホテルベアモンテ(泊)¥24,300
7時15分〜17時55分
この時期、夜明けは早い。3時48分野鳥の啼き声で目を覚ます。朝食も6時00分からと、早立ちには便利。
夜明け ホテルの窓から
強風のためロープウェイ運休とホテルに張紙案内があった。出発前に、クルマを拭き洗い。天気は曇り。昨日より幾分風は収まっている。
旭岳温泉からの下り道の待避所で一時停車。道内に入ってから気に掛かっていたが、カーステレオのサブウーファーが沈黙状態だった。単純なヒューズ切れではなさそう。原因究明と修理は帰ってからに…
朝早くから旭川の郊外を走る道で、観光バスと何台もすれ違う。層雲峡に入ると柱状摂理の見事な断崖が現れる。走行中で写真が取れなくて残念。ロープウェイのある層雲峡温泉街は観光客の姿もなくひっそりしていた。
大函 すぐ横に崖を貫く旧道(廃道)がある
石北峠まで時折小雨。大雪山系の峰々は雲に覆われ、大雪湖から展望なし。峠道に沿って山側の法面にルピナスが数多く咲いていて、目を楽しませる。
石北峠 峠道に沿ってルピナスが満開
正午に道の駅おんねゆ温泉に到着。広場の時計台から音楽が聞こえてくる。見に行くと時計台の台座に森の小人風のからくり人形が5体、メロディーに合わせて優雅な動きを見せていた。世界最大のはと時計とか。時報の後に、時計台の中に入ってみる。
道の駅おんねゆ 果夢林はと時計
はと時計の内部 からくり人形が並んで待機中
演奏が終わると巨大な鳩がおもむろに時報を告げる
昼食は売店できつねそば(キタキツネの里で、たぬき…ではない?)。
国道39号線のルートに沿って北見市の市街地に入る。いくつも信号交差点で停められ都会のストレスを思い出す。市街地を抜けて丘陵地を越え、美幌に差し掛かるあたりで、広大な景色が目の前に広がる。走行中で写真が取れなくて残念。
時間に余裕があったので、予定にない網走へ寄り道する。道の駅めまんべつ近くにメルヘンの丘がある。何気に通り過ぎようとして、絵になる景色に思わず引き留められた。丘の向こうに飛行機が低く滑空して、女満別空港に降りていく。
メルヘンの丘
(マウスオンでロールオーバー)
天都山にある博物館網走監獄に立ち寄る。しばらく小雨模様になる。郷愁を誘う建物と展示物。修学旅行のような団体生徒も含め、見学者が途切れない。
博物館網走監獄 ジオラマ仕様の映画
脱獄したくなる鉄格子
天都山を下ると、広大な景色の中にクルマが遠く消え入りそうな直線道路が延びる。頂を雲に隠した斜里岳を望見する。のびやかな丘陵の中に整然と並ぶ防風林が景色を引き立てる。
網走から斜里・清里へ続く展望の道
写真を撮ろうとして、デジカメ一台の電池残量がなくなる。電源はCR-V2リチウム電池。予備を持たなかったのは失敗。旅先の小さな街では調達できない。間に合わせに買ったNi-MH単三型充電池で代用する。
日暮れ前に宿泊地に到着。チェックインを済ませて日没までに、雨に遭ったクルマの汚れを拭き洗いする。それから、大浴場の天然温泉(ナトリウム塩化物泉)とサウナで汗を流し、レストランが閉店する前に遅めの夕食。
夕食 この宿舎はレストランメニューで選ぶ
この日の行程:オド32,924km トリップ534.4km
この日の旅費:層雲峡・網走で土産¥5,544、昼食¥1,220、網走監獄博物館¥2,100、充電池エネループ¥2,980、きよさと温泉ホテル緑清荘(泊)¥15,740
8時55分〜17時05分
知床博物館に寄る。そう広くないスペースに知床の豊富な展示物が満載。キタキツネに寄生するエキノコックスの標本も顕微鏡で見られる。
知床博物館
この近く、人里はなれた海辺に沿って以久科原生花園がある。原野の中に、はまなすとエゾスカシユリの花が見頃。オホーツクの海の静かに波寄せる浜辺が、どことなく物憂い雰囲気。
ひっそりと咲く以久科原生花園
(マウスオンでロールオーバー)
知床半島の海岸沿いを快調に走る。オシンコシンの滝は、国道を北上するとトンネルの手前に幅広い滝の姿が見える(国道を南下してトンネルを抜けると見落とすかも…)。瀑布が涼しい。売店に妻が土産のお目当てにしていたチョコレートを見つける。
オシンコシンの滝 交通至便な観光の定番
海岸から少し離れて上り道。沿道は白樺と笹の森。“除草”作業車が路側に茂る笹をバリカンのように刈り取っている。カムイワッカまで通行可の道路情報を見つけたので、予定に無かったが行ってみる。
以下、知床“地の果て”紀行
カムイワッカ湯の滝へ向かう林道は土埃が盛大に舞い上がる地道。道幅は1.5車線以上と余裕がある。砂利を敷いた簡易舗装の路面で、スピードは出せないが走り易い。土埃を避け先行するワゴン車と距離を置いていたが、停車していたところに追いつく。見るとキタキツネ一匹に餌付けしている様子。軽くホーンを鳴らしてキタキツネを追い払い、そのままワゴン車を追い抜く。
知床五湖の分岐から10km30分ほどで滝に到着。駐車スペースは数台分あるが、三々五々到着するクルマの出入でほぼ満車。立派な案内表示板と簡易トイレと、温泉地らしく着替え場も設えてあった。滑滝の平坦な岩肌の上を素足で歩く。足元を流れる硫黄泉のぬるい湯が心地よい。妻は沢登りなど経験なく、草鞋も何も用意していないので、最初の滝壺までで引き返す。ワイルドな体験に妻は満足気。
カムイワッカ湯の滝 最果ての観光地
滑滝を流れる温泉 素足が心地よい
(マウスオンでロールオーバー)
帰りの林道で再びキタキツネと遭遇。こちらを見るなりクルマ正面に向かってゆっくり走り寄ってくる。それも視界の死角に入る至近距離まで。まるで当たり屋だ。小動物の飛び出しは躊躇せず…と心に決めているが、動体予測ではねる間際は、さすがに緊張した。ショックも何も無く走り過ぎると、バックミラーにキタキツネの物欲しげな姿が…。もう一匹キタキツネが現れたが、それは近寄る気配がなかった。野生種を危険な目に遭わせているのは、人の所業かも。
以上、すっかり土埃にまみれて文明の地へ(?)舞い戻る。
知床五湖駐車場
土埃まみれのクルマが知床地の果て観光の証(!?)
観光客で賑わう知床五湖の駐車場へ。昼食は売店でコロッケとポテト。羅臼岳の頂は夏湧く雲の中。数多くの観光客に交じり、湖の展望台までよく整備された高架の木道を歩く。熊除けの電線が木道に張り巡らせてある。木道から見下ろすと、笹の中で何やらうごめく動物が。姿を現したのはヒグマでなくエゾシカ。
知床半島の山麓に広がる湖
知床五湖 熊除けの遊歩道
往路を引き返し、川湯温泉へ向かう。陽が西に傾く。途中、道の駅パパスランドさっつるで休憩。広い駐車場と温泉施設がある。長旅を車中で寝泊りするかのような、キャンプ用品満載のクルマが停まっている。
野上峠下りで後方から自動二輪の高い排気音。指示器を出してクルマを少し左に寄せ、ツアーの一群を追い抜かせると、律儀なライダーか追い越し際に左手で会釈して一気に走り去っていく。
川湯温泉の給油所にコイン洗車があったので、クルマに厚く積もった土埃(と、虫の残骸)を全部洗い流す。300円で5分洗浄。エンジンルーム内には、心配したほど土埃はなかった。エアクリーナーのチェックは省略。給油満タン48リットル。道内走行ここまで714km、燃費は14.8Km。
川湯温泉の宿泊地にチェックイン。掛け流しの温泉とサウナ。裏庭風の露天風呂は古びた造りだが、樋を渡して源泉を引き込む(温めの)温泉に湯の花が漂う。
長旅では必須のコインランドリー
冷房設備はないが、この時期はまだ窓を開けているだけで涼しい。夕食メニューの注文は少し贅沢してみた。2組だけ食堂とは別の広間で配膳。ご年配のお隣さん御一行は会食の間賑やかだった。
夕食 ちょっと贅沢なカニの食べ較べメニュー
この日の行程:川湯温泉給油時(オド33,104km)トリップ714.3km(リセット) オド33,106km トリップ001.2km
この日の旅費:知床博物館¥600、知床五湖駐車場¥410、昼食¥500、知床で土産¥1,110、給油ホクレン川湯¥6,720、コイン洗車¥300、川湯温泉KKRかわゆ(泊)¥22,960
8時45分〜17時05分
硫黄山は川湯温泉のすぐ近く、森の中の道を進むと眼前に現れる。朝早く、観光客も駐車場のクルマはまばら。硫黄で黄色く染まった噴気孔から勢いよく蒸気を上げている。柵があって間際には近づけない。露天で温泉卵を売っている。駐車場レストハウスでモーニング・コーヒー、ここでもメロン。
川湯から硫黄山へ続く道
第三展望台駐車場から硫黄山・川湯
摩周湖
右奥の湖面に、這うように薄雲が棚引く
摩周湖の第三展望台へ向かう。駐車場はあまり広くないが、展望は抜群。空より青く澄んだ摩周湖の湖面に白い夏雲が映える。すこし離れた第一展望台にも寄る。硫黄山駐車場の駐車券で摩周湖駐車場も共通利用できる。レストハウスもあり大勢の観光客で賑わっている。店の人の話では、昨日まで霧で景色が見られなかったとか。
澄み渡る湖面に映える夏雲
摩周湖展望台の方位盤
摩周湖 第一展望台から
少し回り道になるが、屈斜路湖の砂湯に寄る。湖水は平温だが湖畔の浜辺を少し掘るだけで、熱い地下水が湧き出る。
屈斜路湖 真夏の日差しが照りつける
砂湯
(マウスオンでロールオーバー)
阿寒湖へ向かう途中でも自衛隊の兵員輸送車(?)とよくすれ違う。双岳台は周りを雲に閉ざされ展望なし。双湖台から眼下にパンケトーの湖面が覗く。
双湖台
(マウスオンでロールオーバー)
阿寒湖で休憩、昼食。観光案内所でクルマを停めて聞くと、ご当地名産のわかさぎ天丼を勧められた。地元の食堂らしく、安くて美味しく満足。
阿寒湖の昼食 わかさぎ天丼
アイヌコタンを含めて観光地付近を散策する。妻が旅先から息子たちに葉書を出す。地元郵便局の消印が記念になるのだそうな。
アイヌコタン
巨大なフクロウが睥睨する
阿寒湖を発って、釧路支庁から十勝支庁の国境を越えた国道241号線の長い直線区間でエゾシカに出遭った。
以下、エゾシカ特攻隊
100メートル以上遠方の道路の右端に動物の小さな姿を見つける。その動静を注視し減速して近づくと、2頭のエゾシカだった。道路向かいの左にも別のエゾシカ1頭が木陰から姿を見せ…たと、構えてすれ違う間際に、右の1頭が跳ねるようにいきなりクルマの前を横切った。プレリュードの低いボンネットの死角でも、鹿の胴下半分が見えない。エゾシカの飛び出しを想定して十分減速していたが、これには驚き。ほとんど衝突寸前だ。
さらに走り抜けた1頭の後を追うように、右からもう1頭が駆け出し、クルマの前に出ようとしている。その駆け足に合わせて、じんわりとアクセルを踏み込む。クルマの真横をエゾシカが決死の形相で並走する。クルマが走り抜けるまでやり過ごすという知性はないようだ…(とは人様の傲慢。エゾシカは連れて動く習い。“クルマ停めろやー”と、声にならない文句が聞こえてきそうだ…)。
以上、際どくエゾシカを退けてドライブ続行。
予定は前に泊まった雌阿寒温泉とオンネトーへの寄り道だったが、時間にあまり余裕が無いので省略。
足寄の道の駅あしょろ銀河ホール21で休憩、コーヒータイム。松山千春はご当地出身のスターとか。歌の流れる記念碑がある。特産らわんぶきのポスターにも出ている。
足寄から旅立ち
残りはわずかなので道東道でなく国道を走り、十勝川温泉の宿泊地へ。
チェックインを済ませて、一日分のクルマの汚れを拭き洗い。ご当地特有のモール温泉とサウナ、露天風呂。琥珀色の湯が太古の面影。夜半は深い霧に包まれる。
夕食 頃合いをみて次々と出てきます
この日の行程:オド33,332km トリップ227.7km
この日の旅費:摩周湖駐車場¥410、摩周・阿寒・十勝で土産¥3,440+6,300、昼食¥2,505、十勝川温泉かんぽ十勝川(泊)¥21,000
8時36分〜17時15分
出発してすぐ近くの十勝ガ丘展望台、まだ誰もいない。遠く日高山脈まで見渡せる雄大な十勝平野のはずだが、霞んでいる。あまり広くない駐車場でこの時刻まさかとは思っていたが、観光バスが1台やってきた。入れ替わり出発する。
十勝展望台
道東道の音更帯広ICから十勝清水ICまで。途中、十勝川平原SAで休憩。
エリア内の木立には色とりどりな小鳥の巣箱が数多く掛けてある。説明が掲示されていて、地元の小学校とNPOバードハウスと道路公団が協力して設けているのだとか。巣箱を利用するのは小鳥だけとは限らないらしい。巣穴の上が荒く削って拡げられ、使われた痕跡を示すものもいくつかあった。
展望広場に木馬のカメラ台。大気が澄み渡れば日高山脈を望む十勝平野の雄大な景色が楽しめるのだろうが、目の前は霞で今ひとつ…。
小鳥の巣箱
展望広場
掲示を見ると、道内の高速道路の給油所は3箇所とか。旅行計画で燃費と走行距離を勘案し給油ポイントを想定しているので、前回のように早めの給油でなく、目一杯トリップメーターを回して行く。
高速道路の給油所
雲行きが怪しく、十勝清水ICを出る前から大雨になった。
日勝峠のトンネルを抜けて、天気は持ち直す。そこからの長い下りは大型貨物車の隊列に混じって、追い越しできない道のりが続く。道の駅樹海ロード日高まで休みなし。昼食時になってもあまり空腹感がないので、道の駅の売店で蒸しさつまいもを1パックを買って小腹を満たす。
予定では夕張まで(メロンを食べに行く)山越え谷越えのコースだったが、その先の道央道千歳恵庭JCTから苫小牧東ICまで事故通行止めの交通情報。予定変更、沙流川に沿って(海に向かって)国道237号線を下る。こちらは交通量が少ない上、見通しの良い区間が多く走りやすい。
富川から日高自動車道に入る。無料区間を走って、そのまま道央道に続くと楽なのだが、妻が喫茶店休憩をリクエストしたので苫小牧に寄る。臨港地区に入るとそこは物流の拠点らしく、貨物車で道路が一杯。前後左右大型車に囲まれて、ストレスが溜まる。
市街地に入り、駐車のできるケーキ店を警察署の横に見つける。ケーキを注文すればコーヒー無料でイート・インできる。ハスカップのゼリーと合わせてケーキを頂く。
苫小牧のケーキ店
道央道に入らず、どんよりした曇り空の下、波静かな海辺の国道をのんびり行く。
登別温泉の裏手の、透明度が道内随一という火口湖(倶多楽湖)に立ち寄る。静かな湖畔の駐車場にレストハウスが1軒ある。まだシーズンオフなのか、開業していない。今は曇天で景色も霞んで冴えないが、さざ波寄せる岸部に降り立って見ると、確かに澄んだ湖水がわかる。晴天の下でボートを漕ぎ出し、湖底を覗いてみたい。
倶多楽湖
大湯沼は登別温泉の地獄谷からみてひとつ山の裏手にある。道が細く観光バス(と大勢の観光客)はやって来ない。
登別温泉の大湯
駐車場から少し歩くが、大湯沼から流れ出た温泉の川に天然の足湯が設けられている。心地よさ無類、これは穴場だ。大湯沼の駐車場の駐車券で地獄谷の駐車場が共通利用できる。
芯まで温まる天然の足湯
(マウスオンでロールオーバー)
登別温泉の源泉
登別温泉の地獄谷
地獄谷に寄ってみる。16時40分を過ぎてなお多くの観光客で賑わっている。木道を観光めぐりした後、道内最後の宿泊地カルルス温泉に向かう。
登別温泉の喧騒とは別世界の保養地のようで落ち着ける。掛け流しの温泉(単純泉)と露天風呂がいい。
夕食 客間で配膳
この日の行程:オド33,608㎞ トリップ503.7㎞
この日の旅費:音更帯広IC〜十勝清水IC¥400、昼食¥1,090、苫小牧で土産¥2,420、登別温泉駐車場¥410、カルルス温泉湯元オロフレ荘(泊)¥20,000
8時50分〜18時30分
出発前にクルマの拭き洗い。
曇りがちの天気で、展望を期待したオロフレ峠は雲の中、寄り道せず洞爺湖へ向けて下る。湖畔に出て雲間に昭和新山がわずかに見えたので寄り道するが、駐車場に入った後は霧が晴れずどこが山だかわからない。妻がガラス細工の土産物店でお買い物。
ガラス細工の土産物店
湖畔の公園に入りそびれたので、道の駅とうや湖で休憩。展望台からの景色は霞んでいまひとつ。
道の駅とうや湖の展望台
留寿都を過ぎると頂を雲に隠した羊蹄山が見える。羊蹄山を写真に撮ったところでデジカメの充電池の残量がなくなる(撮影累計は75枚)。
頂が見え隠れする羊蹄山
雲に覆われて、全容見えず仕舞い
ニセコに近いレストランで早めの昼食。
手作りソーセージのお店
予定はニセコの山越えコースだったが、山頂は雲に覆われていたので山麓の国道を回る。倶知安に大型家電量販店があったので(さすが後志支庁所在地)、買いそびれたリチウム電池を調達する。
岩内に近い国道と道道の分岐で、神仙沼17kmの標識が誘う。まだ時間に余裕があったので、ここまで遠回りしたがさらに寄り道する。立派な山岳観光道路風の道を上っていくとレストハウスのある広い駐車場に着く。入口で公園の管理料一人100円を料金箱に収め、木道を歩いて笹と潅木が茂る藪の中に分け入ると、やがて景色が開け湿原に出る。道すがら同行したカメラマンに二人の記念写真を撮ってもらう。
神仙沼
神仙沼の湿原
(マウスオンでロールオーバー)
岩内を目指し往路を下る。ある一箇所の曲がり道は赤く滑り止め塗装している。ゆっくり旋回しても、逆バンクの感触。
ニセコから岩内へ下る道
辺鄙な積丹半島を一周する前に、岩内で給油する。給油満タン44リットル、トリップ663.9kmで燃費は15.0Km。目標達成。ただ、前のクルマでは北海道で驚異的に燃費が(12.5㎞→16.7㎞)伸びたので、期待に少し及ばない。排気量(1.8L→2.2L)と車重(0.975ton→1.27ton)の差が影響したのかも。
西日が明るく青い海を照らす海岸沿いの国道を快調に走る。このあたりはまだ交通量が少ない。窓岩のある海岸線の風光明媚な景色にクルマを停めて眺めいる。
積丹半島 窓岩
(マウスオンでロールオーバー)
往路のフェリーから見た積丹半島の突端、神威岬に寄る。16時と観光にはやや遅い時間帯だが、辺鄙な広い駐車場に三々五々クルマがやってくる。遊歩道を散策。途中、土砂崩れで通行止め。水平線が円く見えるという神威岬の端まで行けないのが心残り。
積丹半島 神威岬
積丹半島 神威岬
遊歩道は土砂崩れで通行止め
美国から先は交通量が増えてくる。旧道の岬付近のトンネルが塞がれて、新しく拡幅された道路と大きなトンネルに整備されている。豊浜トンネルの防災広場に立ち寄り、慰霊碑の前で手を合わせる。
豊浜トンネルの慰霊碑
ろうそく岩
間近に見るには旧道から、ただし通行止め
道の駅スペースアップルよいちで休憩。売店は18時で店仕舞いするところ。2時間到着が早ければ宇宙船の資料館が見学できた。旅行計画に含めれば、急がずとも、案外早く到着できたかも…
道の駅スペースアップルよいち
日没前に小樽に到着。商店街で妻の衣料品の買出しをした後、初日の夜見掛けた洒落たワインレストランで夕食。道内周遊を無事終えてワインで祝杯したいが、ハスカップのワインを注文した妻だけ上機嫌に酔う。
小樽のワインレストラン
20時15分小樽港フェリー乗場に到着。待合室にフェリーの模型が展示されている。広報冊子の図ではよくわからなかった(1軸)二重反転スクリューの造形が興味深い。これで国内最速30ノットでフェリーが巡航する。
小樽港フェリーターミナル
22時45分フェリーはまなす(2004年就航)に乗船開始。23時30分小樽港を出港。復路の客室は右舷窓側の洋室。船首に近く機関部の振動はあまり伝わってこない。すぐ寝る。
この日の行程:岩内給油時(オド33,768㎞)トリップ663.9㎞(リセット) オド33,893㎞ トリップ124.6㎞
この日の旅費:昭和新山駐車場¥410、洞爺湖・小樽港で土産¥1,080+2,100、昼食・夕食¥6,640、リチウム電池¥850、神仙沼・神威岬¥300、給油三井石油岩内¥6,201、小樽駐車場¥300
翌朝、目が覚めるまで寝る。二度寝してドライブ旅行の疲れを癒す。それから浴室の蒸気サウナで汗を流す。朝食は持ち込みの土産菓子、昼食は(大盛りの)インスタントの焼きそば弁当を二人で分ける。
余興のビンゴゲームに参加。今回は外れ。妻は胡弓の演奏会があったので一人聴きにいく。その間ひたすら昼寝。
コンファレンスルームでビデオ映画の上映。第2部の洋画「True Grit」を見る。西部劇は普段あまり見ないが、面白かった。夕食はレストランメニュー。
往路(北行き)のフェリーあかしあ
21時07分〜23時55分
21時00分舞鶴港到着。乗用車から順に下船する。カーナビの自車位置はまだ小樽港周辺にあり、そのまま自宅を案内させると日本縦断コースを表示する。現在地を正確に表示するまで国道27号線を適当に走って、舞鶴西ICから高速道路に入る。西宮名塩SAで途中休憩して、自宅へ無事帰着。
高校生の息子は、長期の一人暮らしを無難に過ごしていた。一安心。翌日曜日は休息日、クルマを軽く洗車。ごくろうさま。
この日の行程:舞鶴港到着時 オド33,894㎞ トリップ125.7㎞ 自宅帰着時 オド34,075㎞ トリップ306.3㎞
この日の旅費:フェリーで朝食・昼食・夕食¥5,550、舞鶴西IC〜堺IC¥2,100 コインランドリー総計(旭岳・清里・川湯・十勝川)¥1,130
全行程1,872km、道内1,512km 旅行費計¥263,862