イタリアの観光名所 青の洞窟
定年退職後、再就職先に“盆休み”がありました。長期の休みが気兼ねなくとあって長旅三昧できます。これを見逃す訳にいきません。
やっちゃえ、海外旅行!
海外旅行は25年振り、新婚旅行のヨーロッパ一度きり。ドイツ、スイス、フランスと巡り、次はイタリアを…と思い描いていました。好機到来です。
息子二人はそれぞれ都合あって、妻と二人で旅行します。
旅行代理店の案内冊子をめくり、休日期間いっぱいに楽しめるプランを選び、早々にツアーの申込みをしました。
このツアーのイタリアへの国際線直行便は成田国際空港から出ます。自宅からは関西国際空港が至便なので、関空から成田までの国内線で乗継ぎます。
関空から出る成田行きの国内線は、乗継ぎに好適な便が少なく、自宅出発は未明になりました。夜明け前の空を見上げて、運よく流れ星(ペルセウス座流星群)を見ました。
旅の始まり 関空から成田へ
成田の出国審査は自動化ゲートを利用しました。パスポートと指紋の読み取りで、妻が苦戦しています。慣れない扱いに、操作が少しデリケートかも。
昼過ぎに飛び立って巡航高度に達すると、もう夕食の時間です。お楽しみの機内食はイタリアン、もうイタリアを旅する気分。
長旅の国際線、機内の過ごし方が少し気にかかりましたが、座席の液晶テレビで娯楽に浸りました。退屈せずにローマに到着、仮眠に使う首枕は無用でした。現地はまだ夕刻。
成田からローマへ
空港の入国審査では、日本人向けのゲートに導かれました。審査官とご対面、「Buon giorno(こんにちは)」。パスポートを読み取り装置にセットし、カメラに向いて顔認識。何事もなくパスポートにスタンプが押され、無事入国です。「Grazie(ありがとう)」
フィウミチーノ空港の入国審査
体内時計は“草木も眠る丑三つ時”ですが、宿泊先に向かう頃には日が暮れて、今から寝るにはちょうどいいくらいの気怠さ。
ここで旅の始めのヒヤリ・ハット
・腕時計を巻き戻して現地時刻にセットする。
・午前0時に針を進めて、日付・曜日の切替わりを確かめる。
・記憶のまま現在時刻を再セットする。
・日付と曜日をセットする。
・翌朝、集合出発時刻に遅れる。
時刻の再セットでミスに気づきませんでした。初っ端からツアーの皆様にご迷惑おかけしました。深く反省。
午前中はローマ市内の観光。
このツアーは添乗員さんと現地ガイドさんが同行します。行動計画は添乗員さんにお任せの気安さ、観光の見どころは現地ガイドさんが流暢な日本語で詳しく説明してくれます。イヤホン受信機の音声が途切れない距離を保てば、はぐれる危惧もありません。
待ち行列少ない早朝 サンピエトロ広場
寺院の入場口で手荷物検査があって、観光客が多くなると必然的に長い待ち行列となります。
旅行ガイドなどでも注意喚起されていますが、無防備な邦人観光客はスリや置き引きの被害に遭い易いとか。スリを生業とする者は、神聖な教会堂の中も“仕事場”だそうです。
サンピエトロ寺院 最初の観光地から圧倒される
壮麗な寺院の観光を楽しみ地下駐車場へ向かう道で、現地ガイドさんから“前触れなく”イヤホンに警告。
「そこ、ジプシーがいます!。スリに注意して!!」
地下道の階段出入口にたむろする女性たち、私の目には見分けつかない現地人です。私たち一行と目が合うと、彼女たちも軽く会釈して“仕事場”へ(?)向かっていきました。緊張の一瞬。スリの人たちは防犯カメラの死角まで熟知しているそうです。
バスで観光名所のベネチア広場をぐるり巡って、映画“ローマの休日”の「真実の口」も車窓からちょっと覗いて、トレビの泉へ向かいます。
威風堂々 ヴィットリーオ エマヌエーレ2世記念堂
バスを降り、ここどこ?みたいな狭い街路を抜けていくと、現地ガイドさんが早々異変に気づきます。
「・・・!?(泉の音が)聞こえない…」
大勢の観光客で賑わう広場に出ました。衆目が注視する中、トレビの泉は水を抜いて清掃中でした。残念。この間、硬貨を投げ入れるのはご法度だそうです。
待っても、いつ終わるとも知れず、次の観光名所コロッセオに向かいます。
コロッセオ
古代ローマ人の娯楽観覧場は、今もその威容で世界中の人を惹きつけています。入場待ちの長い列が遺跡を取り巻いていました。列に並ぶ余裕はないので、出口付近から中を覗き見て、次のスペイン広場に向かいます。
そこで集合場所と時刻を示し合わせて、しばし自由散策を楽しみます。ローマの現地ガイドさんとはここでお別れ。「Grazie(ありがとう)」
聖地巡礼 “ローマの休日”のスペイン広場
…とくれば、お約束のジェラート
地図を携行しても遠く訪ね歩くと迷子になりそうなので、スィーツで評判の近くのお店に直行します。どこも店構えは目立たないので、予め下調べするのが吉です。
イタリア旅行のお土産では“鉄板”と評判のチョコレートのお店にも寄ります。暑さが心配ですが、実際にチョコレートが融けかけたのは、帰国してからでした。
午後はナポリまで高速道路でバス移動。途中ドライバー交代と、トイレ休憩の土産店に寄りました。
車中、添乗員さんのイタリアの話題に耳を傾けます。歴史・地勢・風土から政治・風俗・習慣、エスニックジョークまで、バス移動中も観光案内の外にイタリアを知るよい機会になりました。
ナポリの港には、大型クルーズ客船が2隻停泊していました。その乗客と観光が重ならないか、少し気掛かり。
青の洞窟まで、すばやい団体行動が求められる一日です。
早朝から晴天のナポリ港、現地(邦人)ガイドさんと合流。カプリ港・青の洞窟まで渡船の手配に奔走してくれました。
ナポリ港からカプリ島へ渡る
カプリ島
青の洞窟は、順番待ちが長時間に及ぶ場合もあるので、カプリ島へ向かうフェリー内でトイレ用足しは必須です(念のため)。カプリ島が近づいて、トイレ前に長い待ち行列ができました。
フェリーが接岸してすぐ下船できるよう通路出口で待機し、港に着けば急ぎモーターボートに乗換え、青の洞窟へ向けて出港します。
ほぼ先陣を切り、波静かなカプリ島沿岸を疾走。青の洞窟、本日OKだそうです。
カプリ港から青の洞窟へ向かうボート
青の洞窟の前には先客のボートが順番待ちでした。まだ少ないようで、およそ30分待ちとか。
入口前で漂っている間に後から続々と、多くの観光客を乗せた大型ボートもやって来ます。これに越されていたらさらに1時間待ち(?)…と思う幸先でした。
青の洞窟の前で順番待ち
手漕ぎボートで身を伏せて入る
順番が回ってきて、手漕ぎボートに乗り換え。漕ぎ手の船頭さんを中心に、前後分かれてボートの底に仰向けに寝そべります。波に揺れますが、ボートの縁を掴むのは厳禁。
洞窟入口は、少しの波のうねりで塞がりそうなくらいに狭く、時に波しぶきが(容赦なく)降りかかり野趣満点。いよいよ洞窟進入。
暗闇に浮かぶ明かり 青の洞窟
暗闇の中、海の底から青い光が浮かび上がってきます。何とも幻想的な光景です。
寝そべった姿勢でボートに揺られながら、カメラの撮影モードを変えて、洞窟内をぐるり巡る2、3分のうちに、写真を何枚も撮ります。ISO超高感度でも手振れ防止でもない、12年前のコンパクト・デジタルカメラですが、雰囲気だけは写し撮れたようです。
カメラの腕前より、腹筋力(体幹の筋力・柔軟性)が試される撮影でした。
船頭さんにチップを渡し、モーターボートに乗り移り、満足至極で青の洞窟を後にします。
カプリ港に帰り着き、ケーブルカーで見晴しのいいカプリの中心街に上って昼食。
カプリ島の街並み 緑豊か
ソレント行きフェリーの乗船まで時間に余裕ができたので、カプリ港でしばし自由散策します。買い物ツアーさんのお目当ては、地元カプリウォッチでした。
ここで現地ガイドさんとお別れ。ソレント港からアマルフィへ、絶景のドライブ。断崖を縫うつづら折りの道を、ベンツの小型バスが快調に走ります。
眺望は右の座席から。ポジターノの街並みは、海岸高く急傾斜の山肌に建物がひしめき合う賑やかな景観。断崖に床を架けて拡げた道路は、眼下に海を望みスリリング。
断崖のつづら折り アマルフィ・ドライブ
ポジターノの街並み 遠くに入道雲
水平線の彼方に入道雲。ゆっくり迫ってきます。
欧州各地から観光に来る多くのクルマで、路上駐車が隙なく連なっています。途中、唯一(?)の空き駐車スペースがある展望台で休憩。フルーツの露店の搾りたてジュースが人気。
路上駐車が途切れる展望台
見た目も楽しいフルーツ(ジュース)の露店
アマルフィの近くで渋滞ぎみとなり、雨が降り出しました。海上は強風と雷雨。少し前から海上を遊覧するボートの群れが全速力で、港に向け帰っていきました。
大型バス同士の対向で、ドライブも一時交通マヒ状態でしたが、雨が上がる頃にようやくアマルフィに到着しました。
渋滞と雷雨を抜けてアマルフィの港
アマルフィのドゥオーモ(教会堂)
渋滞に遭って、アマルフィでの散策時間は長くありません。ドゥオーモ広場から延びる目抜き通りを遡って、外れの喫茶店で休憩。そのまま往路を引き返し、迎えのバスが待つ広場まで戻ります。
アマルフィの目抜き通り
妻の目を引く絵葉書のお店
帰路は山越えでショートカットします。丘陵地からの下り路、遠くベスビオ山の裾野に広がるポンペイの街並み。広々として夜景は綺麗かなと想像してみたり。
この日はナポリで連泊。テレビニュースは連日、ジェノバで14日発生した高速道路橋の崩落事故の模様を伝えていました。
雨上がりに霞むベスビオ山、ポンペイの街並み
午前は、ナポリからフィレンツェまで列車移動。ナポリ駅に着いて不思議だったのは、列車が何番ホームから出るのか前もってわからないこと。ホームの案内は定刻近くまでありません。発車時刻はわかっているので、待合の間、駅周辺を散策します。
イタリア旅行で始終不自由に感じたのがトイレでした。ここ乗降客の多いナポリ駅でも、トイレは駅の地階にある有料トイレだけ。料金を入れるまで入口ゲートが閉じています。
ナポリ駅の有料トイレ
ナポリからフィレンツェへ
イタリアの超特急列車(フレッチャロッサ)は、フランスのTGVに次いで速いらしい。新幹線に似た(揺れや振動が抑えられた)快適な乗り心地でした。車窓から高速に流れゆく景色。小雨の空模様も晴れてきました。
フィレンツェまで3時間のボックス座席、このツアーで同行する人と親しく会話を楽しむひと時となりました。
超特急列車 座席シートも速そう
フィレンツェのドゥオーモ、外壁一面に施された装飾が、一際目を引きます。
ドゥオーモの周りは既に入場待ちの長い列。並んでみましたが次のウフィッツイ美術館の予約時間までに間に合わないので、ドゥオーモの入場は断念。
フィレンツェのドゥオーモ
ウフィッツィ美術館も入場待ちの長い列。現地ガイドさんの解説つきで、数ある展示作品の見どころを押さえながら、約1時間で巡りました。
美術館ではふつう写真撮影が禁じられていますが、現下の政治的裁量により(フラッシュ撮影が禁じられている以外は)作品を自由に撮影することができます。
ウフィッツィ美術館 名画の撮影
展示室を巡る回廊 団体の整列には便利
観光名所のヴェッキオ橋が美術館の窓から望めます。
窓の景観も芸術作品風 アルノ川に架かる橋
館内の展示作品の中のお気に入り2点。ウルビーノのヴィーナス、ベッドに横たわる裸婦。後方で侍女が衣装ケースから服を探し出そうとしている様子が(?)面白い。ギリシア神話の怪物メドゥーサ、ペルセウスに退治されて血が滴る生首。宝石の眼に蛇の髪、見た者を石に変えてしまう魔力。ギリシア神話は子どもの頃からのお気に入りでした。
ウルビーノのヴィーナス
ギリシア神話の怪物メドゥーサ
ウフィッツィ美術館を見物した後は自由散策です。地図を片手に妻のご要望で「ダンテの家」へ立ち寄りました。13世紀のフィレンツェに生きたダンテの、小さな歴史資料館です。裏路地にあって、訪れる人も少なく閑散としています。
シニョーリア広場から遠く離れず街中を歩き回って、カフェのお店で休憩しました。本場のエスプレッソを賞味します。イタリアは挨拶の国。お店に入るときも、店員に挨拶します。「Buonasera(こんにちは)」カウンター立ち飲みに来た地元の(?)お客さん。ここフィレンツェの話し言葉が、イタリアの(地方訛りのない)標準語なのだそう。
ダンテの家 13世紀「神曲」の世のイタリア
本場のカフェ 立ち飲みとテーブル席は別料金
シニョーリア広場で集合待ち合わせの折、ツアー同行の人に外国人がカメラを手に話しかけてきました。
「no !、 no ! (だめ !)」
すかさず添乗員さんが間に入って遮ります。写真撮影を頼みかけた様ですが、しっかり断って退けてくれました。イタリアの観光地で、(特に日本の)旅行者に、何かに託け、話しかけてくる外国人は窃盗(スリ)が目的(…と覚え、一切応対しないのがいい…)です。
ミケランジェロ広場
この日の最後は、ミケランジェロ広場からのフィレンツェ市街の眺め。添乗員さんに記念写真を撮ってもらいました。
午前はベネチアまでバスで移動。田園風景を眺め、走りゆくクルマを観察します。本邦では少数派の欧州のクルマが、ここでは見慣れた日常風景。ベンツやポルシェやBMWといった高級車も多数見かけます。そして日本車は希少。フェラーリなどイタリアを代表するクルマもまた、希少でした。
フィレンツェからベネチアへ
長い橋を渡ってムラーノ島ベネチアに到着し、そこでフェリーに乗り換えます。島の中はクルマが走れないので、運河を往来する船が唯一の交通手段です。
ベネチアの交通手段は船一択
サン・マルコ時計塔
フェリーの窓から、よく晴れ渡った空に映える碧い海と、そこに浮かぶように建ち並ぶベネチアの街の眺めに見入りました。
サン・マルコ広場 サン・マルコ寺院
サン・マルコ広場を過ぎて、狭い街路に入り込み迷子にならないようについていくと、リストランテ。この日のお昼はイカ墨パスタ。即製“お歯黒”で黙々食事(?)
リストランテ
サン・マルコ広場に水たまりが広がっています。満潮時刻になると、海面より低いサンマルコ広場が浸水するのだそうです。なるほど、マンホールの孔からこんこんと湧き出ています。
満潮時刻 広場のマンホールから海水が湧き出る
現地ガイドさんと合流し、サン・マルコ寺院へ。ここはナップザック持込み・写真撮影が禁止で、ドレスコード(肌の露出制限)もあります。
特徴的な建築様式の外観以上に装飾意匠を凝らした寺院の堂内、さすが世界遺産という風情に目を見張りました。記念に写真が撮れなくて残念。
満ち潮広がるサン・マルコ広場
ドゥカーレ宮殿裏のため息の橋
次に向かうのはドゥカーレ宮殿。入口階段の豪奢な天井壁画から圧倒されます。まるで天上に昇るかのよう。
ドゥカーレ宮殿 入口から美麗
体育館のような大広間も天井壁画で埋め尽くされています。向こう際の端から全周囲を写真に収めようにも、レンズの画角が足りません。それと、窓からの明かりだけで写真を撮るには少し薄暗く、(超)高感度と手振れ防止の機能も欲しくなります。
ドゥカーレ宮殿 黄金に輝く天井壁画
ベネチアは歴史的なグラス工芸でも世界に名を馳せています。
旅行ツアーでは工房に案内され、その場で職人さんが実演して見せます。水差し(ピッチャー)が手早く作り上げられていく様子は、実に手慣れたものです。職人も今では数が減って、その分ベネチアングラスの製作・供給も少なくなっているとか。ベネチアの土産物店に並ぶグラス工芸品の9割(!?)はベネチアングラスではないそう。
ベネチアングラスは硬質です。工房の支配人が流暢な日本語で講釈がてら、手にしたコップを“無造作に”テーブルのガラス板の上に“ゴチン!と”落とし、キズひとつないことを示します。
庶民には高嶺の花ですが、旅の記念に、そのコップをお土産にしました。
ベネチアングラスの工房
ベネチアングラスの講釈
ベネチアで物見遊山なら、ゴンドラ遊覧は外せません。本邦もかつて物流の要に舟運があったことを思い起こすと、今に残るゴンドラが、ベネチアの街の特質とその魅力をよく伝えているのがわかります。
ゴンドラの船着き場
ゴンドラ遊覧
夕陽が運河の彼方に沈む頃、フェリーでベネチアを後にしました。
今ではスマホ、ケータイで海外旅行中も電話できる時代ですが、私と妻のケータイは旧モデルで、国際電話サービスが今年初めに終了しました。なので、自宅に帰省・留守居の息子に電話できません。嬉しいことに、添乗員さんが宿泊先のホテルの部屋から国際電話できるよう、フロントに掛け合ってくれました。料金は別途清算ですが、概して高くかかりませんでした。
イタリア最後の観光はミラノです。先の戦争に遭って再建された街並みは整然としています。
原発ゼロのイタリアではフランスから電気を買っているとか。電気代は高くても、近年の環境問題で再評価され、都市交通で導入の動きがある路面電車とトロリーバスを走らせています。スローな動きが、どことなく懐かしい。
ミラノの路面電車の軌道敷
線路の横断歩道から、草生す軌道敷、遠く路面電車を眺める景色。のどかです。
ニ連結のトロリー・バス
現地ガイドさんと合流して、ミラノのドゥオーモに向かいます。途中、スフォルツェス城の噴水が涼しげ。歴史的なアーケード(ガレリア)を通り抜けると、ドゥオーモが姿を見せます。林立する尖塔の繊細な建築様式に見とれます。尖塔の天辺には、黄金に輝く聖母マリア像。教会堂内に同じものがあって、その大きさに改めて驚かされます。
左先にガレリア、右先にドゥオーモ
ミラノのドゥオーモ
教会堂の中は広大で、巨大な大理石の柱が列を成して、天井高く聳えています。
教会堂内 巨大な柱の列
壁には聖書を題材にしたステンドグラスが多数配置されていて、そのいくつかを現地ガイドさんが解説してくれました。信仰でなくても聖書の物語に親しんでいると、教会堂を観光する目も変わってきそうです。
ステンドグラス 聖書の絵説き話
ドゥオーモの後は、集合場所と時間を示し合わせて、自由散策します。
ガレリアの中央ドームの広場では、モザイクで床に埋め込まれたトリノの紋章の周りを観光客が取り巻いています。ここで、お約束のおまじない、“かかとでくるっと一回転”します。
ヴィットリーオ エマヌエーレ2世ガレリア
ガレリアの中央 床にモザイクの紋章
特に目的もなくドゥオーモ周辺を歩き回り、くたびれて集合場所のガレリアに戻ってきました。最後に中央広場沿いの評判のお店で、ツアーお仲間とご一緒に、喫茶休憩しました。
観光地巡りは滞りなく終了、ミラノ・マルペンサ空港近くのホテルに向かいます。
出国は午後ですが、早めに着いて搭乗手続きを済ませます。
搭乗手続きカウンターに並び周りを見ると、帰国の途につく人たちの手荷物は土産物でいっぱいです。舶来の高級品は、(機会があれば)彼の地で買いつけたいものです。
目を引いたのが、カートに載せられた大きな段ボール箱。ロードバイクではお馴染みのロゴが記されています。ジロ・デ・イタリア(欧州3大自転車レースのひとつ)所縁の、それも庶民には高嶺の花の、買い物ツアーのようです。
必要十分にと外貨交換した所持金も残り少なくなり、空港での買い物が最後です。ジェラートの食べ納めと、チョコレートのお土産も少し追加しました。空港の搭乗口前に寄付金箱があるので、端数の小銭は全部入れて、きれいさっぱりと帰国します。
出国ゲートまで通路越しに、この長旅でお世話いただいたバスの運転手さんが見送ってくれました。「Grazie(ありがとう)」
マルペンサ空港 搭乗手続き待ち
ミラノから成田へ 出発1時間遅延
搭乗するときはよく晴れていた天気も、離陸間際に雨となり、1時間遅れの出発となりました。
12時間のフライト中、退屈しのぎに映画(洋画)を続け様に見ました。ディズニー・アニメは表現豊かな演出で、吹き替えなしでも話の筋がわかり、結構楽しめます。それ以外(の実写版)は、吹き替えがあるものだけ。ふだん見ないジャンルの映画でも、面白いものです。徹夜で見続け、結局寝ませんでした。
1時間遅れで成田空港に到着。
機内出口でアテンダントにお別れのご挨拶「Arrivederci(さようなら)」。
入国審査と税関申告を済ませ、手荷物受取りの場所で、最後の待ち合わせと解散です。
国内線の乗り継ぎまで、あと1時間。Alitalia航空カウンターで遅延証明を発行してもらいましたが、予定の便に乗り遅れると代わりの手続きが面倒です。
まだ間に合うなら…と、添乗員さんに旅の御礼をし、ツアーの皆さんと別れて乗継先に急ぎました。
乗継ぎセーフ 成田空港
旅の終わり 成田から関空へ
第1と第3のターミナル間は往路と同じバス移動です。バス待ちもあって、乗継の搭乗手続きカウンターに着いたのは、出発予定時刻でした。残念、乗り遅れか…とフライトの運行案内をみると、乗継便も1時間余り遅延です。運よく乗り継ぐことができました。
残りのフライトも眼下の景色を楽しみながら、関空に夕刻、無事帰着。
とても思い出深く、楽しい旅ができました。