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北門の玄関  樺太大泊町

大泊町の概要

 当町は亜庭湾の奥、樺太の表玄関となる海港都市であります。内地より樺太へ渡る航路は数ありますが、宗谷本線にて北海道最北の稚内に及び、就航する船の重厚さ、設備の信頼感において鉄道省の稚泊連絡船にかなうものはありません。また、大泊港では庁鉄の東海岸線に新桟橋より乗車し、樺太の首都たる豊原までの交通も至便であります。
 現在の人口はおよそ3万200、ロシア領時代は一漁村に過ぎませんでしたが、豊原に次ぐ島内第二の都市でもあります。
 中央の丘陵により南北に自然に区画がなされ、丘上の神楽ヶ岡公園からは市街および港湾を俯瞰することができます。北部楠渓町一帯は官公署を中心として住宅が広がり、南側の栄町や本町一帯には商業地帯が展開、さらに南側は船見町が延び漁業に携わる住民や、樺太の玄関口らしく海運関係の業者、旅館などが軒を連ねています。
 樺太庁大泊支庁の所在地として庁立病院や諸学校、豊原区裁判所出張所などの諸官庁が、樺太拓殖を進める住民を支えています。産業面では王子製紙大泊工場(旧三井樺太紙料工場)や樺太寒天株式会社などの工業、樺太共同漁業会社をはじめとする漁業が本町経済を牽引し、北海道拓殖銀行大泊支店が設置され、大事業への資金の融通をおこなっています。       
 また、露領時代を偲ぶものとして露国砲台跡や音楽堂跡など好個のものが多くあります。樺太観光にお出での際には、当町は樺太南部周遊の拠点として快適なる滞在を約束するものであります。

大泊市街