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駅にあった路線図。左端が空港駅で、そこから(中央駅を通らずに)南駅を経由してUtrecht、次の停車駅が目的地です。 | ICは特急扱いですが、座席指定ができません。9時から10時に入場する枠で展覧会の前売り券を買っているので定刻なら0850着のIC3525に乗りたいのです。他の列車が遅れていたため、入線が1番線か2番線かがなかなか決まりませんでした。 |
車窓から。今回の旅は行き先の天気予報が軒並み雨でした。この日も雲が低く垂れ込め、太陽の気配がありません。 | 駅を降りると小雨。美術館まで歩けなくもないけれど、0900発の送迎busがあると事前に事務局から聞いていました(前売り券を買ってから、何度もE-mailで情報をもらっています)。Taxi standの前方から乗れと言われていて、それらしい小型busを見つけたところです。 |
het noordbrabants museum(北ブラバント美術館)の前です。内部は撮影禁止なので、外に出てから外観を撮りました。右の黒い建物が受付になっていて、ここで前売り券をチェックされます。 | iPhoneに誘導されてSint Janskathedraal(聖ヤン大聖堂)を目指します。美術館から5分も掛かりません。大聖堂を見た後、道路の先に見えるcafeで昼食にしました。このときは日差しがあって、快適な散歩になりそうだと期待していたのですが...。 |
1370年から1529年にかけて建てられたそうなのでBoschの時代と重なります。北ブラバンド州の州都とあって、立派な建物です。 堂内の聖者の中に一人だけが携帯電話を持っていて、それには天国につながるボタンが一つだけあるという事前情報がありましたが、探し当てることはできませんでした。あまり、探す気もなかったし。 |
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Cafeで昼食。オランダ名物のkroket(コロッケ)ですが広角で撮ったので小さく見えています。食事を始めた頃、雷鳴がとどろき猛烈な豪雨になりました。雨宿りの客で、店内は一挙に満席に。 | 雨が一休みしたのでcafeを出て、Boschの像があるMarkt広場を目指します。途中からまた雨になり、強風で傘の凹凸が反転する事態に。そんななかで、どうにか撮影したのがタイトルの画像です。 |
広場の脇にはVVV(観光案内所)がありましたが、もはや市内の散歩は絶望的。駅に向かって歩いています。Dommel川にさしかかりました。 | 駅に到着。傘を差している人、強風で差すのを諦めて歩く人、様々です。 駅の時計は1305を指しています。1309発のICがあったはず。 |
目的のICは4bに着くとわかり、platformへ。 うっかり切符のvalidateを忘れたのに気づき、上の階にとって返しました。自動販売機で買った使い捨ての往復切符ですが、IC chipが内蔵されていて、入場を記録しないといけません。日本のような関門はないので、そのまま通り過ぎても気づかないのです。 |
Platformに戻ったら、電車が遅れているようです。1309発の空港行きの後ろには、"rijdt niet"の表示。これは、前にRotterdamに行ったときにも見た記憶がある、確か"乗れません"だ! 次のIC(1339発)にも同じ表示があり、どうやら事故があった模様。また上の階に戻り、乗り継ぎ情報を求めてInformation窓口の行列に加わります。 |
結局、こことUtrechtの間が不通になっているとわかりました。NijmegenまでIC3646で行けば、そこから空港行きのIC3150に乗り継げると教わります。どのくらいの回り道だったかは、右のGPS logをご覧下さい。赤い線が大きく東に迂回して、Utrechtから元の経路に戻っています。 青い線は朝の経路で、Utrechtを過ぎてから気づいてGPSをonにしたものです。 |
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迂回ですむほど、私の旅はこれまでも単純ではありませんでした。この日は、IC3150がAmsterdam Bijlmer ArenA駅で運転打ち切りとなり、ここからは各駅停車のSprinterに乗り換えろとannounceがありました。 結局、素直にICに乗れていたら1412空港駅着のはずだったのに、実態は1615着という結果に。 天候の具合を見てUtrechtで途中下車し、Ninjtje museumに行く案も持っていましたが、それどころではありませんでした。 もっとも、後から冷静に考えてみると、旅の計画を立て始めた頃には11時入館辺りを狙おうと考えていたのでした。予約するのが遅れるうちに、気づいたら朝一番の枠しか残っていなかったのでしたが、もしも11時枠を取っていたとしたら、定刻に現地に到達することさえできなかったかも知れません。帰路で手間取ったことくらいで文句を言ってはいけない気がしてきました。 |
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さて、肝心の展覧会はどうだったか? 巡礼を締めくくるのにふさわしいすばらしいものでした。入場時間枠は規定されていますが、入ってしまえば(極論すれば閉館時刻まで残っていてもいいので)、時間を気にせずにゆっくり観賞できました。人混みに遮られて作品が見えないときがあっても、後からその場所に戻ってくると人の波が引いていることが多く、何度も会場内を往復しました。 英語の音声ガイドを予約していたおかげで、必要十分な説明と見やすい照明が相まって理解がさらに進みました。これまでの巡礼で訪ねた作品もたくさん来ていましたが、現地で見るよりも照明の具合がよくて、細部がしっかり確認できた例がたくさんありました。 三連祭壇画は開いた状態でアクリルのケース内に展示され、後ろに回れば扉絵も見えるように工夫されていました。これは、現地に行ってもなかなか叶わないことで、主催者の熱意を感じたところです。 一方で、あれこれ都合をつけて現地に出かけて見るのと、こうして一箇所に集められたのを見るのとでは作品から受ける印象も相当違うとも感じました。旅の苦労が加算されると言うよりも、現地の空気の違いではないかと思っています。いくつかの作品の前で、それらが本来展示されている美術館を訪問した際の大変さを思い出すことも多く、なかなか足が先に進みませんでした。 特に印象的だったのは、これまで巡礼の機会のなかったVeneziaからの展示で、これまで画集で見ていた作品と比べて、実に立派に修復されているのがわかりました。館内では修復過程を説明するvideoが上映されてもいて、修復に力が入っているのがよくわかりました。 もう一つ嬉しかったのは、建物が老朽化していて立入禁止のため、巡礼を諦めていたSaint-Germain-en-Layeの「いかさま師」が来ていたこと。真作ではないようですが、きれいな照明のおかげで細部までしっかり見ることができました。 追記: 5月8日の最終日までの入場者数は421,700人と主催者から発表されました。この後、Pradoに移って展示が続けられましたが、そちらの入場者は600,000人を超えたそうです。 さらに、10月7日のFacebookから: What an honor! Today our Jheronimus Bosch exhibition received a shared nomination together with Museo Nacional del Prado for Best Renaissance, Baroque, Old Masters, Dynasties― solo artist from Global Fine Art Awards. 11月末にはこんな情報も。 |
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