(2011.3.26記)
近頃新しく何かを作ろうとしても、何を作ろうという目的を失った感があり、いまいち意欲がわかなかったが、ある日友人に何気なく昔話をしていたら、その友人が一言あるよ欲しい・・・と言ってきた。二つ返事で頂いたのが左の写真のフィルターです。
このフィルターは100KHzのUSB用ですが、30年ほど前に関東の大OM宅でWESTERNの同等品のフィルターを搭載したSSBのウン10KWの送信機を拝見させてもらった。
それと同時に、このフィルターの特性を見せてもらい、世の中にこんなものがあるのかと愕然とした。
それ以来、30数年頭から離れず、Dytonにも何度か足を運んで探したが、ついぞ見た事がなかった。
それが、今目の前にある。
世の中、HiFiSSBをやるには、PSNでなければいやDSPを使わないと重低音は出てこない・・・とのたまわれる大先生が多いが、50年近く以前にはこうした金に糸目をつけない物が存在し実用になっていた。
こうした訳で、昔の夢をもう一度ではないが、これはGeneratorを作るっきゃないとばかりに製作を始めた。
いろんな方のホームページを拝見していて、、機器のコントロールにPICを使っているのをみて何度か挑戦をしましたがいつも途中で挫折して悔しい思いをした。
何年か前に雑誌でAVRの記事を見て、なんとなく出来そうかな!と、ときめきを感じた。今度こそはと決心し記事を参考にAVRのターゲットボードを組み上げ、共立のUSBAVRライターを買い込んだ。、BASCOMAVRをダウンロードして開発環境を整えた。
これで、安心してしまいその後1年くらい手付かずの状態だったが、今回のプロジェクトで再び動き始めた。
どうせ素人が始めるのだからと、他人様のソフトとBASCOMのシュミレーション機能を使って他人様の造ったソフトとAVRの命令等の解説を手に、いろいろソフトをいじり変化を調べ、実践的に覚えていった。
基本的にAVRは、DDSのコントロールを主体に考え、使っている間に、こうしたいああしたいを実現するつもりでいる。、
左の画面は、電源ONの時点からメッセージが始まり、
指定された箇所にFAULTが発生していなければ、基本画面のキャリアー周波数とステップの表示画面に切り替わる
LSBの信号を、現用のエキサイターの中間周波である450KHzに変換するアップバーターの基板が完成した。
構成的には、100KHzのXtal Filterを通ってLSBとなった信号が、PAD等を通って、得意のU310のバッファーで軽くアンプされ、MCLのDBMRAY-2で450KHzに変換される。
このRAY-2はレベル23dbと称するDBMで、ハイレベルミキサーを構成している。
ここに使用するローカルOSCには、DDS発信機から約+10dbmの350KHzを中心とした信号とで希望の450KHzを得ている。
また、この350KHzの信号は、キャリアー発信のDDSと同期しており、キャリアーを動かすとこの信号も動き誤差を補正する。
写真右上の3個の10mm角のケースは、455KHzのIFTを利用した450KHzのBPFで、約10KHzのパスバンドを得ている。
基板上何箇所か開きランドがあるが、後の調整のときPADを挿入しレベル合わせをするためだ。
BULOVA100KHz超広帯域放送用LSBフィルターありき
初めてのAVRを使ったコントロール回路
Quick Timeでご覧ください
(2011.06.10記)
パネル面、左から電源SW・キャリアおよびアップコンバーターの周波数変更・タクトSW・SCFクロック切り替え・DDSのSTEP切り替え・残り2個は予備 上部4個の穴は2色LEDでタクトSWの表示用
(2011.6.21記)
上記基板の拡大で、ハンダめっき処理をしているが、処理時の熱で少し基板が反っている。今後無電解メッキ等の処理に変える必要性を感じた。
この基板には、先のLINE AMPからのオウディオを180度位相を変える位相回路と、74HC4053のアナログスイッチを使ったバランスド・モジュレーターそれにキャリアの位相回路、とフィルターのインピーダンスが600オームの平衡回路なので、それに必要なマッチング回路が搭載されている
74HC4053を使ったバラモジ基板
正面よりみる、まだ加工中なので化粧用の塗装がされておらず、不要な文字や傷が見れる。
左から電源のON-OFFスイッチと、DDSの可変用エンコーダー・レベル管理用のVUメーター等が見れる。
まだ取り付けてないが、諸設定用のLCDディスプレーが取り付けられ、夫々必要な状態を表示するようにする。
中央のトランスの乗った基板は、NEC製のLINE AMP基板でABA-25という型名で90年代の局でよく使用されている、2CH仕様で片CHのみ使用している。
中央の四角いアルミ板の上に可変タイプのローパスフィルターの基板が乗り横のオゥディオトランスを経て、バラモジの位相回路に送られるようになっている。
下は電源部のトランスと基板です。
写真は、19インチラックサイズ2Uのケースに電源・オウディオ・バラモジ回路・アップバーターの回路・キャリア発信用DDS回路等の主要部品が取り付けられた様子。
シャーシーの3分の1近くをフィルターが占めており、まさに圧巻である。
生基板が見えているのは、現在パターンの設計中でまだ、数枚は製作しなければならない。
基板自体は大きく見えるが、使用部品がICはSOPで、CRはチップを使用するため実際のパターンは半分にも満たず、残りはすべてグランドとなっている。
遅々として進まずの感があるこのプロジェクトも、ようやくこの基板の完成で、重要部分の基板は後1枚となった。
ところで、この基板は先にも述べたように、心臓部のフィルターが6KHz帯域幅のため、手持ちのMAX291を使って法定内の3KHzに帯域制限をするもので、西の方の方が好むPSN方式で帯域制限をするのに使われているようだ。
現用機種は、いずれもフィルタータイプであるが、使用されているフィルターがアマチュア用の機種に比較して優れた特性であることと、帯域幅が2.75KHzのものを使用していたため、こうした帯域制限を必要としなかった。
このMAX291は随分古いタイプだが、8次のバタワースタイプで70db近くのカットオフが得られる。発表時DATAを見て驚きサンプルを手に入れておいたのがようやく日の目を見たわけだ。
このMAX291は、外部クロックで遮断周波数が可変できるので、そんなに目くじらを立てなくてもと思い、タイマーの定番555の定数切り替えで2.8KHz.3KHz.4KHz.5KHz.6KHzと5つの帯域を得られるようにしたが、もちろん4KHzto6kHzはお遊びと実験用である。
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各部の基板がいろいろ完成し始め各ユニット間の配線が始まったが、肝心のパネル加工が進んでいなかったので、電子工作とは関係のないパネル加工を完成させた。
人間欲が出てくるのでパネルに取り付けるスイッチや表示器などをよく考えてやらないと、塗装後の加工だけは避けたい。すべての穴あけ加工が済ませてから、パネル面を400番くらいの水砥ぎペーパーでざっと磨き、その後不要な穴や傷をエポキシ系のパテで穴埋処理をする。1昼夜ぐらい乾燥後、再び400番の水砥ぎペーパーにあて木をし、ペーパー面を平らにしながら、塗装面の平面を出す。
塗装面の処理が終わった後は、プラサフを吹き付け乾燥後に400番台の水砥ぎペーパーで軽く砥ぎ出して塗装面を整え、これを3度ほど繰り返し下地仕上げとする。
いよいよ、最終のパネル面の塗装に入るが塗料には2液性のウレタン塗料を使い、1回で吹き付けるのはうっすらと塗料が乗るくらいで吹き付け60分位乾燥後、水砥ぎして再度吹き付ける。これを4回ほど繰り返し完成となるが、このウレタン系のスプレー塗料は、一度2液を混合すると缶内部でも硬化が始まるため、ほかに塗装したい部材などを事前に用意し手早く進めなければならない。、最後にパネル全体を80度くらいに暖めて乾燥させた。、