孫堅(182〜252)の先祖は、戦国時代の有名な軍略家である孫子と伝えられている。孫権の父の孫堅は、海賊退治で名を上げ、黄巾の乱以後は有力武将として勢力を広げたが、若くして戦死した。長男の孫策が暗殺されたあと、弟の孫権が軍団を引き継ぎ、229年に中国東南部を支配する呉の皇帝となった。孫氏は、現在の中国広東省や北ベトナムとの海上交易を掌握して築いた富により、勢力を拡大したものと考えられる。魏、蜀、呉の三国の中で呉は最も長く続いたが、280年に晋(西晋)に滅ぼされ、これによって三国時代は終わりを告げた。
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