Title9-3.GIF (2758 バイト) Europe226年   

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パルティア滅び、ササン朝ペルシア建国される

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概略

211年セウェルス帝が病死し、息子のカラカラとゲタの兄弟が共治皇帝となるが、翌年カラカラがゲタを殺し、単独の皇帝となる。ゲタと近しい亡父の重臣なども粛清した。対外的には、カラカラ帝はゲルマン諸族と戦い、またパルティアとも戦った。政治的には、貨幣改悪を行いインフレーションを招き、また、属州の税収を増やすため、アントニヌスの勅令を発して、全属州民にローマ市民権を賦与している。213年東方属州に移住してからは、その暴政が伝えられている。パルティアへの遠征のための越冬中にエデッサ付近で、個人的な恨みから部下に刺殺された。
300年近くに渡って隣接してせめぎ合っていたパルティアも、226年ペルシアの王侯アルデシールによって滅ぼされ、ササン朝ペルシアが建国された。


パルティア滅び、ササン朝ペルシア建国される
200年 ca.『新約聖書』成立
202年 セウェルス、キリスト教への改宗を禁止し、迫害を行う
203年 セウェルス、アフリカを訪問(〜204)
プラウティアヌスとゲタ、コンスルとなる
セプティミウス=セウェルスの凱旋門建造される
204年 セウェルス、世紀の祭典(百年祭)大競技を開催
205年 プラウティアヌス処刑される
法学者パピニアヌス、親衛隊長官となる
208年 セウェルス、ブリタニアで反乱を起こしたカレドニア人と戦う(〜211)
 209年 セウェルス、ゲタを共治皇帝とする;ローマ、初めて3人の正帝を持つ
211年 セウェルス、エポラクム(ヨーク;イングランド北部)で病没
カラカラ、弟のゲタとともにローマに帰り、共治皇帝となる
212年 カラカラ、ゲタを暗殺し単独皇帝となる
母ユリア=ドムナの勢力大
アントニヌスの勅令;カラカラ、ローマ帝国に住む全自由人に完全市民権を賦与
ローマ法学者・元親衛隊長官パピニアヌス、処刑される(ca.140〜)
カラカラによる処刑相次ぐ
 213年 カラカラの属州巡行(〜217)
カラカラ、アレマンニ族を破る
カラカラ、上ゲルマニア・ラエティアの長城を拡張、強化
 214年 カラカラ、ドナウ川沿岸でカルビ族と戦う
 215年 カラカラ、パルティア遠征に出発(〜217)
アレクサンドリアで暴動に対し大虐殺を行う
オスロエネ・アディアベネに進軍
216年 カラカラ、メディアに侵入し、パルティアと戦う
カラカラ浴場完成(206〜)
 217年 カラカラ、エデッサ近くで親衛隊長官マクリヌスに暗殺される。ユリア・ドムナ自殺
マクリヌス即位(〜218);最初の騎士出身の皇帝
マクリヌス、ニシビスでパルティアに敗れ、償金を払い和約締結
 218年 エメサの神官エラガバルス、エメサ(現ダマスクス北方)の駐屯軍に推戴される
エラガバルス、マクリヌスを敗死させ、最初のオリエント人皇帝となる(〜222);祖母ユリア=マエサと母ソアエミアス実権を握る
 219年 エラガバルス、ローマに着く;東洋的専制君主として暴政を行う
エラガバルス、エメサの太陽神信仰を導入し、祭事を主宰
 221年 エラガバルス、従兄弟のアレクシアヌス(セウェルス=アレクサンデル)を副帝として養子にする
 222年 エラガバルスと母、親衛隊に暗殺される
セウェルス=アレクサンデル即位(〜235);母ユリア=ママエアと親衛隊長官の法学者ウルピアヌス(ca.170〜223)・法学者パウルス、実権を握る
元首顧問会議を設置し、法学者を重用
親衛隊、属州の上訴裁判権を行使
223年 ウルピアヌス、親衛隊兵士に殺される
226年 セウェルス=アレクサンデル、最後の水道(アレクサンドリナ水道)を完成
ペルシアの王侯アルデシール、パルティアを滅ぼしササン朝ペルシアを樹立。クテシフォンを都とし「諸王の王」と号す


資料 塩野七生 『ローマ人の物語XIV キリスト教の勝利』
石橋秀雄他 『世界史大年表』
サイモン・ジェンキンス 『ヨーロッパ全史』