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軍人皇帝時代;軍の推戴により皇帝が乱立

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概略

211年セウェルス帝が病死し、息子のカラカラとゲタの兄弟が共治皇帝となるが、翌年カラカラがゲタを殺し、単独の皇帝となる。ゲタと近しい亡父の重臣なども粛清した。対外的には、カラカラ帝はゲルマン諸族と戦い、またパルティアとも戦った。政治的には、貨幣改悪を行いインフレーションを招き、また、属州の税収を増やすため、アントニヌスの勅令を発して、全属州民にローマ市民権を賦与している。213年東方属州に移住してからは、その暴政が伝えられている。パルティアへの遠征のための越冬中にエデッサ付近で、個人的な恨みから部下に刺殺された。
300年近くに渡って隣接してせめぎ合っていたパルティアも、226年ペルシアの王侯アルデシールによって滅ぼされ、ササン朝ペルシアが建国された。


軍人皇帝時代;軍の推戴により皇帝が乱立
229年 セウェルス=アレクサンデルとディオ=カッシウス、コンスルに就任
政治家・歴史家ディオ=カッシウス、ローマを退去し、文筆に従事。『ローマ史』を著す
230年 兵站補給所多数を建設
231年 セウェルス=アレクサンデル、ペルシアへ遠征(〜232)
232年 セウェルス=アレクサンデル、ペルシア攻撃には失敗したが、メソポタミアを奪回
233年 アレマンニ族、ドナウ川を渡りラエティアに侵入、ローマと戦う
234年 セウェルス=アレクサンデル、マインツでアレマンニ族と交渉。償金を払い撤退させる
235年 ユリウス=マクシミヌス、軍隊により擁立される
セウェルス=アレクサンデル、母ママエアと共にマインツ付近で軍隊の謀反により殺害される
トラキア出身のマクシミヌス(〜238)、元老院に認められる;軍人皇帝時代始まる(〜283)
セウェルス朝断絶
マクシミヌス、アレマンニ族を破る(〜237)
キリスト教徒、迫害される
236年 マクシミヌス、サルマタエ人のヤジゲス族とダキア人に対してドナウへ遠征(〜237)
238年 アフリカ総督アントニウス=ゴルディアヌス1世と息子同2世、アフリカで皇帝に擁立され、元老院承認
ゴルディアヌス2世、ヌミディア軍団に殺され、同1世は自殺
元老院、プピエヌスとバルビヌスを皇帝に指名、承認
マクシミヌス、アクイレイアを攻囲中、親衛隊長官に斬殺される
親衛隊、プピエヌスとバルビヌスを殺害し、ゴルディアヌス3世を擁立(〜244);母と親衛隊長官ティメシテウス、実権を握る
ゴート族とカルピ族、モエシアに侵寇
242年 ペルシア戦争(〜244);ティメシテウス、ペルシアへ反撃開始
レサイナの戦い;ゴルディアヌス3世とティメシテウス、ペルシア王シャープールを破る
243年 カラエとニシビスを占領
ティメシテウス病没
244年 メソポタミアでゴルディアヌス3世殺害される
アラブ人の親衛隊長官フィリップス=アラブス、皇帝に即位(〜249)
フィリップス、ペルシアと和し、帰国
245年 フィリップス、ドナウ遠征を行う(〜247)
 247年 フィリップス、カルピ族に大勝利
フィリップス、息子フィリップスを共治皇帝とする(〜249)
248年 フィリップス、ローマ建国千年を祝い大競技会を開催
フィリップスの部将デキウス、ゴート族などを撃退し、モエシア・トラキアを平定
モエシアのパカティアヌス、カッパドキアのヨタピアヌス、シリアのウラニウス=アントニヌス、反乱を起こして帝位を僭称
ゴート族・カルピ族・ヴァンダル族、モエシア・トラキア方面に侵入


資料 塩野七生 『ローマ人の物語XIV キリスト教の勝利』
石橋秀雄他 『世界史大年表』
サイモン・ジェンキンス 『ヨーロッパ全史』