あけまして おめでとうございます

あけましておめでとうございます。


昨年も新型コロナ感染はなかなかおさまらず、我が家も1月末に感染し病院をお休みさせていただきご迷惑をお掛けしました。感染された方はご存じだと思いますが、重症化リスクの低い患者のための治療は解熱剤くらいしかありません。私も感染した時、市販の解熱剤を数回飲みましたが、軽いインフルエンザ程度の症状で治りました。最近になって国産の新型コロナ治療薬が承認されましたが、劇的に効果のあるというお薬ではなく、軽症者の症状の改善が一日早まるくらいの薬とのこと。国が200万人分を購入するようですが、重症化リスクの低い人に、この薬が本当に必要なのでしょうか。どれくらいの税金が投入されているのか気になります。また、昨年からのロシアのウクライナ侵攻もあり、日本では防衛費の増額が決定されました。物価も上昇し生活が厳しい時代に、軍事力を競うのではなく生活が豊かになるために、本当に必要なところに税金を使ってほしいと思います。
新型コロナに関してはこの三年間で、マスク着用の仕方、ワクチンや検査など、必要とされることや常識とされることが次々と変わってきました。動物医療でも必要とされる治療はどんどん変化しています。例えば膿皮症(細菌感染の皮膚炎)の場合、数年前までは「抗菌剤の投与が必須で、症状が治まってから1週間続ける必要がある」とされていました。しかし最近では「アレルギーや免疫を整える治療を行えば、抗菌剤は必要ないもしくは最低限でよい」とされています。勉強の継続が必要だと、改めて実感しているところです。
情報過多の時代、定説とされているもの(国のトップや著名な研究者の考えが定説となりますが)や常識は、世の中の情勢などで様々に変化していきます。正しいと思っている中にも実は間違っていることや無駄なものがあるということではないでしょうか。本当に正しい情報なのか、本当に必要なことなのか、自分自身でよく考えて取捨選択するしかないと思います。
当院の診療でも新しい情報を取り入れつつ、その子にとって最適で必要な治療は何なのかを常に考えて提案していきたいと思っています。


本年もよろしくお願いいたします。
2023年1月
千塚どうぶつ病院院長 稲葉祐次


2023年01月06日