病院だより

当院では、開院当初より毎月病院だよりを発行しています。ここでは、直近数回分の病院だよりの主要な記事を掲載いたします。今月号に関しては院内で配布しています。バックナンバーをご覧になりたい方は、スタッフまでお気軽にお声掛けください。

 

144号(2021年4月発行)春の健康診断キャンぺ~ン実施中

お散歩で山や草むらへ行くわんちゃん!お外での生活を楽しんでいるネコちゃん!ノミ・マダニの予防薬を始めていますか?6月の初めからは、フィラリアの予防も始まります。フィラリアの予防薬は、すでにフィラリアに感染している子が服用すると、命に関わることがあるため、毎年、予防薬を飲み始める前に、フィラリアの抗原検査をすることをお勧めしています。その際に採血が必要になるのですが、その血液でついでに健康チェックもしちゃおう!ということで、今年も毎年恒例の『春の健康診断キャンぺ~ン』を実施しています。通常健康診断として行っている項目にフィラリア抗原検査を加え、20分ほどの待ち時間で結果をお話しすることができます。
  健診Aコース 血球検査+生化学検査18項目(外注検査)+フィラリア抗原検査
   ※外注検査に関しては、後日お電話またはFAXでのご報告となります。
  健診Bコース 血球検査+生化学検査10項目+フィラリア抗原検査
    各コースの料金は直接お問い合わせください。

一日お預かりしてのわんちゃんドッグもフィラリア抗原検査をつけてお得に行うことができます(要予約)。キャンぺ~ン中の価格等、詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

143号(2021年3月発行)中医学的体質分類 ~第2回 血虚~

中医学では、気・血(けつ)・津液(しんえき)の3つが、体を構成して生命活動を維持する基本物質と考えられています。これらが過不足なく調和し、上手く体の中を流れている状態が健康状態です。どれか一つが足りなくなってしまったり滞ってしまったりして、全体のバランスが崩れると、体に不調があらわれま今回は血の不足「血虚(けっきょ)」についての勉強してみましょう。
「血(けつ)」は、基本的には血液と同じと思っていただいていいのですが、その作用には少し違いがあります。血は、全身に栄養を与えるだけでなく、全身の臓器や被毛に潤いを与える作用もあります。また、精神を落ち着かせる作用もあるとされています。胃腸虚弱や偏食などの栄養不足、出産や出血・病後など血の消耗が激しい場合に、「血虚(けっきょ)」となります。ふらつきや血色が悪いなどの貧血症状以外にも、皮膚の乾燥・毛づやの悪化・爪がもろくなる・目が乾く・かすみ目などの潤い不足の症状、不安感や不眠などのメンタル面の症状があらわれます。
血虚の治療としては、まずは食事内容を改善し、しっかり食べることが重要です。フードにレバーやほうれん草、漢方薬などをトッピングして補ってあげるのもよいですね。また体をあたためるのにお灸での養生もおすすめです。漢方薬や鍼灸治療に興味のある方は、スタッフまでお気軽にご相談ください。


142号(2021年2月発行)ロック闘病中…


闘病中というほどでもないのですが、受付でカラーを付けている姿をごらんになって、ご心配の声をいただいています。ロックの耳先が、近頃の寒さによる末端の血行不良で皮膚壊死を起こしているのです。耳先や尾の先など末端のケガは、もともと血行不良が起こりやすく、また頭や体を振ると遠心力で出血するので、なかなか完治しにくい場所です。せっかくかさぶたになってもかじってしまって、出血を繰り返したりもします。先日もロックをトイレに連れ出したところ、玄関でブルブルっと体をふるわせたら出血。派手に血が飛び散りました。この家では何か動物を屠っているのか?と言われんばかりに。そのため、本人は甚だ不本意でしょうが、カラーを付けて生活をしています。

このように、どこか出血したときには、慌てずに患部をぎゅっと押さえて、圧迫止血をしてあげましょう。寒さによる血行不良が原因の場合は、しもやけと同じですので、出血が落ち着いているときに患部を温めたりマッサージしてあげるとよいですね。とくにロックのように耳が長くて短毛の子は、冬場にこのようなことが起こりやすいですから、注意してあげてくださいね。

141号(2021年1月発行)丑年小ネタ ~なんで牛は縁起が良いの?~


牛は昔から食料としてだけでなく、農作業や物を運ぶときの労働力として、人間の生活に欠かせない動物でした。勤勉によく働く姿が「誠実さ」を象徴し、身近にいる縁起の良い動物として、十二支に加えられたようです。また「紐」という漢字に「丑」の字が使われおり、「結ぶ」や「つかむ」などの意味を込めたとも考えられています。

牛は神様?
学問の神様の菅原道真をまつる天満宮には、丑(牛)の像が置かれています。なぜ牛なのか、不思議ですよね。これには「菅原道真が丑年だった」「道真が暗殺されそうになったところを飼い牛が救った」「道真の遺体を運んでいるときに牛が座り込んで動かなくなったのでそこに埋葬した(その場所が大宰府天満宮)」など、牛と道真にまつわる様々ないわれがあります。また黙々と働く牛の様子は、道真の教えにも通ずるものがあり、牛を神の使いとして祀っているそうです。

140号(2020年12月発行)肛門腺て、定期的にしぼらないといけないの?


先日、『お散歩中にウンチをしたら、すごく臭い液が出た。ネットで調べたら、どうやら肛門腺の液で、定期的にしぼって出さないと、肛門腺が破裂して死んでしまうと書いてあった。』と、慌てて受診された方がいらっしゃいました。この方以外でも、肛門腺は人為的にしぼらなければいけない、と誤解していらっしゃる飼い主さんが多いように思います。確かに肛門腺破裂は、治療が必要な病気ですが、当院では年に数例ある程度のまれな病気です。そこで今回は、そもそも肛門腺って何だろう、というところから説明したいと思います。


肛門腺は犬、猫の肛門の左右に一つずつある腺で、そこで作られた液が袋状の肛門嚢に貯められます。肛門嚢の開口部は肛門のナナメ下、時計の4時と8時の方向にあります。肛門腺液は独特なにおいがあり、特にスカンクのにおいが強烈なことは皆さん聞いたことがあると思いますが、スカンクの肛門腺液のにおいには、肉食動物さえも驚いて逃げ出すといわれています。わんちゃんネコちゃんの場合は、相手を威嚇するために出すことはありませんが、驚いた時や普段の排便時に一緒に出てきます。また、わんちゃんやネコちゃん同士が、お尻のにおいを嗅ぎあっているシーンはよく見られると思いますが、あれは、肛門腺液のにおいを確認していると言われています。肛門腺液のにおいは個体ごとに違うので、それをもとに、個体識別をしているのです


このように、肛門腺の液は排便時に一緒に出てくることが普通で、毎日の排便時に一緒に出ていれば、おうちや病院で必ずしぼらなければいけない、というものではありません。特にネコちゃんや、柴犬などの中型犬以上のわんちゃんでは、しぼる必要はほとんどありません。実際我が家の愛犬くっく(17kg)もロック(12kg)も、一度もしぼってあげていませんが、問題になったことはありません。


では、どの子も全くしぼる必要がないかというと、そうでもありません。肛門腺液の性状は、個体差が大きく、サラサラの液状の子もいれば、ブツブツした塊状の子、ねっとりとしたクリーム状の子もいます。硬い性状の子や小型犬では、物理的に出にくいケースもあり、出が悪ければどんどん液が溜まり、その不快感からお尻を気にしてなめたり、お尻を床にこすって歩く、いわゆる「お尻歩き」をしたりするようになります。また、肛門嚢炎をおこし、血の混ざった液が出てくることもあります。これらのケースでは、肛門嚢の破裂をおこすこともありますので、早目の処置が必要です。おうちでしぼれない場合やしぼっても出ない場合は、肛門内に指を挿入してしぼる必要がありますので、早目に受診してください。


お尻はとてもデリケートな部分で、肛門腺しぼりの処置は、わんちゃんネコちゃんにとってはストレスの大きな処置です。ですから、必ずしも毎月しぼらなければいけない、と考えず、必要な時に受診することをおすすめします。ワクチン接種時などに相談してもらえば、溜まっているかどうか、性状がどうか確認しますので、お気軽にご相談ください。

139号(2020年11月発行) 高齢になるとかかりやすい病気

わんちゃんもネコちゃんも長寿の時代。7歳くらいから、年齢とともに病気の発生率は上がってきてしまいます。今回は、その中でも高齢の子に多く見られる病気をいくつか勉強してみましょう。

変形性脊椎症 背骨の変形に伴い、首や腰の痛みや動きたがらない、散歩に行きたがらない、などの症状がみられます。ネコちゃんでは、爪とぎやグルーミングをしなくなる(痛くてできなくなる)という症状から発覚するケースも多いです。レントゲン検査で脊椎の変形があっても、症状のない子もいますが、上記のような症状がある場合には、投薬治療することで、見違えるように活動的に若々しくなるケースもあります。年のせいとあきらめずに、ご相談ください。

慢性腎臓病 腎機能が低下し、体内の老廃物を、尿中に排泄できなくなる病気です。尿毒素(老廃物)が体内にたまると、尿毒症といって、全身の臓器の機能不全や脳障害を引き起こすこともあります。尿検査や血液検査で、初期の腎機能低下を発見することができますので、年に一度のわんちゃんドックなどの受診がおすすめです。

腫瘍・癌 腫瘍と言っても、皮膚にできるものから、肺や肝臓、脾臓などにできるものまで、できる場所や種類によって、悪さの度合いはまちまちです。特に体の中にできるものは、外からではわかりにくく、わかったときにはかなり進行してしまっていることもあります。しかし、体表にできる皮膚のしこりや骨の腫瘍、乳腺腫瘍、睾丸の腫瘍などは、普段のおうちでのコミュニケーションでも異常に気が付くことができます。皮膚にしこりができた、睾丸が腫れてきたなど、気になる場合は早めに受診してください。

これ以外にも年齢を重ねていくと、筋肉量の低下や免疫機能の低下から体力が落ちて、少しの気温変化などでも体調を崩すことが増えてきます。今の時期は一日の気温差も大きく、また、空気が乾燥してノドや鼻などにダメージの大きい時期です。特に高齢の子では、体調面で気になることがありましたら、早目に受診するようにしてくださいね。

138号(2020年10月発行) マイクロチップをつけよう!

昨年、動物愛護法が改正され、今年6月に施行されました。具体的な改正点は
①ペット殺傷や虐待の罰則強化
②生後56日を経過しない犬や猫の販売を原則禁止、いわゆる「8週齢規制」(この件に関しては施行から2年以内に)
③遺棄防止のために、繁殖業者などに対する犬猫へのマイクロチップの装着義務化(この件に関しては施行から3年以内に)
④虐待に対する獣医師の通報義務化

②、③に関しては、まだ義務化されるまでは猶予期間がありますが、今後、生後8週齢未満の子犬や子猫の販売は禁止されます。小さいうちから飼ったほうが人に慣れるのではないか、と思われるかもしれませんが、小さいうちに母親から離された子は、免疫的にも弱く、犬同士・猫同士の関係を築くことも苦手になりがちです。母親から十分な愛情をもらい、子犬・子猫同士で遊ぶことは、健全な精神を育むためには必要なのです。ヒトには教えられない、動物の掟を教えてもらうこともできます。今後は、母親の愛情と母乳をたっぷりもらって、丸まる太った子犬や子猫がペットショップで販売されるようになることを期待します。

またマイクロチップに関しては、販売する側の義務ですので、今後ペットショップなどから購入する場合には、すでにマイクロチップが装着されている、ということになります。今飼っている子に必ず付けなければならない、という事ではありませんが(努力義務ではあるようです)、近年、マイクロチップの装着を希望される飼い主さんは増加傾向です。迷子になった場合はもちろん、地震や火事などの緊急時に逃げ出してしまったケースで、マイクロチップが付いていたために再会できたなどと報道されることもあり、必要性が認知されるようになってきたのだと思います。マイクロチップは、個体識別番号の入ったチップをインプッターと呼ばれる注射器のようなもので、肩甲骨の間の皮膚の下に埋め込みます。たいていの子はほとんど痛がらず、受け入れてくれています。手続きやかかる費用など、詳しくはスタッフまでお気軽にお問い合わせください。

しかしマイクロチップをつけていても、首輪とリードの装着は必要です。お散歩はハーネス(胴輪)で、という子も、必ず首輪をつけるようにしましょう。先日も何かのテレビで、ドックタレントのオーディションの際には、首輪をしないで入ってくる子は問題外で失格になる、と言っていました。ドックタレントになんかなるつもりないし!なんて言わないでくださいね。病院では、どうしても動物が嫌がる処置が必要になる場合があります。そんなとき動物が安心して治療や処置を受けられるよう、動かないように保定することが重要になります。その際には首輪が必須です。どんなに噛みつこうとする子でも、逃げようとする子でも、首輪さえついていれば、看護師の腕の中にしっかりとおさまることができ、安全に治療を行うことができます。残念ながら、ハーネスでは確実な保定が無理な子も多いのです。うちの子は大人しいから大丈夫、というのは安心できる場所での話です。病院は特に怖いところ、緊張するところです。何か不測の事態が起こらないように、普段から首輪をつけるようにお願いします。

137号(2020年9月発行) コロナ対策にご協力ください

動物病院では、動物の逃走を防ぐため、窓やドアを開け放つという密閉を避ける対策をとることができません。院内の消毒や、スタッフの感染予防なども気を付けてはいます。先月より、受付に飛沫防止のアクリル板を設置し、また、お車や外待合でお待ちの方をスムーズにご案内できるよう、呼び出しベルを導入しました。皆様にも可能な限り三密(密閉密集密接)を避けるため、以下のようなお願いをしています。ご協力をお願いします。

●なるべく少人数でのご来院をお願いします
●ご来院時にはマスクの着用、または咳エチケットにご協力ください
●混雑時には、受付後、外待合や車での待機をお願いします
●常備薬や処方食などは、短時間でお渡しできるよう、事前にお電話ください

136号(2020年8月発行) 午後の診療時間変更のお知らせ

診療時間変更のお知らせ
2020年9月より、午後の診療時間を午後3時半~午後6時半とさせていただきます

東京や都市部などでのコロナ感染増加、山梨でも少しずつ感染者数が増えている中、子供たちの夏休みもスタートしました。例年よりだいぶ短縮された夏休みを、感染を防ぎながらどのように過ごしたらよいのか、親としても悩む今年の夏です。

さて、冒頭で書かせていただいたように、2020年9月より、午後の診療時間を変更させていただくことになりました。動物病院は、女性スタッフが多い職場で、当院も例外ではありません。開院からも時がたち、子育て中のスタッフが増えてきました。家庭や子育てと仕事に、と頑張っている先輩たちに倣って、今後結婚や出産後も仕事を続けたいというスタッフもいてくれます。病院としては、経験豊富で有能なスタッフに長く働いてもらえることは、とても有難いことです。病院としてだけではなく、病気のわんちゃんネコちゃんや飼い主さんにとっても、良いことだと思っています。しかし、実際には保育園の開園時間などの兼ね合いもあり、今の診療時間では、フルタイムでの勤務は難しいのが現状です。また、働き方改革、と言われる昨今、いろいろな勤務形態を模索していますが、その一環としても、診療時間を変更させてもらうことにしました。

2020年9月より、午後の診療時間を
午後3時半~午後6時半
とさせていただきます

皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞご理解いただけますよう、よろしくおねがいします。

子育て、ということで、世のお母さんお父さん方、何が一番苦労するかといえば、夜泣き、泣き止まない、すぐ泣く、などなど、子供の泣き、ではないかと思います。しかし、ヒトに最も近いと言われるチンパンジーでさえ、動物の赤ちゃんはほとんど泣きません。なぜかというと、母親にくっついでいるからです。たいていの哺乳動物の赤ちゃんは、母親にしがみついて、母親を真似して成長していきます。ではヒトの赤ちゃんはなぜ泣くか、というと、周囲に自分の存在を知らせるためなのだそうです。ヒトは、進化の過程で集団生活を選び、火や道具を使って脳を発達させました。巨大になった脳を、他人と集団生活するための脳=協力的な知能へと十分発達させるためには、母親だけでの保育では不十分で、父親や集団の大人など、血縁・非血縁に関わらず、多くの大人が関わっての保育が必要となったのだそうです。

もし周りに、子供の夜泣きなどで疲れているお母さんお父さんがいたら、『あなたの赤ちゃんは今一生懸命脳を発達させているんだよ、社会に順応するために泣いているんだよ』と、伝えてあげてください♪

134号(2020年6月発行) 動物のコロナ、狂犬病情報!

まだまだコロナとの戦いが続くと思われますが、まずは動物とコロナに関しての情報です。

2003年に、同じコロナウイルスであるSARSが流行しました。SARSウイルスは、今回の新型コロナウイルスに比べると致死率が高いため、世界的な流行とはなりませんでした。当時、様々な研究結果により、人間との関わりの強い動物のうち、フェレットと猫はSARSウイルスに感染しうること、ただし、猫では症状は示さないこと、フェレットでは状態が悪化するケースがあること、が報告されています。これらの結果を踏まえ、今回の新型コロナウイルスに関しても、猫とフェレットに関して、特にその感染が心配されていたのですが、5月末になって、ベルギーの複数のミンク農場で、毛皮製品用に飼育されているミンク(フェレットと同じイタチ科)の新型コロナウイルス感染が確認され、感染したミンクから従業員に感染したと思われるケースが3例あると報道されました。世界保健機構WHOは5月27日に「新型コロナに関して、最初に確認された動物から人への感染になる可能性がある」との認識を明らかにしています。現在、これらの動物やペットが感染を広げるのかどうか、データを集めて調べているとしています。基本的には世界で600万人もの人が感染している中で、動物から人へうつるという事例はこの3例のみです(ペットから人への感染事例はありません)。今後の動向には注意しながら、基本的なペットとの関わり方を守り、万が一自分や家族が感染してしまった場合は、ペットとも距離を保つ、ということをお願いしたいと思います。

また、先月、愛知県で狂犬病発症、というニュースが流れました。この患者さんはフィリピンで犬にかまれた経緯があり、2月に日本に入国、その後発症し、PCR検査にて狂犬病と診断されたようで、国内での感染ではありません。日本では、1956年を最後に犬、人での感染は見られていませんが、周辺の国々では年間5万人もの命を奪っている人獣共通感染症です。狂犬病、という名前ではあるものの、ネコ、キツネ、アライグマやコウモリなど、あらゆる哺乳類に感染し、それらの動物に噛まれることで人にも感染。人での致死率は100%という恐ろしい病気です。いつ海外から入ってくるかわからず、万が一日本で発生した場合に、人ともっとも関わりの強い犬から人、という感染がおこらないように、犬には毎年、狂犬病の予防接種をうってもらっています。わんちゃんを飼った飼い主さんは、生後91日を過ぎたら30日以内に犬の登録と狂犬病の予防接種をしなければいけない、と法律で定められています。今年はコロナの影響もあり、4~5月の狂犬病接種でのご来院を控えられた飼い主さんも多くいらっしゃると思いますが、狂犬病のワクチンは、年間いつでも接種することができます。今年度のうちに接種できれば大丈夫ですので、混雑を避けてお時間のある時に、愛犬手帳または市から届いたハガキをお持ちになって、ご来院ください。

132号(2020年3月発行) 新連載スタート ~季節の愛犬愛猫cooking!~

今月号から、お料理大好きな望月看護師による連載をはじめます!ぜひ皆さんもおうちで楽しみながら作ってみてください☆

第1回 簡単焼うどん
~環境変化のストレスが多い季節に備えよう~
三月の旬の食材:あさり・キャベツ

<材料>体重5kgの子の1日分の量 
あさり:15g
豚モモ肉:50g
茹でうどん:160g
キャベツ:75g
にんじん:75g  注意!猫に与える場合は量を少なめにすること。
ピーマン:50g
ごま油:6g
いりごま:適量

<食材の効果>
●あさり:血液を作る働きをサポートするビタミンB12や、タウリンが豊富。貧血・精神不安・疲労・むくみの改善に!
●キャベツ:胃腸粘膜を保護するビタミンUによって、胃腸の強化と消化吸収を助ける。

<作り方>
①茹でうどんは1㎝幅、にんじん・ピーマン・キャベツ・豚もも肉を一口大に切ります
②熱したフライパンにごま油をひき、豚もも肉・にんじん・ピーマン・キャベツ・あさりの順に炒めます
③全ての具材に火が通ったら、茹でうどんを加えて温まる程度に炒めます
器に盛り付け、いりごまを適量かけたら出来上がりです

季節の食材を使って、その季節にあった手作り食を掲載していきます。興味のある方は是非、作ってみてくださいね('0')ノ  望月

131号(2020年2月発行) マダニの通年予防を!(SFTS対策に)


今年のような暖かい冬は快適ですよね。しかし、快適に過ごせるのは人間だけではありません。多くの動物にとって、勢力拡大のチャンスです。(逆に、地球の温暖化によって北極の氷が融けたり、オーストラリアの森林火災などが起こり、生存場所を奪われ、絶滅の危機に瀕している動物がたくさんいいるのも事実ですが…。)暖かい冬に勢力を拡大しているものの中で、動物病院とかかわりの深いものといえば、マダニ・蚊などの病害虫や、それらが伝搬するウイルスです。当院では、蚊が伝搬する「犬フィラリア症」の予防期間を、一昨年までの「5月から11月まで」から「12月まで」と改めておススメするようにしたのも、そんな観点からです。

今回は、マダニの話です。マダニは、外気温13℃以下になると、吸血活動をやめて、木のうろなどで冬眠して冬を過ごします。ですから通常は、冬の間はマダニ駆除薬を使わなくてもよいのです。しかし、今年のような温かい冬であれば、冬眠せずに、吸血・産卵を続けている可能性があるのです。

マダニに吸血されること自体にも問題はありますが、マダニは、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの病気を伝搬します。SFTSは、マダニに吸血されることで人・犬・猫などが感染する病気です。日本では2013年にマダニから人への感染で、初めての死亡者が確認されて話題になりましたが、2018年にはSFTSに感染し衰弱していた飼い猫から、猫を治療した獣医師・看護師への感染があったという、動物病院関係者にとっては驚愕の報告がされました。その後の報告では、感染猫の体液が獣医師の目に入ったことで、感染したのではないかと推察されています。人では、2019年5月末までに421人以上のSFTS感染があり、致死率は約27%と報告されています。これは今話題の「新型コロナウイルス」の致死率の5倍以上の数値です。犬猫での感染も報告が相次ぎ、致死率は犬で30%、猫では60%と言われています。現段階では、関東以北ではSFTSの発症はありませんが、山梨で捕獲されたマダニからも、SFTSウイルスは検出されており、SFTSに対する警戒は山梨でも必要と感じています。

人、犬、猫ともに、マダニ感染のリスクはどこにでもあります。マダニは森林や山などだけではなく、街中の草むらなどでも、動物への吸血の機会をねらっています。今後、温暖化による気温の上昇や、野生動物の生息域の変化に伴い、マダニの活動期間が増えれば、マダニ感染=SFTS感染のリスクはさらに増えると考えられます。

SFTSを防ぐには、まずはマダニに寄生されないようにすることが重要です。ヒトは長そで長ズボンや長靴で防ぐこともできますが、犬猫ではそれは難しいですね。ですから、マダニの駆除薬を定期的に投与することが重要です。月1回のスポット剤(背中にたらすお薬)や飲み薬のほか、1回の投与で3ヶ月間、新規のマダニ寄生を防いでくれるお薬もあります。特に、今年のような温かい冬は、冬の間も投薬する「通年予防」がおススメです。必要な予防は、住環境などにより様々ですので、ぜひご相談ください。