鍼灸・漢方薬治療について

はじめに

初診で中医学(鍼灸・漢方薬)治療ご希望の方は、お電話でお問い合わせの上、午前中に受診するようにお願いします。当院へ受診中の方は、診察時にお気軽にご相談ください。

当院では、中西結合医学を行っています

当院では、漢方薬治療や鍼灸治療などの中医学を取り入れた「中西結合医学的治療」を行っています。中西(ちゅうせい)結合医学、というのは、通常の西洋医学に、中国伝統医学(中医学)を取り入れて行う医療のことです。つまりは、西洋医学と中獣医学のいいとこどりをしよう、という考え方です。西洋医学は、急性疾患や感染症などに対し素早く、確実に治療することが得意な医療です。その反面、種々の検査や数値にはあらわれない体の痛みやだるさなどの不調には、弱い部分があります。一方の中医学は、生体も自然の一部として捉えることで、一つ一つの不調を体全体の不調としてとらえて治療したり、養生したりすることに非常に秀でた医学です。

中獣医学の勉強を始めた当初は、今までの西洋医学の学びで構成された頭の中がひっくり返るような、混乱する時期がありました。中医学というのはイメージの世界です。いくつかの症状を聞いたときに、季節やその子の生れ月、性格などをイメージして、足りないものは何か、負担になっているものは何か、と弁証する(治療方法を考える)必要があります。これは一種の占いのようなものではないか、中医学を学び続けることが正しい道なのか、考えたこともありました。しかし、そんなとき、恩師の一人である雲瑶先生がおっしゃった言葉。「もし、中医学がただのおまじないのようなものであれば、3000年も脈々と受け継がれているはずがない。効果を実感できるからこそ、現代でも受け入れられている」という言葉が、素直に腑に落ちたのです。中医学はイメージの医学であると同時に、何千年もの間、自然界の日々の変化と生体の変化を注意深く観察してきたことで確立してきた、統計学でもあります。

例えば、同じ病気で苦しむ人がいたとき、その人たちの過去の生活や環境を注意深く観察し、その共通点を見つける。そして今度は逆に、その共通点を持っている人たちを観察していると、後々同じ病気で苦しむようになった。それならば、今は元気でも、その共通点を持っている人は将来この病気に悩まされる時が来るから、症状のない今「未病」のうちに治療をして養生(健康で長生き)しよう!中医学というのは、このような果てしのない観察を繰りかえすことで、確立された医学なのです。このような経緯から、中医学の得意分野は、病気を未然に防ぐ「治未病」、そして元気に長生きするための「養生」ということになります。これは今まさに、ヒトの医療現場でも動物の医療現場でも求められていることです。

当院では、西洋医学を中心に行いながら、漢方薬や鍼灸治療などの中医学を取り入れています。漢方薬は動物用に開発された飲みやすい錠剤をメインに使っていますが、内服しにくい子には、塗る漢方(漢方オイル)もお勧めしています。経絡の流れを整えたり(鍼灸)、日常の食生活に足りないものを取り入れたり(漢方薬)することで、全身のバランスを整えて病気を治し、また未病を防いだり健康を保ったりすることができます。血液検査や健康診断では異常がないけれど、なんとなく元気がなかったり体調の変化が気になる子、通常の治療ではできることがなくなってしまった慢性疾患や癌の末期の子などでも、まだまだできることがあるかもしれません。中医学に興味のある方は、ぜひご相談ください。

なお、中医学診断の初診の方は、午前中に受診するようにお願いします。

中医学診断について

季節やその子の生活環境、性格などを考慮したうえで、舌をみたり、肉球をみたり、体のほてりや冷えなどを見て弁証していきます。また飼い主さんには、以下のようなチェックシートにもご協力いただきます。

漢方薬について

「漢方薬は苦くてのみにくい」というイメージがあるかと思いますが、当院では、動物用に開発された錠剤の漢方薬を中心に処方しています。それでも食欲不振などで内服が難しい子などには、塗る漢方オイルの処方もしています。耳の内側の皮膚に塗るだけで、生薬の成分が血中に移行することが科学的にも証明されています。漢方オイルは患部に直接塗布したり、マッサージにも使うことができます。

鍼灸治療について

国際中獣医学院日本校で学んだ技術をもとに、鍼灸治療を行っています。鍼治療には多少の痛みは伴いますが、たいていの子は保定台の上で大人しく、治療を受けることができています。足腰の痛みや麻痺などには、低周波パルス治療器やレーザー治療器も併用して治療しています。