明けましておめでとうございます

昨年は地球温暖化の影響でしょうか、夏は猛暑、秋冬になっても暖かい日が長く続きました。

暖かい気候の中では動物も活発に活動することとなり、アーバンベアと呼ばれる都市型の熊の出没が問題となったり、昆虫やクモなどの虫も12月でも多くみられたりしました。

また、トコジラミ(南京虫)の被害が世界的なニュースにもなっており、人間・ペットともに寄生虫への対策が重要視されてきています。

当院では、フィラリアやノミ・マダニの予防駆除を例年より1か月長めに行うことをお勧めしましたが、1年通しての予防が必要になるのも、そう遠くない未来かもしれません。


また、ロシアのウクライナ侵攻は継続され、イスラエル・パレスチナでは戦争が発生し、悲惨なニュース映像をたくさん目にする1年でもありました。

戦後79年平和の中で生きてきた私たちにとって、外国での戦争はゲームの中のようで現実感が乏しいものです。

しかし実際に何万人もの人たちがなくなっています。

平和の中での生活はとても恵まれおり貴重なことであることを理解し、それが続くように努力していかなければいけません。

そのためには子供を含め若い人たちに歴史や情報を伝え、教えていくことが重要だと思います。


動物病院・獣医師としては、動物医療や公衆衛生の情報を多くの人に教えていくという役割があります。

初めてペットを飼う方は、フィラリアやノミ・マダニについて何も知らない方も多くいらっしゃいますし、それらの予防が重要ということは知っていても、ノミやマダニが犬猫を介して人に伝染病を媒介する可能性があることや、フィラリア症にかかるとどのような症状が出るかなど、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

自分たちにとっては当たり前と思っていることも、世間では知られていないということもたくさんあります。

今後も丁寧に説明することを心がけ、新しい診断方法や治療なども積極的に取り入れながら、たくさんの正確な情報提供を行えるようにしていきたいと思います。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。


2024年1月 千塚どうぶつ病院院長 稲葉祐次

2024年01月05日