『平和新聞ながさき版』
欄外100字×4のミニコーナー
2014年12月25日 満年齢 vs 数え年 |
0か1か? と言っても、二進法やデジタルではなく、どちらを基準にするかの話だ。0を基準にし、そこからの経過年を表したのが「満年齢」。生まれてから誕生日が来るまで年齢がゼロというのも考えてみればおかしなことだが。 1を基準にしたのが「~年目」。年齢では「数え年」。生まれた時点で「1歳」が与えられ、以降、元旦を迎えるごとに1歳ずつ加えられる。「歳神(としがみ)様が、正月にやってきて、みんな1つ歳を頂く」という考え方から来ているという。 西暦(元号)も始まりは1である。妊娠の月数、学年、厄年、享年、「~回忌」(一周忌を除く)も同様だ。七五三も数え年で行われていた行事だが、現在は満年齢でも行う。時代が変わり、実は数字自体が意味を成さないのだが。 さて満年齢は誕生日の前日の午後12時に1歳を加える。前日で年を取るのは、法律で「年齢は、生まれた日から起算する」と定められているから。つまり、誕生日を1日目とする「数え」の数え方。0と1、実は混在している。 |
2014年12月15日 科学技術 |
この1ヶ月の間に宇宙へのロマンをかき立てた出来事が3つもあった。1. 小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ成功。2. 欧州の探査機ロゼッタが史上初めて彗星に着陸。3. 火星有人探査をめざす「オリオン」が試験飛行に成功。 一方、米海軍は「レーザー兵器」の運用を12月10日から始めた。まだ破壊できるは小型の船や無人機程度だが、より強力な兵器開発をめざす。1発のミサイル発射費用が数十万ドルなのに比べてレーザー兵器は1ドル未満!?。 いま産業界は第4次産業革命の時代に来ているという。重化学工業が2次、IT産業の主導する3次。それに次ぐのが「ロボットや人工知能、ITの組み合わせ」。人工知能の管理下で生産コストを大幅に削減し、競争力を高める。 車いすの物理学者ホーキングは「ゆっくりとした進化しか遂げられない人類は人工知能と競争できず、取って代わられるだろう」と警告。判断を人工知能に委ねたことで人類が支配される―映画『ターミネーター』は近未来かも。 |
2014年11月25日 郵便 |
ネット上で郵便関係が話題になっているという。来年のお年玉付き年賀はがきの左上の「料額印面」には、羊が編み棒を持ち、マフラーをしたイラストが描かれている。そしてマフラーの模様として料金の「52」が表示されている。 話題性はこのことではなく、12年前の図案とのつながりだ。前回は同じ羊が編み棒を使って何かを編んでいる様子が描かれていた。12年かけてマフラーが完成したというわけだ。同じデザイナーによる粋な計らいに心が和む。 さて消費税8%の実施に伴って郵便料金も値上げされ、今年3月から2円切手のデザインが変更となり、他に6種類の普通切手が発行された。ところが来年2月から残り12種類の普通切手のデザインもすべて変更になるという。 今回の変更理由は料金ごとに絵柄の種類を分類し、文字の表示位置を統一するためという。ただ解散の動き直後の発表だけに、もともと消費税10%への対応だったと勘ぐれる。暫くは切手の額面変更が必要ない社会を実現しよう。 |
2014年11月5日 四神 |
1983年の11月7日、奈良県明日香村のキトラ古墳で壁画に「玄武」の絵が発見された。98年には「白虎」と「青龍」が、そして01年には「朱雀(すざく)」が発見され、すべてが描かれていることが判明。日本で初めてのことだった。 地球から見た月の通り道を28のエリア(宿)に分割し、その方位にある星座を割り当てる。乙女座アルファ星を起点に4方角の七宿ごとにまとめ、その繋げられた形を聖獣に見たて、東方青龍・北方玄武・西方白虎・南方朱雀と呼んだ。 もともと二十八宿は、古代中国の天文学として月の位置を示すために用いられていた。しかしこれが干支のように年・月・日に各28周期で配当され、付随して吉凶が与えられた。現在では吉凶占いの中だけに利用されている。 旧暦11月15日は朱雀第2宿の鬼宿(たまをのぼし:かに座のシータ星)にあたる。二十八宿で最良の万事に大吉の日で七五三が祝われる。だが収穫の終わる11月の満月に子どもの成長を合せて神に感謝する解釈が自然。 |
2014年10月15日 国体 |
「国体」=国民体育大会が長崎県で始まった。各都道府県持ち回り方式で毎年開催されるが、ひかりの郷(さと)日光国体、やまがた樹氷国体を知っている人は少ない。今年2月開催の冬季大会(スケート・アイスホッケー、スキー)だ。 1948年から天皇杯・皇后杯が登場した。64年の新潟国体以降、開催都道府県が獲得することがほぼ常態化している。巧妙なからくりがあるからだ。「スポーツ精神を高揚して健康増進と体力の向上」の目的は、開催県では該当しない。 10月11日の晩、天皇・皇后の泊まったホテルが見える諌早の河川敷では3000人以上が集まって提灯奉迎が行われた。「天皇陛下万歳」の唱和には唖然とする。「国体」=天皇が統治する国家体制、の復活を企む輩(やから)たちがいる。 翌12日の総合開会式ではブルーインパルス(航空自衛隊の宣伝のための曲芸飛行チーム)が飛行した。かつて国体で飛んだのは1965年のみだったが、10年に復活(11年は震災で中止)。いけいけどんどんにレッドカードを。 |
2014年09月25日 新幹線 |
いまから50年前の1964年10月1日、東海道新幹線が開業した。当時は東京―新大阪間を「ひかり」は4時間、「こだま」は5時間で結んだ。その9日後には東京オリンピックが開催され、日本は高度成長期の真っただ中にあった。 あれから半世紀、いま東海道新幹線「のぞみ」は最速2時間半で東京―新大阪を結ぶまでになった。そしてまもなく、超電導で浮上走行する「リニア中央新幹線」が着工する。名古屋まで40分、新大阪まで67分と試算されている。 速いことは良いことなのだろうか?昔なら1泊2日の出張も新幹線、航空機では日帰りできてしまう。帰着してから会議という場面もあるだろう。科学技術の進歩で「余った時間」を人間の幸福のために利用させない社会が問題だ。 スピード化は社会に差別を生み出す。「時間をかせぐ」人は優遇されるのだ。新幹線開通によってローカル線は本数が減り、列車連絡も悪くなる。遅い乗り物の乗客は「時間を奪われる」。リニアの開通で「のぞみ」もなくなる?! |
2014年09月15日 名月 |
9月5~9日は中国の三大節句の一つ「中秋節」。長崎市の新地中華街には満月に見立てた黄色いランタン約千個が飾られ幻想的な雰囲気を醸し出した。期間中は中国獅子舞や二胡の演奏、月餅がもらえるスタンプラリーがあった。 今年の「中秋の名月」は9月8日だったが、実は満月ではなかった。中秋の名月は旧暦8月の15日(新月を含む日から数えて15日目)の月。満月は、地球から見て月と太陽が反対方向になった瞬間で、翌9月9日に起きた。 中秋の名月に次いで美しいとされるのが旧暦9月の十三夜月で、今年は10月6日にあたる。ところが今年は旧暦10月の前に閏9月が入る。「後の十三夜月」は11月5日に出現する。三度の名月を楽しめるのは171年ぶりという。 満月の翌日は十六夜(いざよい)月。いざよいは「ぐずぐずする」の意。月の出は、ほぼ日没の満月を境に約1時間ずつ遅くなる。17日~20日の月には、立待月、居待月、寝待月、更待月の異名がある。日ごと遅くなる月の出を楽しむ余裕が欲しい。 |
2014年08月25日 コウモリ |
あれは飛行機か、ヘリコプターか?いやオスプレイだ。相容れない両者の機能を備え、従来のヘリ同様に強襲揚陸艦に載せるために回転翼が小さくなった。そのため離着陸時の風圧はすさまじく、両者の中間モードは不安定に。 川内原発の再稼働が目論まれている。原子力規制委員長は「避難計画」のない新基準に合格としながら「安全だとは申し上げない」と明言。官房長官は「原発の安全性は規制委員会の判断に委ねる」。誰も責任が持てないのが教訓か。 安倍内閣は「海外での武力行使容認」の閣議決定を強行。日本国民向けには「憲法解釈の基本的考え方を、何ら変えるものではありません」。海外では「安全保障の法的基盤を一新しようとしている」と本音演説。姑息な二枚舌だ。 イソップ寓話。鳥一族と獣一族が争っていたとき、常にコウモリは優勢側の方に寝返って「容姿が同じ仲間だ」とアピール。やがて争いは終わり両者は和解をする。コウモリは両者から嫌われ、暗い洞窟へ身を潜めるようになった。 |
2014年07月25日 ウナギ |
回転寿司や居酒屋に「シーラカンスのにぎり」「トキの焼き鳥」があったらどう思うだろうか。「そりゃあ食べてみたい」「そんな貴重なものを食べたらすぐ絶滅だ」。実はニホンウナギの大量消費もこれらと同レベルになるという。 今年6月、国際自然保護連合会がニホンウナギを絶滅危惧種1Bに登録した。この30年で個体数が50%以上減り、「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」という分類だ。原因は乱獲や生息地の環境悪化、海の回遊ルートの障害等。 実は世界で食されるウナギの7割以上が日本人の胃袋に。ヨーロッパウナギを絶滅寸前にし(EUは輸出禁止措置)、今度はニホンウナギ、さらに東南アジアのビカーラウナギも食べ尽くすのかと世界では非難する声があるという。 絶滅危惧種にはなったが直ちに輸出入や食の禁止とはならない。しかしワシントン条約で規制対象になる可能性が高まる。まもなく土用の丑の日、今のうちに食べないとどんどん値上がりする。でも消費増税ですでに「高値」の花。 |
2014年07月15日 世界遺産 |
7月10日、文化庁は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を世界文化遺産として推薦することを決定。実は昨年も推薦されていたが、安倍内閣の肝いりで政府が推薦した「明治日本の産業革命遺産」が日本からの候補となった。 今年の世界遺産委員会は日本の「富岡製糸場と絹産業遺産群」を含む26件を世界遺産に登録した。これで登録総数はついに1000件を超えた。日本の自治体の多くが登録による観光客の増加を目論んでいることは否定できない。 「危機遺産」はその意義を失いかけている世界遺産のことだ。世界自然遺産登録第1号のガラパゴス諸島は観光客増加で生じた影響から07年に危機遺産リスト入り。エクアドル政府の懸命の取り組みで10年にリストから削除。 「危機遺産」こそが真の世界遺産である。「世界遺産」はダムによる水没の危機にさらされたエジプトのアブ・シンベル神殿を救おうとする声の高まりの中で生まれた。観光客を増やして「世界遺産」を危機に陥れるなど本末転倒。 |
2014年06月25日 蟻の一穴 |
政府の「成長戦略」に労働時間の適用除外が盛り込まれることになった。高度な職能を持つ年収1000万円以上の労働者に限り「成果で評価」し、残業代はゼロとなる。労基法に風穴が空き、対象者が拡大することは目に見えている。 1985年「労働者派遣法」が成立。専門職13業務にのみ派遣労働を認めた。96年に26業務に拡大、99年には禁止業務以外は派遣可能に。04年には特定製造業も派遣解禁。政府は最長3年の派遣を生涯派遣にと目論んでいる。 湾岸戦争後、自衛隊が任務として初めて海を渡った。ペルシャ湾に遺棄された魚雷の処理は「武力行使目的ではない」。国連PKOへの自衛隊参加も「他国軍と武力一体化しない」。その後も「後方支援」「非戦闘地域」と派兵は拡大。 「蟻の一穴」とはよく言ったものだ。頑丈な堤も蟻の穴から崩れるように些細なことが大きな災いを招く喩え。集団的自衛権の「限定」行使もそうかと思いきや、一挙に9条の堤を壊そうとしている。これは反転攻勢のチャンスだ。 |
2014年05月25日 山の日 |
2016年から祝日が1日増えて年間16日になる。この5月23日、参議院本会議で、8月11日を「山の日」と定める祝日法改正案が可決成立した。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」というのがその制定趣旨だ。 法案は、超党派の国会議員でつくる「『山の日』制定議員連盟」による議員提案。当初はお盆休みにつながる8月12日でまとまったが、この日は日航機墜落事故があった日。慰霊登山や式典が行われていることから再考となった。 実はいくつかの府県では条例で「山の日」を定めている。静岡県は2月23日(富士山の日)。他の日付の多くには「八」の文字が山の形に見えるため「8」、木が立ち並ぶイメージから「11」がふくまれる。だから8月11日になったとか。 祝日が増えるのは喜ばしいが、実生活は変わるのか。自由に年休がとれない職場の状況、休みの日ぐらい寝ていたいほどの劣悪労働環境。強制的に「取らされる」大型連休に出かければ渋滞の列。人間性回復への課題は山とある。 |
2014年05月15日 慣用句 |
「ことば食堂にようこそ!」文化庁がホームページで、本来とは違う意味で使われやすい慣用句を解説するコント風の4分程度の動画を公開している。毎月第1・第3金曜日に追加し、来年2月まで全20メニューをとりあげる。 『役不足』について。文化庁の「国語に関する世論調査」では「本人の力量に対して役目が重すぎること」と理解している人が50%を超えている。解説では“役目に対する自分の力量が不足”と捉えてしまっていると指摘する。 さて正解はどっち?『その発言は流れに棹さすものだ』ア傾向に逆らって、ある事柄の勢いを失わせるような行為,イ傾向に乗って、ある事柄の勢いを増すような行為。『そろそろ潮時だ』アちょうどいい時期,イものごとの終わり。 『その人は気が置けない人ですね』ア相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい,イ相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない。『彼の発言は噴飯ものだ』ア腹立たしくて仕方ないこと,イおかしくてたまらないこと。 |
2014年04月25日 ハリケーン |
ロックの時代を作り、時代を変革し、様々な人々の人生に影響を与え続けてきたボブ・ディラン。もうすぐ73歳だが毎年世界各地100ヶ所以上でライブツアー。今年は日本で3月31日~4月23日までに17回の公演を行った。 「ハリケーン」は1966年に起きた冤罪事件を扱ったディランのプロテストソングの傑作。殺人罪で無期懲役となった黒人プロボクサー、ルービン・カーターは再審請求を何度も却下されながらも闘い続け、88年に無罪となった。 「ハリケーン」はカーターのリングネーム。ディランは本人と面会してこの歌をつくり、各地で支援コンサートを開いて歌った。これが社会的関心を呼び、再審請求につながったという。99年には映画化され、この歌が流れた。 ことし3月27日、同じプロボクサーで同じ66年の殺人事件で死刑判決を受けていた袴田巌さんの再審請求を静岡地裁が認定。カーターは釈放後、袴田さんを支援してきた。4月20日、袴田さんの釈放を見届け、息を引き取った。 |
2014年04月15日 科学技術週間に |
4月18日は発明の日。1885年に「専売特許条例」が公布されたことに由来する。この日を含む月~日の1週間が「科学技術週間」と定められ、科学技術に対する理解・関心を広げ、日本の科学技術の振興を図ることを目的としている。 戦後、平和目的に限定して発展してきた日本の科学技術。1969年に宇宙開発は平和目的に限定の衆院決議を可決。しかし08年には「安全保障に資する」を組み込んだ宇宙基本法が成立。12年には原子力基本法にも反映された。 昨年12月、安倍政権は全省庁、行政機関を指導する指針として機能する国家安全保障戦略を制定。安全保障を支えるために知的基盤の強化を掲げ、高等教育機関での安全保障教育の拡充・高度化、実践的な研究の実施等を求めた。 3月26日、平和と福祉の理念に基づく研究を謳ってきた海洋研究開発機構が水中無人探査機等の研究協力協定を防衛省技術研究本部と結んだ。翌日、情報通信研究機構もサイバーセキュリティ技術等で研究協力協定を結んだ。 |
2014年03月25日 アカシア |
この道はいつか来た道…。安倍首相の独裁ぶりに思わずこのフレーズが口をついて出てくる。北原白秋作詞の童謡「この道」の冒頭だ。もっとも白秋の詩にそんな意図はなく、「ああそうだよ/あかしやの花が咲いてる」と続く。 アカシアの雨にうたれて/このまま死んでしまいたい…。60年安保の最中に発表された西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」。芹沢光治良の小説『巴里に死す』をモチーフに「退廃的」な詩を書いたのは水木かおるだった。 実はこれらの歌の中のアカシアは明治期に日本に輸入された「ニセアカシア」だ。「本物」が輸入されるようになり、区別するために「ニセアカシア」と呼ぶようになった。ニセは偽称したからではなく、「アカシア擬き」という学名。 「ニセアカシア」は初夏に強い、甘い芳香を放つ。その一方で成長が早く「要注意外来生物リスト」にあげられている。安倍首相の唱える「積極的平和主義」は「ニセ平和主義」どころではなく「軍事威嚇による外交路線」だ。要注意! |
2014年03月15日 ミモザ |
3月8日は国際女性デー。20世紀の初めにパンと参政権を要求して立ち上がった米国の女性のたたかいが発端。女性に対する差別撤廃と平等な社会参加を求める世界の女性の統一行動日として3月8日に行われるようになった。 女性デーのシンボルとなっているのが鮮やかな黄色で、ふわふわした花のミモザ。英語の発音はミモウサ、イタリア語がミモザ。イタリアでは3月8日が「ミモザの日」で男性が女性に感謝の意を込めてミモザを贈る習慣がある。 さてパントマイムは身体や表情で表現する劇の形態である。そのルーツは古代ギリシャの身振り劇であるミモスにあるという。その名前は、刺激を与えると葉が閉じるマメ科のオジギソウ属のラテン名(学名):ミモザに由来する。 黄色のミモザは、実はマメ科アカシア属のフサアカシヤ、ギンヨウアカシアだ。葉はミモザに似ているが触っても閉じない。英国で、南フランスから輸入するフサアカシアの切花を形状が似てるのでミモザと誤って呼称したのだ。 |
2014年02月25日 ソチ冬季オリンピック |
約2900選手が参加した冬季オリンピック・ソチ大会は多くの熱いたたかいと感動を残して終了した。開会式で起きた“四輪”ハプニング、閉会式ではこれを逆手に取って“五輪”にする粋な演出があった。人文字でというのがいい。 ソチのすぐ西はウクライナだ。反政権派と治安部隊が衝突する最中でのオリンピック参加となった。休戦「合意」後の死者続出に抗議の棄権をする選手。20年ぶりの金メダルで「この勝利を祖国のためにささげる」と語った選手。 ウクライナ東部・南部は親ロシア、北部・西部は親EUの傾向が強い地域だ。今回の政変の引き金は親ロシア政権がEU協定調印を拒否したこと。ウクライナ国旗は上半分が青で下半分が黄色。お互いが「補色」の関係にあるはずだ。 次回の冬季オリンピックは、2018年2月に韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される。韓流ブームのきっかけとなった「冬のソナタ」のロケ地の1つでもある。4年後の南北、日韓、北東アジア関係を平和の祭典に相応しいものに。 |
2014年02月15日 ピート・シーガー |
1月27日、ピート・シーガーが亡くなった。享年94歳。米国を代表するフォークシンガーで米国の古い民謡や労働歌なども数多く掘り起こし、公民権運動、ベトナム反戦運動、反核・平和運動など「民衆のたたかい」に寄り添った。 ジルフィアは米南部のタバコ労働者がストライキで歌っていた賛美歌をピートに教えた。ピートは詩を改変し、ハミルトンとキャラワンに教えた。2人がリズムを変えた歌は一挙に南部労働者に広まった:『We Shall Overcome』 ジャネットはトルコの詩人ナジム・ヒクメットの詩を英訳し、ピートに曲を依頼した。いい曲が浮かばないピートは学生ジェイムスが創っていたメロディーを無許可で使ってしまった:原水爆禁止運動で歌われた『死んだ女の子』 マルビナは軍隊を皮肉った『アンドラ』の詩を書いた。ピートは作曲を手がけ、2連の詩を追加。高田渡がこれに創詩してできたのが反戦歌の傑作『自衛隊に入ろう』。そのパロディで『東電に入ろう(倒電に廃炉)』が生まれた。 |
2014年01月25日 伏せ字 |
日清戦争直後の1899年に「軍機保護法」が制定された。国民を軍事情報から遠ざけるとともに、戦争批判を封じ込めて「国家総力戦」を遂行するため、一般の人びとを脅し、政府が国民を管理、統制するために力を発揮した。 宮武外骨は明治・大正期に政治家や官僚、行政機関、マスメディアを含めた権力の腐敗を追及したジャーナリスト。1901年に権力風刺の『滑稽新聞』を創刊。日露戦争時には軍の情報統制を皮肉って伏せ字だらけの記事を載せた。 「今の○○軍○○事○○当○○局○○○者は○○○○つ○ま○ら○ぬ○○事までも秘密○○秘密○○と○言う○て○○新聞に○○○書○か○さぬ○○事に○して○いるから○○新聞屋○○は○○○聴いた○○事を○○○○載せ○○ られ○○得ず○○して○○丸々○○○づくし○○の記事なども○○○多い」。伏せ字にされると原文がどうだったか推測するのは大変だ。しかし外骨の伏せ字文は明瞭だ。○をすべて飛ばし読みすればいい。「今の軍事当局者は……」。 |