ホーム

『平和新聞ながさき版』
欄外100字×4のミニコーナー

2013年12月25日 符号

秘密保護法のイロハ。と言っても初級編のことではない。別表では特定秘密の範囲を4分野23項目あげているが、あいまいで事実上無制限だ。その項目の区分が「イロハ」なのだ。法律では条・項・号の次の細目として使うという。

2001年の米国テロ事件の時に広く知られるようになった米軍の警戒レベル。通常はアルファ(A)、予防措置はブラボー(B)、テロ警戒はチャーリー(C)、重大警戒レベルはデルタ(D)。こちらはA, B, Cで始まる英単語による符号。

米国のICBM発射サイロ群の符号:アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ、エコー、フォックストロット、ゴルフ、ホテル、インディア、ジュリエット、キロ、リマ、マイク、ノベンバー、オスカー、パパ、ケベック、…と順に続く。

沖縄県周辺にはホテル、ゴルフ、マイクなど広大な在日米軍の訓練区域がある。佐世保基地のインディア・ベイスン、ジュリエット・ベイスンもIとJの符号だろう。実はこれらは無線通信でのアルファベットの世界共通の呼び方だ。

2013年12月15日 今年の漢字

2013年を表す漢字は「輪」。日本漢字能力検定協会が全国から募り、17万290通の応募のうち、「輪」が最多の9518通(5.6%)だったという。「楽」が5.0%、「倍」が4.2%と続く。世相をこんな少数で決められては困る。

まずは「偽」。新年早々、原発事故の手抜き除染が発覚した。大手ホテルでは高級食材の偽装表示、JR北海道の手抜き検査・虚偽報告。そして偽りの政治家?高裁で衆議院選挙の違憲・無効判決、最高裁では後退したが違憲状態。

国民を代表しない政治家ゆえの「暴」走。公約違反のTPP参加、「聖域」も反故に。庶民の懐は暖かくなっていないのに消費増税決定。「戦争司令部設置法」や「国家情報隠ぺい・人権抑圧法」を強行。武器輸出三原則も全廃へ。

そして「騒」。秘密保護法案反対の声は、これまでの運動とは質的に違う広がりを見せた。希代の悪法に対する日本の良心の反応だ。推進側には「テロの恐怖」と映ったようだ。悪法成立でも止まない「騒」を来年は「爽」に!

2013年12月5日 秘密保護

合衆国憲法修正第1条(1791年)を知っていますか?合衆国議会は、…言論または報道の自由を制限する法律、ならびに、市民が平穏に集会しまた苦情の処理を求めて政府に対し請願する権利を侵害する法律を制定してはならない。

機密指定に関する米大統領令を知っていますか?…国家安全保障の重要な情報の保護と、機密指定基準と手順、確実で効果的な指定解除の正確で責任ある適用によって開かれた政府に対する責任を示すことは、等しく重要である。

ツワネ原則(2013年)を知っていますか?国家秘密指定の期限や公開請求手続きを定める。独立監視機関を置く。情報開示が秘密保持による公益を上回る場合には内部告発者は保護される。メディアなど非公務員は処罰の対象外。

法務省は12月4日から10日までを人権週間と定め、人権尊重思想の普及効用を図るとしている。65回目となる今年の標語は「みんなで築こう人権の世紀」。人権抑圧の「秘密保護法」を強行するなら人権週間は無きに等しくなる。

2013年11月15日 さよなら原発クイズ

福島県の原発は関東圏に電気を提供し、福島県自体の電気は東北電力が供給していることを多くの人々が知った。
Q1:東電柏崎刈羽原発のある新潟県の電気は誰が供給しているでしょう?
  (1)東北電力,(2)東京電力,(3)中部電力

A1:(1)東北電力。同じ甲信越の山梨県は東京電力,長野県は中部電力。戦前の配電エリアに固執する姿が見えてくる。
Q2:フィンランドの使用済核燃料の処分場。地盤が動いていない期間は?
  (1)1200年,(2)120万年,(3)12億年

A2:(3)12億年。人々は地震を感じたことがないという。しかも日本と国土は大差ないのに人口はたった500万人!
Q3:国の未来は国民の手で決められる。原発をやめた国はどこ?
  (1)イタリア,(2)フィンランド,(3)南アフリカ

A3:(1)イタリア:チェルノブイリ原発事故の翌年に国民投票を実施して原発を廃止した。フィランドは4基が稼働中であと3基つくるがちゃんと処分場もつくり2100年で終結する。しかし日本は将来のビジョンを描けない。

2013年10月25日 10・21

2020年のオリンピック開催地が東京に決まった。主会場は明治神宮外苑に建設される新国立競技場だ。現在の国立競技場の全面建て替えで、開閉式の屋根を備え、8万人を収容できる全天候型スタジアム。総工費は1300億円。

70年前の10月21日、明治神宮外苑競技場(現国立競技場)で出陣学徒壮行会が開かれた。兵員とくに下級将校不足を補充するため、それまで徴兵猶予だった20歳以上の大学生(主に文科系)を召集して戦地におくった。

1967年10月21日、米国のベトナム侵略戦争に抗議して初めての世界的な統一行動が展開された。ワシントンでは10万人以上が参加、日本では376ヶ所で集会が持たれた。この統一の力がベトナム人民の勝利へとつながった。

この10月25日、安倍内閣は国民の知る権利を奪い、監視社会をつくる「特定秘密保護法案」を閣議決定。再び戦争国家への道を歩み出そうとしている。これを食い止め、歴史の歯車を正しく回せるのは幅広い共同と統一の力。

2013年10月15日 伊勢神宮

「神様のお引っ越し」?伊勢神宮で20年ごとに社殿を建て替える式年遷宮が行われた。初回は690年で、その後、約130年に及ぶ中断や何度かの延期を経て今回が62回目。国家繁栄が永続する「常若」の願いを込めているとか。

日本の神道の総本山的な位置付けの伊勢神宮は大小125の宮社からなり、内宮に祀られているのは皇室の祖神とされる天照大神。一方、今年5月、出雲大社でも60年ぶり、29回目の遷宮が行われた。こちらの祭神は大国主命。

さて、安倍首相はこの式年遷宮の儀式に現役首相としては戦後初めて出席。「私人としての参列だ」とうそぶくが「天皇を戴く国家」「天皇元首」「国防軍」「国の宗教活動は社会的儀礼内なら合憲」とする自民改憲草案実現への布石だ。

「いせ」「いずも」は海外派兵の旗艦として建造されている自衛隊最大のヘリ搭載護衛艦の艦名だ。最近販売された海自佐世保地方隊創立60年切手シートでは佐世保には無関係の「いせ」が登場。便乗か「国防軍」への改憲祈願か。

2013年09月25日 イプシロン

「3・2・1・0…あれ?」姿勢異常の誤検知で打ち上がらなかったイプシロン・ロケット。9月14日には無事成功し、惑星観測衛星「ひのき」を軌道に投入した。パソコン2台・数人による“モバイル管制”が話題となった。

イプシロンは固体燃料ロケットで弾頭を積めば即応性に優れたミサイルに転用可能だ。昨年JAXA法の改悪で「平和目的に限り」が削除され、「安全保障分野」に道を開いた。ICBMを持てないとする解釈も憲法改悪となれば危うい。

『鉄腕アトム』の「地上最大のロボットの巻」をリメークした浦沢直樹の『PLUTO』に登場するエプシロンは太陽光が動力源。最高の戦闘力を持ちながらも敵の説得を試みるが、逃げ遅れた子どもたちを守って破壊されてしまう。

1977年に打ち上げられた惑星探査機ボイジャー1号が太陽系を脱出していたことが判った。収められた地球文明の音や画像が地球外知的生命体による発見・解読を待っている。核やミサイルによる脅しの何とちっぽけなことか。

2013年08月25日 盆休み

今年は盆休みの「帰省ラッシュ」のピークが8月10・11日、「Uターンラッシュ」のピークが17日となった。8月15日には初盆を迎えた故人の霊を浄土へ送り出す精霊流しが各地で行われ、長崎市は8万人の人出で賑わった。

お盆は「盂蘭盆」の略で、苦しんでいる亡者を救うための仏事で7月15日に行われていた。新暦に替わってからは農作業が一段落する月遅れの8月15日となり、13日に祖先の霊を迎え入れ、15日に海や川に送るようになった。

盆休みは農村から都会に働きに出ていた奉公人が親元に帰ることを許された日であり、正月休みとともに薮入りといわれた。薮入りは「高度経済成長」期に長期休暇を利用した「帰省ラッシュ」「Uターンラッシュ」に姿を変えた。

原発震災から3年目の夏。4町の「帰還困難区域」で初めて墓参りが許された。まさに「帰省」しての墓参りだ。しかし中学生以下や妊婦の参加は事実上不許可。白い(簡易)防護服をまとって両手を合わせる姿はいたたまれない。

2013年08月05日 花火大会

夏の風物詩の花火大会。7月27日に開催された隅田川での花火大会は激しい雷雨のため開始から約30分後に初めて中止になった。打ち上げられなかった花火約1万4900発は安全が保障できないため解体後、焼却するという。

かつては花火職人が直接点火していた打ち上げ花火。危険度も高く、1980年代には電気を利用した遠隔点火方式が導入された。現在はコンピュータによって制御されている。花火デザイナーが演出をしていると聞くと興ざめか。

1732年、享保の大飢饉が起こり、江戸ではコレラが蔓延する。徳川吉宗は隅田川で水神祭を催し死者の供養をした。翌年には水神祭にちなみ隅田川の川開きで花火を打ち上げた。これがその後、中断されつつも今日に続いている。

東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市。石巻川開き祭が開かれ、8月1日には技巧を凝らした創作花火や新潟県中越地震の被災地の団体から贈られた復興祈願花火が打ち上げられた。希望を乗せた大輪が夜空と川面を彩った。

2013年07月15日 アン・ドゥ・トロワ

「アン・ドゥ・トロワ」はキャンディーズの解散発表後にリリースされたシングル曲。フランス語で「1・2・3」を意味する。デュオやデュエットは「2」に関係し、トリオやトライアングル、トロイカは「3」に関係した言葉だ。

最近、福島を騒がせているのはトリチウム;目方が普通の水素の3倍ある三重水素。半減期12.3年で弱いベータ線を出す放射性物質だ。原発の中では核分裂に伴って生じ、自然界でも窒素や酸素が宇宙線と反応して生じている。

デューテリウムは二重水素で自然界に安定に存在する。トリチウムとデューテリウムが融合すると膨大なエネルギーを出す。だが易々とは融合してくれない。地上ではウランやプルトニウム原爆による超高温が必要。これが水素爆弾。

宇宙の90%は普通の水素。これが大量にあるとその重みで星がつくられ内部は超高温になって水素が融合し輝き出す。太陽の誕生だ。その光のエネルギーが自然エネルギーの源。アン・ドゥ・トロワ、あなたはどれが好きですか?

2013年06月25日 UFO

6月24日は「UFO記念日」だそうだ。1947年のこの日、アメリカの実業家アーノルドが正体不明の9機の飛行物体を目撃し、「水の上をスキップする皿のようだった」と語った。記者はこれをフライング・ソーサーと表現した。

それから2週間後、牧場主のブレーゼルがニューメキシコ州ロズウェルで、牧場内に何かの残骸が落ちていることを発見。残骸を回収したロズウェル基地は「フライング・ソーサーを回収した」と発表、ニュースは世界中に広まった。

英国防省は1950年からUFOの目撃情報などを集め、軍事上の脅威となるかどうか分析してきた。しかし「地球外生命体の存在を示す情報はなく、軍事上の脅威もない」として中止。英公文書館は2008年から資料公開を始めた。

さてロズウェル基地には唯一の原爆投下部隊が置かれていた。回収された残骸は、軍のトップシークレットだったソ連の核実験を探知するための気球。極秘計画は1950年に終了したが「UFO」の噂を利用して隠蔽されてきた。

2013年06月15日 韓国の原発

韓国の原発のはなし。現在、稼働中の原発は23基、発電能力は日本の約半分で、世界5位。この韓国で検査書類が偽造された部品が18基で確認された。うち運転中の9基は電力需要ひっ迫のため止めずに部品検査するという。

偽造があったのは制御ケーブル、放射能感知センサー、水素除去装置、水位測定器などの検査書というから恐ろしい。しかも試験と納品審査の過程での癒着も指摘されている。安全性そっちのけで利権に群がる体質はどこも同じか。

さて、この5月7日、韓国の原発の名称が変更になった。霊光(ヨングァン)1~6号機がハンビットに、蔚珍(ウルチン)1~6号機がハヌルに。それぞれ「大きな光」「広い世界」の意味だそうだ。建設中の新蔚珍もシン・ハヌルに。

原発名の多くは立地地域名から来ている。「故障や事故が起きるたびに国民に地域に対する否定的な印象を与え、特産物販売に弊害がある」という住民要求に応えた変更だ。名前だけ変えても潜在的な危険は変わらないのだが。

2013年05月25日 竜巻

馬が、ボートが空中を飛んだ…。5月20日に米南部のオクラホマ州を襲った巨大竜巻は最強クラスで、最大風速は秒速90m。子ども9人を含む死者24人を出した。建物被害2400戸、被害総額は2000億円を超えるとみられる。

米国の竜巻の年間発生件数は日本の50倍の約1000件にも。とくにオクラホマ州が多い。メキシコ湾からの湿った暖かい南風とローッキー山脈越えの乾いた冷たい西風で大気が不安定になり、上昇気流が回転して凶暴化する。

1996年公開の米国映画『ツイスター』は「竜巻を追い観測する研究者」を扱った作品。危険を冒して車で竜巻に接近し、観測機「ドロシー」で内部のデータを得ようと奮闘。実在するオクラホマ大学の研究チームがモデルとなった。

レーダー技術の発達で規模が予測でき、進路を判断して警報が出された。最大の住宅密集地に到達する30分前のことだった。ツイッターでも状況を刻々と発信し続けた結果、竜巻の規模の割には死者を少なくすることができた。

2013年05月15日 終戦

5月8日は「欧州戦勝記念日」。1945年5月7日、ドイツ国防軍作戦部長ヨードルが無条件降伏文書に調印した。停戦発効は翌8日の午後11時過ぎだった。ドイツではすでに多くの地が解放されており、この日が終戦日となった。

日本の「終戦記念日」8月15日は天皇がポツダム宣言受諾を国民に知らせただけの日だ。9月2日、東京湾上の戦艦ミズーリ号で政府全権の重光葵外相と大本営全権の梅津美治郎が降伏調印したことで、初めて戦争が終わった。

さて沖縄戦の終結はどうだろうか。第32軍司令官の牛島らが自決したとされる6月23日で組織的戦闘は終了した。日本の降伏調印の後、第32軍の代表3名が米嘉手納基地内で降伏調印し正式に終結した。9月7日のことである。

40年目の終戦の日、西ドイツのワイツゼッカー大統領はドイツの責任を説き、「過去に眼を閉ざす者は、未来に対してもやはり盲目となる」と演説。安倍や橋下の歴史認識がまさにそうだ。こんな輩に憲法を変えられてなるものか。

2013年04月25日 憲法

4月17日の米上院本会議は、銃購入者の犯罪歴など身元確認を義務づける銃規制強化法案を否決した。世論調査では90%前後の支持があったといわれ、オバマ大統領は「ワシントンにとって恥ずべき日だ」と議会を非難した。

背景には権益が損なわれることに危機感を抱いた全米ライフル協会の圧力がある。だが本質は米国憲法修正第2条の「武装の権利」である。今年1月に銃規制強化法が成立したニューヨーク州では違憲訴訟が起こされたほどである。

バージニア大学のミラ・バースティーグさんらは世界188ヶ国729 本の憲法をつぶさに分析し、国民の各権利の反映状況を時代別に順位付けした。最下位は60位「武装の権利」で米国以外にはメキシコとグアテマラ、ハイチしかない。

第1位は「信仰の自由」で、日本国憲法は以下19位までを66年前に反映させた優れものだ。だがバースティーグさんは「世界の憲法は人権と民主化のばらつきが今も大きい」と言う。変えるべきは憲法からずれた日本社会だ。

2013年04月15日 メートル法

4月11日はメートル法公布記念日。1921年のこの日、日本は尺貫法を廃止してメートル法を制定。だが51年にメートル法使用の義務付け、66年に尺貫法の使用禁止をせざるを得ないほど、使い慣れた単位の変更には抵抗があった。

メートル法は、革命期のフランスで、世界共通の統一単位制度の確立を目指して制定された。当時1mは地球の赤道と北極点の間の海抜ゼロにおける子午線の長さの1千万分の1とされた。現在は光の速度を使って定義されている。

いまや世界標準となったメートル法だが、唯一米国だけは依然としてヤード・ボンド法の方が主流だ。グローバル化が大好きな米国がこれに固執するのは建国以来の伝統を守りたいからか、それとも単にフランスが嫌いなだけ?

さて日本でもヤード・ポンド法は禁止されているが、例外として使用が認められているものがある。航空交通管制、在日米軍隊が使用する場合、自衛隊が武器の一部として使用する計量器などだ。ここでも対米従属が垣間見える。

2013年03月25日 世界気象デー

3月23日は世界気象デー。1950年のこの日、世界気象機関条約が発効したことを記念する日。世界気象機関は、気象業務に関する国際的な調整・標準化・改善や、気象情報の交換促進を目的とし、185か国・6地域が加盟している。

世界気象機関は毎年この日にキャンペーンを行う。今年のテーマは、「人と国土を守るため?世界気象監視計画50年」。自然災害から人と国土を守るためには気象衛星観測網の整備、データの迅速な交換・分析と予測が不可欠だ。

世界気象機関への日本の拠出金は4年間で30億円弱。災害時に活用できるという口実で内閣府予算で打ち上げられている「情報収集衛星」には毎年600億円以上を投入している。だが軍事機密ゆえ、どう活用されたかさえ非公表。

今年3月23日、長崎海洋気象台は長崎で桜が満開になったと発表した。平年よりも11日早く、この60年間で最も早い記録という。最近、いろいろなところで変動幅が大きくなっている。良い方への大変動なら歓迎なのだが。

2013年03月15日 お水とり

めっきり春めいてきた。3月12日は奈良に春を告げる行事、東大寺二月堂の「お水取り」。巨大な松明11本がお堂の欄干から打ち振られ、ぐるぐると回されて火の粉を散らす。その後、若狭井から水を汲み十一面観世音に備える。

お水取りは「修二会」の12日目の晩の行事だ。この法会は旧暦の2月1日から行われていたので、二月に修する法会の意味がある。また二月堂の名もこのことに由来している。現在では3月1日より2週間にわたり行われている。

さてこの修二会は752年に始められて以来、現在まで一度も途絶えたことがない。1667年に二月堂が火災焼失したときも三月堂で行われ、太平洋戦争の最中、直後も続けられ、今年で1262回を数える。東大寺ある限り不滅か。

3月10日は東京大空襲、11日は東日本大震災が起こり原発事故の引き金となった。修二会は元々東大寺の僧侶たちが自らの犯した罪穢を懺悔し、同時に国家安泰と万人の豊楽を祈る法会だ。人類の愚行を反省するいい機会では?

2013年02月25日 隕石

猛スピードの火の玉、大きな爆発音…。2月15日、ロシアのチェリャビンスク付近に隕石が落下し、7420軒もの建物が被害を受け、1586人が負傷した。映画アルマゲドンの1シーンのような自然の脅威を見せつけられた。

米航空宇宙局(NASA)によると地球大気に衝突して分解する前の隕石の大きさはわずか直径17m。問題はそのスピードが秒速18kmもあったこと。運動エネルギーはTNT火薬で50万トン、長崎原爆の25倍に相当したという。

小規模のものは頻度が高いが大規模のものは低いというのが自然の摂理。今回の惨事は100年に一度といわれる。この隕石はなんで落ちてきたのか?地球が引っ張ったからだ。正確にいえばたまたま地球に捕まってしまっただけ。

落下隕石対策として科学者たちが示した最も現実的な方法は、巨大宇宙船を隕石に衝突させて軌道を変えるというもの。核ミサイルによる破壊という案も出たが、現時点では打ち上げ可能な小さな核弾頭にその能力はないという。

2013年02月15日 リオのカーニバル

今年の2月9日(土)~12日(火)、南米ブラジルでは真夏の祭典・リオのカーニバルが行われた。花火や派手な音楽が鳴り響き、観客の熱気と興奮渦巻く中、精鋭12チーム約4千人がサンバのリズムに合わせて踊り、華麗さを競う。

カーニバル(謝肉祭)は元々宗教的な儀式で、復活祭前の4旬節を禁欲生活の期間とし、その期間が始まる前の4日間を開放的なお祭りとしたものだ。復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」なので毎年日付が変わる。

4旬とは40日間のことであるが、安息日の日曜を除くので実際は46日間になるという。今年の復活祭は3月31日なので、その46日前の2月13日?から4旬節に入る。したがってその前の4日間がカーニバルというわけだ。

ほぼ時を同じくして始まった長崎のランタンフェスティバル。こちらは旧暦の正月行事「春節」だ。本場中国では爆竹や花火の煙で大気汚染がさらに悪化したとか。レーダー照射事件に核実験の暗雲、冷静に理性的に対処せねば。

2013年01月25日 再生可能エネルギー

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、太陽光発電システムの市場が拡大してコストが下がってきた。Q1:日本でいちばん将来性のある再生可能エネルギーはどれだろうか?太陽光,風力,中小水力、地熱。

A1:(2)風力。環境省によると、現在の技術でも6億?は可能としている。日本の全発電設備の2倍を優に超える。Q2:風車をつくる企業の国内トップは三菱重工だ。それでは世界シェアでは何位?1位,5位,11位以下。

A2:(3)残念ながら11位以下(2010年)。1位はデンマーク。10位以内に中国企業が4社、計30%のシェアをもつ。Q3:太陽光パネルをつくる企業の国内トップはシャープだ。それでは世界シェアでは何位?1位,2位,6位

A3:6位(2011年)。実は05年までは1位、07年は2位だった。同じ国内メーカーの京セラは現在10位。中国企業がトップで10位以内に計6社。さて中国の電力使用量は日本の約5倍、17基の原発では2%に満たない。

2012年 2011年 2010年