あまりにも杜撰なLCACの運用計画

 まったく守ろうとしない米海軍のLCACの運用内規。しかもその運用計画はあまりにも杜撰になってきています。

 海外で唯一のLCAC基地が置かれている佐世保では、その運行が地元住民への騒音と漁船などの航行の障害となっています。そのため米海軍は「エンジンテストを含むLCACの運用については、毎週火曜日と木曜日の午後1時から午後4時まで」行なう内部規定を定めました。しかし内規違反はこれまで数えきれないほど行われてきました。佐世保市が再三再四の厳守要請にもかかわらずです。最近は、当日の運用中止が目立ってきています。

 3月16日(日)は早朝に佐世保市に連絡が入り、「トーチュガの帰港に伴って2隻の運用」をすると言ってきました。また翌17日(月)に予定されていたエンジンテストは結局中止されましたが、内規違反の月曜に計画したこと、しかも中止連絡は運用限度時間の午後4時頃になってという有り様です。
 さらに18日(火)は港外往復する予定の2隻が1隻に変更となりましたが、その連絡は午後3時半頃。翌19日も運用違反日でしたが、エンジンテストを予定。しかし、中止となり、その連絡は午後4時頃。20日(木)は運用違反時間帯の午前9時過ぎから運用し、予定されていた3隻の港外往復が中止、変わりにエンジンテストが追加されました。その連絡も当日の午後3時半頃。
 21日(金)もエンジンテストが予定されいましたが、これも当日の午後3時半頃に中止の連絡が入りました。米軍がもし予定通りに運用していたら6日連続の運用になっていた可能性もあります。

 このように杜撰な運用計画が意図的でなく、やむを得ないものだとするのであれば、逆にLCACによほどの欠陥があるか、あるいは技術者に十分な判断能力が欠如しているのか、どちらかではないでしょうか。

 佐世保市は運用の中止を含むペナルティも検討して、米海軍に強い態度で臨むべきです。

08年3月中旬のLCACの運用状況(赤字が内規違反)
運用日 時間 運用内容
3月16日() 12:20〜13:41 トーチュガの帰港に伴い、佐世保港外の同艦から2隻が崎辺駐機場まで自走し上陸。運用の連絡は当日の午前8時半頃。
3月17日() 09:00〜16:00 (エンジンテスト)中止:連絡は当日の午後4時頃。
3月18日(火) 13:03〜15:33 崎辺駐機場から1隻が港外まで往復。別の3隻がエンジンテスト。変更:港外往復が2隻から1隻に。連絡は当日の午後3時半頃。
3月19日() 09:00〜16:00 (エンジンテスト)中止:連絡は当日の午後4時頃
3月20日(木) 09:35〜13:54 崎辺駐機場で2隻が陸上移動。別の1隻がエンジンテスト。変更:3隻の港外往復が中止。エンジンテストを追加。連絡は当日の午後3時半頃。
3月21日() 09:00〜16:00 (エンジンテスト)中止:連絡は当日の午後3時版頃。

(2008年3月22日)

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