米海軍佐世保基地が創設60年
侵略拠点として現在も増強が続く


長さ520mの岸壁の建設現場。囲まれた部分が全て埋め立てられる。
費用は約200億円。そのすぐ手前が新しい体育館。

 6月30日、米海軍佐世保基地が創設60年を迎えました。弾薬補給廠に格下げされた一時期もありましたが全体として米軍の侵略拠点として増強が続けられてきた60年です。
 この間に日本政府が投入した、地位協定違反の基地建設費はすでに1200億円を超え、計画中の施設建設にも同額以上を注ぎ込む予定で、累計は2500億円を超えると見られています。
 そんな中、7月2日に合衆国独立記念日を記念した基地公開が行われました。

【手荷物検査は強化】
 12時頃に佐世保基地に着くと長蛇の列。報道では4000人以上が入場したという。ゲートにたどり着くまでに20数分、水筒を持った子ども連れも多く、基地に違和感を持たない人にはテーマパークの順番待ちと同じ感覚か。
 ゲートでは顔写真付き証明書の提示と手荷物検査が求められた。しかし提示させるだけで確認は行わない。上下逆に提示してしまった(わざとではない)が何も言われなかった。「提示」は基本的に何の効果もない。ただ「自由には入れないぞ」という威圧感を示すものと感じた。手荷物検査は空港並みに強化された。バッグ類はエックス線透視装置で確認、人間は金属探知ゲートをくぐらせてチェックする。

 艦船の公開は強襲揚陸艦エセックスとドック型揚陸艦ハーパーズフェリー。エセックスの公開部分は格納庫のみだった。ハーパーズフェリーの公開は今回がが初めてで、10数人ずつグループになって内部を案内される。しかし説明らしき説明はされず「手抜き」だ。乗艦する前に日本人警備員は撮影禁止と何回も言っていたが、艦内では案内をする米兵が市民に記念撮影のサービスをしていた!?それを見てみんな写真を撮り始めた。


完成しつつある複合体育施設

【基地内の消防番号は911】
 ここ数年で基地内は一変した。日本の税金で真新しい施設が次々と建設されている。520m岸壁の埋立工事の全貌が見えてきた。新しい体育館も姿を現した。新しい放送局も着工となった。


完成した消防署

 消防署も完成した。そんな巨大なものが必要なのか。ゲートの近くには佐世保市の消防署があるのに。と、突如「揚陸艦ジュノーで日本人男性が…」という日本語アナウンスが響き、すぐに消防車がサイレンを鳴らして出動した。
 基地の建物内の至る所に「火災の時は911にダイヤルを」と(英語で)掲示してあるので、何かと尋ねたら、「基地に限らず米国内が日本と逆の電話番号になっている。別に『9.11』とは無関係」と話していた。

【基地内は税金かからず】
 海軍売店は8店舗を4つに統合する計画が進行している。これだけは米国負担で1600万$。海軍売店は一般公開中でも米軍発行のIDカードがないと利用できない。ガソリンスタンドではセルフで2.83$/gal、日本円で86円/リットルほど。昨年に比べ35%アップだがとんでもない安さ。基地内では一切の税金が掛らないからだろう。
 基地内の通りには各部隊ごとの「屋台」が立ち並び、食べ物や飲み物を売ったり、ゲームをしていた。ここはなんと1$=150円!のレートでぼろ儲け。

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