まるで要塞 米将校住宅造成地

 旧EMクラブ(下士官集会所)跡地の米軍将校住宅新築のための造成工事が終わろうとしています。いったん傾斜地の大部分を削り、そのうえで要塞のような壁を築き上げました。異様な光景です。

 旧EMクラブ跡地は1977年に米軍から返還されていたもので、何度か利用計画は浮かんだそうですが実現しないまま荒れ地となっていました。それが、現在建設中の西九州自動車道路の佐世保ICの一部が米軍ドラゴンハイツ家族住宅地区の一部(7棟11戸)にかかるため、その区画部分7,600m2の土地を日本に返還し、代替として1.5倍の広さの旧EMクラブ跡地12,000m2を米軍に再提供することになったのです。

 新しい住宅はフィドラーズグリーン家族住宅とよばれ、計8棟11戸が建設されます。いずれも鉄筋コンクリート2階建て。5棟はガレージ付きの1戸建て、3棟は2戸のタウンハウスです。警備員の詰めるガードハウスも建てられます。建設は国土交通省の費用で進められ、総経費は約20億円。土地造成工事に約4億7000万円もかかっています。


2005年12月

 今後、住宅建築が行われ、完成した後にインターチェンジ用の土地が返還されます。この佐世保ICは、現在の佐世保みなとICからわずか2.9km、米軍佐世保基地のゲートのすぐ近くに建設されます。本来は必要のない場所。これによってゲートと針尾住宅地区が30分で結ばれることになります。まさに米軍のためのICと言っていいでしょう。おまけに1.5倍の土地と老朽住宅に代わって豪華な新築が手に入るのですから、願ったりかなったりです。


2005年9月


造成工事着工前

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