米原子力空母リンカーン
4月28日付長崎新聞は米原子力空母エイブラハム・リンカーンが5月25日から5日間、乗組員の休養や物資の補給のため佐世保に寄港し、港中央部に停泊する予定であることを報道しています。リンカーンはイージス・ミサイル駆逐艦や攻撃型原潜と空母攻撃群を編成して、今年3月に韓国沖での米韓合同演習(フォール・イーグル)に初めて参加。4月24日には、タイ湾でタイ海軍と演習を実施し、28日にはシンガポールに寄港しています。 リンカーンは03年5月に、ブッシュ米大統領が艦上で、イラク戦争の「終結宣言」を行なった空母で、佐世保寄港は02年8月以来2回目となります。 米海軍は中国の軍拡やテロなどへの対応を強化するため、西太平洋に原子力空母2隻の常時配備を検討しているといわれています。そのために横須賀以外にハワイのパールハーバーに母港を設け、乗組員が2週間程度休息できる準母港として佐世保基地が考えられているという指摘がなされています。90年代には1度もなかった原子力空母の寄港がこの間、頻繁に行なわれていることは準母港化に向けた布石といえます。さらに今年2月に発表された「4年ごとの国防見直し」(QDR)では11隻の原子力空母のうち少なくとも6隻を、攻撃型原潜の6割を太平洋地域に配備する方針を打ち出していて、佐世保基地がますます米戦略に組み込まれていくものとみられます。
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