原子力空母ステニスの
佐世保寄港に抗議する!


佐世保港に入港する米原子力空母ステニス。周囲を海上保安庁の警備艇が周回し、
抗議の海上デモの漁船を近づくのを阻止した。(8月21日)

 8月21日午前8時50分頃、米原子力空母ジョン・C・ステニス(乗員4,504人)が佐世保港に入港し、港内中央部35番錨地に停泊しました。米原子力空母の国内寄港は3年連続で。佐世保寄港は02年8月のエイブラハム・リンカーン以来2年ぶり、通算6回目となります。また同時にステニス空母攻撃群の随伴艦イージス・ミサイル駆逐艦ハワードが立神6岸に、高速戦闘支援艦レイニアが赤崎岸壁に接岸しました。

 ステニスは午前8時過ぎに佐世保港口に姿を現し、海上保安庁の巡視艇がステニスの周囲を周回して抗議行動の船舶20隻を近づけさせないようにしました。

 佐世保港を見下ろす野崎町の丘の上では緊急抗議集会が開かれ、入港するステニスに向かって「ステニスは出て行け!」「佐世保をイラク戦争の基地にするな!」と次々に怒りのシュプレヒコールをあげました。

 同日午後、佐世保市内で開かれた「米原子力空母寄港反対佐世保集会」には、県内各地から約150人が駆けつけました。集会後、参加者は繁華街をデモ行進し、原子力空母入港反対を市民にアピールしました。

 ステニスに搭載されているのはF/A-18ホーネット, F/A-18E スーパーホーネット, F-14 トムキャットなどの戦闘機の他、EA-6B ブラウワー, S-3 バイキング, E-2C ホークアイ,SH-60 シーホークの計79機。
 艦上で記者会見したステニス空母攻撃群のワルシュ司令官は核兵器搭載の有無について「詳しい搭載武器は言えない」とした上で「日米安保条約の取り決めに従って義務を果たす」とだけ述べています。
 長崎県がアメリカの原爆攻撃を受けた8月に、核兵器搭載の有無を曖昧にしたまま入港することに怒りを禁じえません。あわせて米世界戦略の出撃拠点としてますます佐世保基地の機能強化が進むことに大きな危惧を感じます。


立神岸壁に接岸したイージス・ミサイル駆逐艦ハワード


赤崎岸壁に接岸した高速戦争支援艦レイニア

 一方、新潟港に入港が予定されていた横須賀配備のイージス・ミサイル巡洋艦カウペンスは台風のために中止となり、急きょ静岡県清水港に入港となりました。そのために清水港に入港予定だったステニス随伴艦のイージス・ミサイル巡洋艦レイクチャンプレインは横須賀港に、また東京・鳴海にはミサイル・フリゲート艦フォードが入港しました。米軍艦の4ヶ所同時寄港もかつてないことです。

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