NLP・厚木基地移転許すな!
岩国基地包囲行動に3500人


岩国駅前の元町第三街区公園を埋め尽くした3500人の参加者

 6月19日、山口県岩国市で「6・19岩国集会」が開かれました。これは米海軍厚木基地の空母キティホーク艦載機部隊とNLP(夜間離発着訓練)、普天間基地の空中給油機部隊の米海兵隊岩国航空基地への移転構想に抗議するもので、中国・四国を中心に全国から3500人が集まりました。

 岩国駅前の元町第三街区公園で行われた集会では岩国市、座間市、江田島市の代表が発言しました。座間市の宮応勝幸さんは「米国ではNLPは人のいない砂漠でやっている。それも動物や昆虫への影響を十分考慮して。日本人は虫けら以下ということか。NLPは岩国でも厚木もなく、米本国でやるべきだ」と訴えました。この集会の最中にも配備されているFA18戦闘機が爆音をとどろかせました。

 集会後、参加者は岩国基地まで約5キロメートルを行進しました。基地の中の隊舎群や滑走路、弾薬庫群を見ながら、市民への呼びかけやシュプレヒコールを繰り返し、先頭はさらに基地沖合を埋め立てて2本目の滑走路を建設している現場までたどり着きました。ここを起点に北ゲート付近まで基地の北側部分の約3500メートルを「人間の鎖」で包囲しました。


弾薬庫群


岩国基地周辺3500メートルを包囲!!


広大な埋立地に驚きながら進む行進の先頭の人たち

 岩国基地は現在、沖合21300m2の埋め立て工事が進められており、その上に2本目の滑走路、大型艦船が寄港可能な水深13メートルの岸壁、駐機場、格納庫、ヘリポート、弾薬庫などができるなど、大幅な機能拡張が行われています。

 6月8日、岩国商工会議所基地問題特別調査特別委員会は、建設中の滑走路のさらに沖合に「3本目の滑走路」建設を条件に、厚木の空母艦載機部隊とNLPを誘致することを決めています。実は岩国商工会議所は4月12日に、佐世保商工会議所を「原子力空母母港化提言などをまとめた経過を聞きたい」と訪問し意見交換しています。

 その後、5月5日付東京新聞が「米軍再編の一環として、佐世保基地を空母の準母港、岩国基地を艦載機の駐機場にする構想」が進行していることを報道しました。そして5月18日、佐世保商工会議所は「空母母港化」は現実論として無理とし、「準母港化」に軌道修正しました。

 佐世保と岩国の経済界は米軍再編を利用して基地増強による地域振興策を打ち出しています。増強予算は国民の税金を使い、被害を住民に押し付けて甘い汁を吸おうとしています。日本で基地を強化して繁栄した自治体はどこにもありません。商工会議所は基地を撤去し、跡地を再開発したときの経済効果を試算すべきです。それがほんとうの地域振興につながるのです。

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