「模擬サマワ」で派兵前訓練を公開
県内からの派兵部隊は約200人

 長崎新聞6月17日付は、今夏、長崎からイラクへ派兵される人員は約200名と報道しました。内訳は大村駐屯地から約160名、相浦駐屯地から約40名、竹松駐屯地と対馬警備隊から数名。第7次支援群の残り300名は福岡、佐賀、大分から選ばれることになります。すでに今春から「衛生」「施設」「警備」などの各部隊別に英会話なども含めた訓練を開始しており、今回派兵される予定の計約500人を集めた最終仕上げの総合訓練も1週間の予定で行なわれています。

 6月16日、県内の大野原演習場で、派兵に向けた総合訓練が報道陣に公開されました。
 サマワ郊外の陸自宿営地を模した訓練施設は今年4月に完成しています。この「模擬サマワ」には100近いテントが並び、日の丸が掲げられ、周囲は鉄条網で囲まれ、機関銃を備えた車両や武装した隊員が出入りを監視。テント以外ほぼ忠実にサマワを再現しているといいます。

(次は西日本新聞からの抜粋)
 隊員の装備もイラク専用に支給された砂漠色のブーツをはき、灼熱の太陽から身を守る丸いつばのついた迷彩の帽子をかぶっている。
 十人ほどの自衛官は、銃口を下げた小銃の引き金に指をかけている。道路脇の土のうで固めた銃座には、機関銃が据えられている。装甲車の上では、銃を構えた隊員が、防砂用のゴーグル越しにこちらをにらんでいる。アラブ商人のように頭から布をかぶりイラク人警察官に扮(ふん)した自衛官もいる。「もしかして、撃たれるんじゃないか…」。あり得ない想像をしてしまうほど、訓練は真に迫り、体に緊張が走った。
 訓練内容も、日常のサマワでの活動を忠実に再現している。指揮所には、イラクに展開する多国籍軍の位置などを記す地図が並ぶ。宿営外の道路では、施設部隊が建設機械を使って道路拡張工事を実施。「じゃあ、リクエストを頂いた曲、いってみよう」。昼と夕方に流される隊員による有線放送も始まり、ディスクジョッキーの声と軽快な音楽が響いた。

 一方、第7次群本隊の派兵に先立ち、地元住民や行政機関などとの連絡調整に当たる第4次イラク復興業務支援隊(約100人)が6月下旬に出発します。民間機でクウェート入りし、現地の米軍キャンプで訓練した後、イラク南部のサマワ入りする予定です。
 九州全域を管轄する西部方面隊(総監部・熊本市)の約60人のほか、陸上幕僚監部の隊員らで編成されます。県内では大村、相浦、竹松の各駐屯地から数人、佐賀県目達原駐屯地から7名、宮崎県都城駐屯地から数人、沖縄県の第一混成団から6人という人数が報道されています。6月18日、西部方面総監部で激励会が開かれました。任期は半年。

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