原潜サンフランシスコの事故
1人死亡、重軽傷者は98人に
米軍の秘匿体質、浮き彫りに

 2月12日、米第7艦隊当局は「サンフランシスコ艦長解任される」というタイトルの記事を発表しました。ニューヨークタイムズもその内容を報道しています。

 米第7艦隊司令官は事故を起こした原潜サンフランシスコのムーニー艦長を解任しました。解任は横須賀で開かれた裁判によらない懲罰手続によって行われ、艦長には懲戒処分が通知されました。事故後、すでに艦長はグアムの第15潜水戦隊司令部に配置替えとなっていました。事故調査の中で艦長が、原潜サンフランシスコでいくつかの重要な航海上の手続きをとっていなかったことが判明したということです。

 驚くべきことに、その中で米海軍は今回の事故の重軽傷者が乗員の7割強に相当する98人にものぼり、そのうち23人は、グアムへたどり着く間、任務につける状態ではなかったことを明らかにしています。

 事故当初、米海軍は負傷者は23名と公表していました。その後、ニューヨークタイムズ社は独自調査で23名というのは重傷者の数で、負傷者は60名であることを突き止めました。米海軍は艦首部分が大破した写真を公表したものの、この数字を公表しませんでした。事故原因や被害についてもなお調査中だとして詳細を明らかにしていません。しかし今回の公表は、当初真相を覆い隠そうとしたものの、事故は大規模で予想以上に深刻なものだったために発表に踏み切らざるをえなくなったものと考えられます。原潜事故の危険性や事故の真相を極力覆い隠す米軍の秘密体質が浮き彫りになってきました。

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