弓張岳での陸自無許可訓練で
平和委員会が佐世保市に申し入れ
市も抗議、陸自は謝罪

 2月10日に、陸上自衛隊が無許可で弓張岳展望台下の公園内に特殊車両を乗り入れて「防災訓練」を行なったことについて、県内の新聞が16日に一斉に報道をしました(長崎新聞は15日付も)。

 訓練を行なったのは大村の竹松駐屯地の第七高射特科群高射搬送通信中隊の3人。駐車場では電波の送受信がうまくいかなかったため、無許可でステンレスの車止めを引き抜いて公園内に通信機材を積んだトラック(3.5トン)を乗り入れました。佐世保市は14日に陸上自衛隊に抗議し、15日に大村竹松駐屯地司令が佐世保市役所を訪問して全面的に非を認め、謝罪しました。

 同じ15日、佐世保原水協と平和委員会は佐世保市に対して申し入れを行ないました。
 対応した西野助役は「陸自に市都市公園条例違反と口頭で抗議した。陸自は謝罪に訪れた。今後の使用許可申請は観光面に配慮しながら内容次第で判断する」と述べました。

 この訓練は防災時に県北地域から竹松駐屯地への無線通信に必要な中継所を設置し、通信状況を調べる内容で地域毎に年2回ほど実施しているといいます。今回この通信訓練は佐世保市の烏帽子岳、西海町の虚空蔵山でも同時に行われ、米海軍佐世保基地上空をカバーする形になっていることから、その機能に対して危惧をおぼえます。


2005年2月15日

佐世保市長 光武顕 様

原水爆禁止佐世保協議会 理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会   会長  町田 勇

陸上自衛隊の無許可軍事訓練についての申し入れ

観光地を台無しにするのか 弓張岳公園での軍事訓練をやめさせよ

 2月10日、確認した情報によると、弓張岳公園で陸上自衛隊竹松駐屯地部隊が、「災害訓練」と称して無線通信軍事訓練を行いました。佐世保市公園課によれば、「10日午前8時から午後3時まで、駐車場に車を止める。無線訓練のため」という届出が大村陸上自衛隊からあったといいます。

 しかし、実態は駐車場ではなく、公園内に入り込んでの訓練でした。明らかに公園管理者の無許可使用です。佐世保有数の観光スポットになっている弓針岳公園が自衛隊の軍事訓練のために占拠される状況を容認されていいものでしょうか。これが観光立市を標榜する佐世保市の政策に合致することでしょうか。

 加えて、自衛隊のやり方は法令を無視するというものです。許可なく公園使用する、しかも使用する際に、車両進入防止の柵を勝手に取り外して進入させるというものです。

 既存の法令を無視してまで軍事訓練を行ってもその無法がまかり通るというのであれば、自衛隊が決定的に重要な権限が約束されている国民保護法制のもとでは、今後市民生活や地方行政はいったいどうなるのだろうかという強い危惧を覚えざるをえません。いささかもあいまいな態度をとるのではなく、真相の解明と厳重な抗議と毅然とした自治体の態度をとられるように強く要請いたします。

要請事項

  1. 真相を解明されること。
  2. 条例違反が明白になれば、自衛隊に強く抗議し、謝罪を求めること。
  3. 「防災訓練」と称して、今度は正式に公園使用許可申請が出ても、許可しないという態度をとられること。