核攻撃能力認証の米原潜
座礁事故で24人死傷!


座礁事故後グアムに向かう原潜サンフランシスコ(米海軍ホームページから)

 1月8日、「核攻撃能力の認証」を与えられている米原潜サンフランシスコ(母港グアム:乗員137人)がグアム島の南560kmで座礁事故を起こし、米海軍の緊急医療チームが現場に急行しました。機械室にした乗組員1人が死亡、23人が頭や背中をぶつけたり、骨折するなどの重軽傷を負いました。原子炉の損傷はなく放射線漏れもないと報道されています。

 原潜サンフランシスコはオーストラリア・ブリスベーンに向かって航行中で、潜水状態での訓練中に海底の岩に乗り上げたといいます。その後、自力で浮上し、低速でグアムへ引き返し、米海軍艦船や沿岸警備隊などにエスコートされて10日にグアムに帰港しました。

 事故原因は調査中で、使用していた海図が、グアム周辺の古い観測データを基に作成されており、障害物の情報が記されていなかった可能性があるとしています。これが事実とすれば、原子炉で稼働し、核トマホークを搭載している可能性の高い原潜が、大惨事にもなりかねない危険な航行を繰り返していることになります。

 また岩礁との衝突で死亡者まで出る事故なのに、はたして原子炉の損傷は本当になかったのでしょうか?04年7月に佐世保寄港中の、同じく「核攻撃能力認証」原潜ラ・ホーヤのケーブル火災も事故原因は究明されないままです。米海軍ホームページによるとエスコートにあたったのは、沿岸警備隊の巡視艇ガルヴェスト・アイランド (WPB 1349)、米海軍の事前集積艦ストックハム (T-AK 3017) と弾薬輸送船キスカ (T-AE 35)、汎用へリ・ナイトホーク(MH-60S)、対潜哨戒機オライオン(P-3)であり、大がかりなものというのも気になります。

 「サンフランシスコ」などグアムに配備されている原潜は、エセックス遠征攻撃群の一翼を担うものとみられるだけに原因究明・公表が求められています。

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