基地立入許可取消し問題で
一転して米軍が可能性を示唆


重油汚染されているとみられる土砂が山積みされている赤崎貯油所

 佐世保市議の橋本純子さんと山下千秋さんの2人が米軍佐世保基地赤崎貯油所の敷地への「立入り調査」を申請し、一度は許可され、翌日に取り消されたという事態は大きな進展をみせようとしています。

 山下さんらは当初立ち入りが予定されていた24日に急きょ記者会見を行い、不当な米軍の態度を糾弾するとともに「公開質問状」の内容を明らかにしました。マスコミが一斉に報道した翌25日の午後、米軍佐世保基地からマスコミへ次のような「緊急発表」が出されたのです。

立入申請は検討中である
2人の佐世保市議に対する当初の立入許可は2月20日に
撤回されたが、現在上級機関と立入申請を検討中であり、
今後の立入の可能性について両市議に連絡する予定である。

 これまで地方議員が基地に立入申請をして許可された例は一度もありません。それが一度は許可されました。その手続きは正当なものであったことを外務省も認めています。これは大きな成果です。そしてその許可が正当な理由もなく一夜にして取り消されるというのは異例の事態でした。さらにその取消したこと自体を再検討し、立ち入れる可能性を示唆するコメントを緊急発表することも全く異例なことです。二転三転する米軍の態度はきびしい批判に対する動揺の現れと見ることができます。

 95年の沖縄での少女暴行事件を契機とした日米地位協定見直しのたたかいの中で「運用の改善」の措置がはかられることになりました。その1つが「基地への立入に関する日米合意」でした。今回の立入問題はまさに主権回復のための一歩なのです。米軍に対しては政府間合意を守らせなければなりません。同時に日本政府・外務省に対しても「正当な手続きだった」と述べるだけにとどまらせず、米軍に対して合意を守るよう毅然とした態度をとらせることが重要になっています。

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