米海兵隊2000人を載せて
揚陸艦3隻が佐世保帰港


戦闘態勢を維持したまま寄港したエセックス。手前はジュノー。

 4月9日午後、強襲揚陸艦エセックスが沖縄駐留の米海兵隊2000人と攻撃へリなど航空機12機を搭載したまま佐世保港に帰港しました。アメリカの無法なイラク戦争の最中、北朝鮮を威嚇する意志がありありと感じ取れます。同時にジュノーとフォートマクヘンリーも帰港しています。
 「臨戦態勢」のまま米揚陸艦が帰港したのは過去に2回あります。94年8月、「北朝鮮危機」の際にベローウッドが垂直離発着機ハリアー4機を搭載したまま帰港。00年10月には配備されてまもないエセックスが海兵隊特殊部隊900人を引き連れ、航空機12隻と戦闘用車両、装甲車など緊急展開能力を維持したま帰港し、その後米韓合同演習に参加したことがあります。それに比べ今回は米韓合同演習後であり、2000人というのは異常な事態です。

 今回の滞在理由は「休養」ということですが、長崎新聞では「われわれは(イラクではなく)東アジア情勢に備えている」との米海軍当局者のことばが紹介されていました。また原水爆禁止佐世保協議会の山下千秋理事長は「朝鮮半島有事の際に、佐世保基地が重要な役割を担うことになることを示している」と語っています。

【この間のエセックス強襲揚陸即応群の動き】
 エセックスとフォートマクヘンリーは2月25日に佐世保を出港後、試運転で出航していたジュノーと合流して沖縄ホワイトビーチに寄港しました。当初は3月1日にフィリピンのイスラム過激派アブサヤフ掃討作戦に向かう予定でしたが、フィリピン国内の反対世論の高まりで中止となりました。
 その後、硫黄島近海で水陸両用訓練を3月10日〜13日に行い、18日からは原子力空母カールビンソンなどと米韓合同演習に加わっています。とくにイラク攻撃開始直後の3月21日には韓国・浦項近くの海岸で韓国軍とともに強襲揚陸演習を実施して、北朝鮮を威圧しています。
 エセックスなど3隻は3月29日にホワイトビーチに寄港後4月1日に出港、その後再び4月5日にホワイトビーチに寄港、4月9日に佐世保帰港となっています。