聖母被昇天 おめでとうございます

 

ペトロ 晴佐久 昌英

この原稿は、8月7日の日曜日の夜に、「ここヤシの家」で書いています。
ここヤシの家とは、晴佐久神父が鹿児島県奄美大島郡の加計呂麻島(かけろまじま)の浜辺に、大勢の人の寄付によって開設した合宿所で、エメラルドグリーンの海に面した600坪ほどの敷地に、宿泊棟とスタジオ、小聖堂などが建っています。
スタジオはステージ付きで30畳ほどあり、ギター・キーボード・ドラムセット・アンプ・スピーカーはもちろん、音響ミキサーやLED照明もあって、ライブをすることができますし、プロジェクターが吊ってあるので、映写もできます。
実はこれを書いている今、隣接の民宿の方たちも招待して、「ブラザーサン・シスタームーン」の上映会中です。
スタジオの外に広い芝生があり、屋根付きのウッドデッキが張り出しています。
去年はそこをステージにして、バーベキューをしながらの野外ライブを開催し、地元の人も交えて、大変盛り上がりました。
今来ているのは、心の病を抱えている青年のための癒しの合宿、「ここヤシキャンプ」です。
苦しんでいる彼らに必要なのは、家族的な仲間たちと、安心できる環境、そしてすべてを受け入れてくださる神さまへの信仰ですから、南の島の豊かな大自然の中で、それらを深く味わってもらいたいと願って、毎年開催しています。
そのような活動をしていると、不思議と様々な協力者が現れてきます。 例えば、今日の午前中に来訪したのは、奄美大島名瀬市の信者さん。
大島紬の絹糸を使ったモダンな「みな織り」を開発した方で、典礼用にお使いくださいと、美しい布を持ってきてくださいました。
食事の手伝いなどもしてくださり、大変助かりました。
午後に来訪したのは、奄美大島古仁屋にある精神科の病院の院長先生です。
今年は、ここヤシの顧問医師が合宿に参加できなかったため、参加者が急性症状を起こして専門的治療が必要になった場合などに、診療をお願いすることもあるかもしれないということで、合宿初日にご挨拶に伺ったところ、なんと「後日おたずねしましょう」と言うのです。
今日、わざわざ船に乗って合宿所まで来てくださり、参加者に心の不思議について話し、一人ひとりにアドバイスまでしてくださって、大変感動しました。
また、院長先生の奥様も同行してくださったのですが、この方はインドで勉強なさったヨーガの専門家で、参加者にヨーガを指導してくださいました。
スタジオにマットを敷いて横になり、みんなで呼吸法を学んだり、ゆったりとヨーガのポーズをとったりするひとときは、参加者にとってまたとない平和な時間になりました。
そんな来訪者も交えて、さきほどの夕方、小聖堂のテラスで、海を眺めながら、みんなで主日ミサをいたしました。
確かに人生には病気があり、障害があり、苦しいことは多いですけれど、大勢の人が協力し合えば、小さな天国を作り出すことは可能です。
それこそが神の望みだからです

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