復活のおかげで

 

セバスチャン 西川 哲彌

四旬節受難の主日、聖週間を通して私達はやっとご復活主日を迎えました。
イエス様のお墓にお参りしたマグダラのマリアが眼にしたのは、なんと空っぽの墓でした。
入口に置かれた円型の大きな石は横に転がされてお墓の中が見えていました。
中は空っぽです。
それを聴いてペトロとヨハネが走って墓に行ってみるとそのとおり空っぽでした。
「誰かがイエス様のご遺体を隠したに違いない。それは一体誰だろう」と思ったと書かれています。
びっくりしたでしょう。
色んなことを考えたでしょう。
「死によって私達は何も失わない。神様がお与え下さった生命は、身体が地に還っても私達と共に生きている」という私達の信仰は、この「空っぽの墓」からはじまるのです。
眼に見える復活体でいらっしゃるイエス様を見て弟子達は「主がおっしゃったことは、全て現実だ」と信じるようになります。
そして3年間、共に過ごし見たり聴いたりしたことが全て真実であることを理解しはじめるようになるのです。
ご復活という神様の重大な啓示の発端が「空っぽの墓」だなんてびっくり仰天ですよね。
「空っぽの墓」から始まった復活信仰が、それ以来人類のみならず全ての被造物にどれだけの影響を与えたかは想像つきません。
なにしろ死んだらおしまいだと思ってしまい、死から逃げようとする人間をしてしっかりと死に向かわせ、神様が示された死を乗りこえる道に足を踏ませるのですから、それはそれは偉大なことです。
クリスマスも素晴らしい日ですがご復活の喜びはその何十倍も大きいです。
改めてご復活祭おめでとうございますと申し上げます。

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