建築講義 動物病院のつくりかた 8年分のメールマガジン一挙販売        


どんな講義なの?


いろんなイミで特殊な建築物である動物病院。そのつくりかたをさまざまなカクドから概論しています。一つ一つのテーマを通して知識を深めるうちに立体的な

理解が得られるよう講義しています。新築・建替え・リフォーム・分院展開をお考えの院長はもちろん、いずれ開院・開業をとお考えの獣医師の方、獣医師を志

す方、また獣医療、ペット関連ビジネスに携わる方にも
ヒントになることでしょう。一般の方にもなるほどと興味をもっていただけるお話も取り上げています。

動物病院専門のパイオニアでありフロントランナーである設計事務所の発信したこのマガジンは、同業他社各社の注目も集めました。

タイトルリスト

第97回/2月発行分が最終回  第1回2004年2月発行~第97回2012年2月 

 のべ800名以上に及んだ読者の方々に感謝を申し上げます。




ちょっと
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「専門の設計事務所」をいち早く掲げた当事務所が、ガラス張りや住み分けのできる待合、処置室を中心にした動線など、今となっては
常識となっている設計の基本を広めてきました。動物病院設計に道筋をつけるパイオニアとして、時代的な役割は果たしてきたと自負し
ています。この8年間にわたるマガジンには、その実際例を通してこれから開業や新築を考える方にヒ ントとなる情報が多岐にわたり
盛り込まれています。とくに動物病院やペット関連施設をつくるに当たり、どこからとりかか っていいのか分からないという方には入門書
として活用していただけるはずです。通読して全体像をつかんだらテーマ別に もう一度拾っていただくという使い方が有効かと思います。

動物病院の設計施工につきまして具体的なご相談は、株式会社菅野建築事務所一級建築士 菅野(かんの)泰孝が承ります。
yf-kanno@mpd.biglobe.ne.jpもしくは090-9315-4294 までご連絡ください。


サービス閲覧  以下の回が無料で見られます。
■第1回から18回までと第38回 

最近の講義のさわりの部分をちょっとだけ
第95回 植栽を伐り新たに歩道の切り下げを行う事例(イントロだけ)  参考写真 
第94回 歩道の切り下げを安直に考えていなかったか(イントロだけ)
第93回 確固たる開業ポリシーはあるか(イントロだけ) 
第92回 設計の打合せを安直に済ませていないか(イントロだけ) 
プロローグ                                               

最初に動物病院の設計を手がけたのは17年ほど前になりますが、その時つくづく感じたのは、動物病院は「総合病院」なんだなあということでした。風邪くらい

しか診られません、ケガしか治療しませんという動物病院はまずありませんね。いわゆる内科・外科から歯科に至るまで、診療科目はすべてにわたっていて、

診察・処置室だけでなく、薬局や検査・入院の設備まである「総合病院」なのです。


しかも「患者さん」はたとえばイヌと一口に言っても、大型犬から今流行りのミニチュア犬まで品種もいろいろです。それにネコ、ウサギ、フェレット、ハムスター、

小鳥、さらに爬虫類にまで対象を広げている病院も少なくありません。こうした今日的なニーズと設備・機能を一定の空間につくりこむという作業が、動物病院の

設計なのです。そこには一般の住宅や事務所、商店の建築では出てこない要素がたくさんあります。


病院にはレントゲンの機器があります。X線の性質は?電圧は?装置の概要と操作は?デジタルでなければ暗室、現像設備は、フィルムの保管場所は?・・・。

病院ですから手術室があります。よくテレビドラマで手術室のシーン、ビカッとまばゆく光る電灯、あれを無影灯といいます。まさに腕のように無影灯の角度や高さ

を自在に調整するアームですが、あのアームを有効に生かす天井の高さというものがあります。支える天井には当然補強が必要です。


待合室の設計ひとつとっても、大型犬と小型犬、イヌとネコ、ネコと小動物の住み分けに配慮しなければなりません。人間だったら席をつめて整然と順番を待って

くれますが、ペットたちの待合は、トラブルの起こる可能性のある場所なのです。


鳴き声、臭い、X線。これらに対する防音、防臭、防護の設計は基本事項です。この他、挙げればキリがありませんが、レーザー機器などの医療機器・各種検査

機器、酸素・窒素・笑気などガス類の配管・ボンベの配置、多様な薬品・器具の収納、尿に強い壁材などという事柄は、まず普通の建築物には出てこないもの

です。


もし動物病院を設計しようというなら、このへんの知識は初歩の初歩になります。ところがつい勢いで「動物病院くらいつくれますよ」と言ってしまう建築業の方。

(動物病院の建築は奥が深―いのですぞ) また獣医師の先生も自分が指示をしながらやればいいと考えることが多いようです。しかしその結果、心身は消耗

する、工期は延びる、コストはかさむ、そして結局、不満の残る病院でガマンしているということになります!
 実際、「こういう病院をつくりたいと伝えていくのに、

いちいちオペレーションの内容から説明しなくちゃならないのはたいへん」とこぼされる声を聞くことが、少なくありません。


動物病院をよく知らない人の設計・施工がもたらす笑い話は、枚挙にいとまがありません。たとえば「隔離室を設けてください」という要望が出たとします。動物病

院の「隔離室」というのは、他のペットと同じ入院室に置けない状況のペットを観察・収容する部屋で、いつでも見に行ける設計でなければならないのですが、本当

に、外からしか出入りできない「隔離された」部屋がプランされていたことがありました。入院室が完成して、さてケージを収めようとしたら大きいケージがドアから

入らず、いったん壁を壊したという話もありました。そんなこんなの面白ネタもおりまぜながら、動物病院のつくりかたの概略が見えてくる、そんな講義をお届けし

ています。

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